みんなの投稿
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第392回 総本家田中屋の『生せんべい』
東海地方には、本当にさまざまな銘菓が散在します。名古屋ではなく、愛知県の各地にも、独特の菓子があります。総本家田中屋の知多銘菓『生せんべい』もその一つでしょう。『生せんべい』という...
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第391回 平安堂梅坪の『吾作饅頭』と『安芸れもん』
以前に広島を訪れた際に、ちょうど井口の商工センターで、食の発見イベントが開催されて参加させて頂いたのですが、実際の目的は平安堂梅坪の本社工場を訪問することだったわけです。足早に会場...
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第390回 芭蕉庵の銘菓『旭 川』と白小豆羊羹『紅羊...
この三色の美しさが何とも言えないのが、芭蕉庵の『旭 川』。武家出身の初代・白神孝男氏が明治42年に創業して、俳人・松尾芭蕉に心酔していたことからこの屋号をつけたそうな。そして、すぐに...
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第389回 亀末廣の『茶三昧』
亀広良が苦労の末に復活させた伝統銘菓『茶三昧』どの土地にも決して絶やしてはならぬ銘菓があります。名古屋では尾張徳川家の筆頭御用菓子司であった桔梗屋の流れを汲み、幕末創業の美濃忠が守...
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第388回 腰掛庵の『わらびもち』
山形から天童に立ち寄り、久しぶりに昨夏、腰掛庵に会いに行く。 こちらの『わらびもち』を4年前までお取り扱いしていたのですが、 本店の製造が追いつかなくなってしまったことも...
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第387回 東雲堂の『二〇加煎餅』
この煎餅を初めて見つけた時は、大変申し訳ないのですが、何という面白い顔をした半面をお煎餅にしたものかと笑ってしまったものです。当然ですが、どうしてそんなユーモラスな表情をしているの...
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第383回 玉製家の『名代おはぎ』
お彼岸にはおはぎ。中日はどこの和菓子屋さんだって忙しくなります。基本的には庶民的な朝生菓子の部類ですので、餅菓子屋さんを中心に作っていますが、普段は茶席菓子を作っているお店にも、秋...
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第382回 虎 屋の『おはぎ』
関東の虎 屋の『おはぎ』春のお彼岸は、本来は牡丹餅(ぼたもち)と呼ばれておりまして、まあ、牡丹の花のイメージからやや大ぶりなものを想像するかもしれませんし、粒あんのイメージを持って...
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第381回 仙太郎の『ぼた餅』
本来、春のお彼岸は「ぼた餅」と呼ぶわけですが、一部を除いては、ほとんどの和菓子屋さんで、「おはぎ」と呼ばれていて、それが年間通して、一般的に定着しているのが事実です。もちろん、使い...
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第380回 大黒屋の『菜花糖』
もう一つ、菜の花を思わせる菓子として忘れてはならないのが、メガネの街として知られる鯖江の銘菓、大黒屋の『菜花糖』です。柚子のお菓子という意味では、冬に食べたくなりますが、その見た目...
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第379回 三英堂の『菜種の里』
春にこそ、是非味わって頂きたいという菓子は多いものですが、この松江銘菓『菜種の里』もまたそんな和菓子のひとつです。以前にご紹介した彩雲堂の『若 草』、風流堂の『山 川』と共に、松江...
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第378回 榮太樓總本鋪の『繁盛団子』と『日本橋餅』
日本橋は現在、三越前から京橋にかけて、古いビルが次々に壊されて行き、まさに再開発の嵐・・・・ドンドン街の景色が変わっております。その中で、日本橋で昔から親しまれている老舗たちがいま...
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第377回 みまつの『桜 餅』
いろんな種類が楽しめる『生大福』が人気の和洋菓子屋さん、みまつ。ちょうどイチゴの時期ってこともありまして、生クリームにイチゴという絶対に外さない組合せをチョイスして、ボリュームたっ...
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第376回 志″満ん草餅の『草 餅』
さあ、桜が咲いてまいりましたものですから、向島からもう一丁。隅田川の満開の桜を見ながら、食べておきたいのは、長命寺やまもとの『桜 餅』と、言問団子の『言問団子』と、こちらでしょうね...
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第375回 桔梗屋織居の『花 守』
夏場には涼味たっぷりの『小豆憧風』でも有名になった老舗・桔梗屋織居。ようやく暖かくなってきた春には、美しい紅白の干菓子『花 守』を見逃すことはできません。ちょうどイベントで出品され...
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第374回 丹六園の『志ほか満』(しおがま)
そして、3月11日、東日本大震災より4年が経過した。昨年は催事の準備中にその時間を迎えたのですが、今年は同じ日に、複数の物産展が立ち上がり、横浜から日本橋に引き返したところで、午後2時4...
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第373回 言問団子の『言問団子』
3月10日、僕は押上の駅から歩いて、この墨堤まで足を延ばす。『桜 餅』で有名な長命寺やまもとの店の脇に咲き始めている早咲きの桜を見つめ、ひょっこり言問団子の本店にお邪魔することにして...
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第372回 桂月堂の『桜だより』
松江に参りましたら、ちょうどこんな素敵な桜のお菓子を発見し、これはちょっとあちこちでご紹介したいなあと思いまして、そのまま桂月堂へ。白いモチモチとした柔らかい外郎の餅生地は、綿棒で...
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第371回 松屋本店の葛湯『吉野拾遺』と干菓子『吉野...
葛干菓子『吉野懐古』(よしのかいこ)いにしへより古都の奈良は、多くの和歌に詠まれてきました。そして、春の歌に必ず登場しますのが、吉野山の美しい桜でございます。吉野の山全体が薄紅色に染...
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横浜タカシマヤ味百選 ワカタク!イベントを終えて、...
左より、青柳正家・須永友和さん、しろ平老舗・岩佐 昇さん、雅風堂・安田卓司さん、僕を挟みまして、彩雲堂・山口周平さん、佐藤屋・佐藤慎太郎さん、巌邑堂の内田弘守さん、田中屋せんべい総...
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第366回 末 富の生菓子『引千切』(ひちぎり)
こればかりは、ほぼ京都にしかないでしょう。 最近では、雛祭りにイチゴのケーキがよく売れるようになりましたが、 やはり、京菓子としては、この『引千切』(ひちぎり)は絶対に欠かせませ...
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第365回 中野本舗の『薄墨羊羹』
松山の地に、淡い桜がはらはらと散り舞う様を表現した、実に趣深い中野本舗の『薄墨羊羹』がございます。松山にある名刹・西法寺にある実に美しい桜、薄墨桜。飛鳥の御世、天武天皇が道後温泉に...
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第364回 川口屋の『椿 餅』
日本最古の餅菓子と言われながら、あまり知られていないのが、冬の代表的な生菓子『椿 餅』でしょう。雪降る寒い冬の朝に、凛とした花を咲かせている椿の花。その濃い緑色の葉を敷いて餅を乗せ...
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第363回 茂木一〇香本家の『桃かすてら』
カステラを製造している和菓子屋さんはたくさんありますが、カステラの本場である長崎には、お祝いごとに重宝されている『桃かすてら』がある。長崎の多くのカステラ屋さんが、桃の形をしたカス...
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第362回 文の助茶屋の『甘 酒』
文の助茶屋と言えば、もうすっかり『わらび餅』で有名になりまして、京都の物産展などでも、わらび餅の実演があちこちで見られますが、創業当時から続く伝統の味は、この『甘 酒』なのです。そ...
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第361回 落雁諸江屋の雛菓子『金華糖』と『菱落雁』
雛菓子の中で、特に豪華絢爛なのは、やはり金沢でしょう。落雁などの干菓子が充実しておりますのと、『金華糖』が圧倒的な存在感を見せます。京都の菓子屋でも製造されておりますが、ここまで本...
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第360回 山下おいり本舗の『おいり』
ふわっと風に吹かれて飛んで行きそうなほどに軽い食感の『おいり』。小さな真ん丸な玉あられは、水色やピンク、紫、黄色、緑などのパステルカラーに色付けされ、ほんのり甘く、淡くニッキの香り...
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第359回 山中石川屋の『娘娘万頭』
温泉街には饅頭が欠かせないアイテムとなっておりますが、加賀百万石石川県には、さまざまな温泉街がございまして、山中温泉にもまた名物のお饅頭があります。その場で蒸し上げて食べるシズル感...
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第358回 菓匠高木屋の『紙ふうせん』
いよいよ北陸新幹線開通間際となりまして、あちこちで脚光を浴びるようになりました金沢の和菓子たち。個人的には、金沢の和菓子屋さんたちは、日本で一番兄弟経営が多いような・・・・。もちろ...
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第357回 本家長門屋の『貝千年』
ゴールデンウィーク前には美しい桜が咲き誇る鶴ヶ城。この地に郷土の伝統的な駄菓子として根付き、それを守る老舗が本家長門屋。仙台駄菓子、盛岡駄菓子と共に、東北三大駄菓子のひとつ、会津駄...
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第356回 二ツ井戸津の清の『雛おこし』
おこしは東京でも下町の名物として親しまれ、浅草・常盤堂雷おこし本舗や御徒町の大心堂が有名ですが、大阪でもおやつ菓子として昔から親しまれています。関東のおこしはもち米を使用し、粒が大...
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第355回 松浦軒本店の『カステーラ』と『栗蒸し羊羹...
岐阜県の小藩・岩村藩の城下町に佇む老舗、松浦軒本店。浜松の巌邑堂は、この岩村藩の武士が創業した和菓子屋で、岩村を旧字にして巌邑として屋号にしたという話もあります。一度、どんな町なの...
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第354回 小島屋の『けし餅』
ということで、僕が勝手に呼んでいる堺の三大餅菓子の最後は、紀州街道沿いに面して店を構えている、小島屋の『けし餅』。これもまた八百源來弘堂の『肉桂餅』と共に、堺らしさの残る、この地に...
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第353回 かん袋の『くるみ餅』
堺からもう一つ連続でご紹介したいのが、謎めいている『くるみ餅』でしょう。必ず堺を訪れると、前回の『肉桂餅』と『けし餅』と共に、勝手に堺の三大餅菓子と称して、必ず巡って、さらに大寺餅...
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第352回 八百源來弘堂の『肉桂餅』
シナモンと言えば、洋菓子の素材となるかもしれませんが、ニッキ(肉桂)と言えば、それは間違いなく、古くからの和菓子の素材。でも、洋菓子の勢力拡大によって、すっかり洋モノのイメージ。特に...
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第351回 藤田チェリー豆総本店の『ラッキーチェリー...
『ラッキーチェリー豆』というこれまたキャッチーなネーミング。ここで誤解してしまいますのは、ラッキーチェリー豆という品種があるのではないか。いやいや、そんな豆の種類はありませんし、使...
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第350回 乃し梅本舗佐藤屋の『たまゆら』
もう一つ、チョコレートとの融合で楽しませてくれるのが、山形・佐藤屋の8代目・佐藤慎太郎さんが生み出した『たまゆら』。チョコレートのガナッシュなどに使用される素材として、果実系ですと...
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第349回 亀屋良長の『あんショコラ』
最近、あちこちでチョコレートを使った和菓子らしきものが、バレンタインの時期になりますと氾濫するようになりました。そのほとんどがとってつけたようにチョコレートでコーティングしたり、生...
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第348回 泉栄堂の『若返りまんじゅう』
こんなキャッチーなネーミングのお饅頭が他にありますでしょうか。全国津々浦々、さまざまな饅頭がありますが、これは誰だって気になります。何よりも、若返ると聞けば、女性たちは血眼になって...
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第347回 本家文旦堂の『文旦漬』
柑橘系の中でかなり大きなブンタンはさまざまな種類があり、日本原産の最大級の柑橘類とされる晩白柚(バンペイユ)は特に有名ですね。ただ、それほど果肉は水分が多くないので、パサパサしている...
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第346回 大角玉屋の『いちご豆大福』
イチゴの美味しい時期。日本全国でさまざまないちご大福、いちご餅が見受けられますが、その元祖とも言われております一つが、こちら曙橋に本店のある大角玉屋。虎屋文庫の和菓子の歴史にも記載...
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第345回 富士屋の『小男鹿』(さおじか)と桃山製『貫...
恐らく、蒸しカステラと言えば分かりやすいと思いますが、浮島系の棹菓子の中では、全国的にも最も有名な菓子のひとつが、この富士屋の『小男鹿』(さおじか)でございましょうか。カステラのよう...
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第344回 なごみの米屋の『ぴーなっつ最中』
羊羹コレクションを先導し、成田不動の参道に本店を構える羊羹の老舗。けれども、なかなか棹物の羊羹が動きにくい時代となって、なごみの米屋の代名詞的存在となったのが、『ぴーなっつ最中』。...
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第343回 松林軒の『月の雫』と節分菓『がらがら』
さまざまな秋の味覚がございますが、山梨と言えば、ぶどうですね。ぶどうを使った和菓子で、多く登場しますのが、ぶどうの大福餅だったりしますが、こちらの国産ワインなどにも使用されている甲...
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第342回 丸屋本店の『黒糖饅頭』
これがなかなか洋菓子も頑張ってる凄いお店だなあと思います丸屋本店。越後の素材をフルに活かした、いろんな和菓子が食べられるのが特徴的で、洋梨ル・レクチェの産地でもありますので、洋梨を...
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第341回 川端道喜の『うぐいす餅』
ウグイスって実は凄く地味な茶褐色をしているのをご存知ですか?花札などにも梅の花にウグイスという組合せがよくありますし、早春のシンボルとして、必ず和菓子の歳時記にも登場して来ますが、...
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第340回 清芳亭の『湯の花饅頭』
冬場はやっぱり饅頭が食べたくなりませんか?何故なら、蒸したてのおまんじゅうは温かくて、美味しいホットスイーツ。お土産に売られている饅頭は、少し日持ちがして、そのまま食べてもいいです...
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島根県菓子工業組合青年部創立20周年記念式典にて講演...
各地の青年部の方々と知り合うことが増えた一年。京都、金沢、松江の三大菓子処のパイプを結ばせて頂きましてから、物凄い勢いで多くの若主人たちと知り合うことができ、気が付けば、菓子屋でも...
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ルーズヴェルトゲームにも登場した玉英堂の玉饅(ぎょ...
「ルーズヴェルトゲーム」の「秘書スイーツ」として、第二話で紹介されたこれ。 ご存知の通り、ルーズヴェルトゲームは「半沢直樹」でおなじみの池井戸潤さんの小説ですわ。 業界がら、池井戸さ...
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第339回 紫野源水の節分菓『鬼は外』
季節折々の生菓子を主に手掛けている紫野源水ですが、節分やひな祭りなど、歳時記に合わせて干菓子や半生菓子が登場するのも魅力の一つ。普段は右手の干菓子のショーケースにちょこっと顔を見せ...
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第338回 亀 屋の『招福もなか』
これはなかなか食べられない、あまりにも可愛すぎる最中。そりゃ、無理ですよね、こんな招き猫の可愛い最中を食べるなんて・・・・。頭からがぶりとか、ちょっと残酷な気もしちゃいますし、困っ...
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第337回 鶴屋𠮷信の『福ハ内』
節分には豆の和菓子がたくさん登場致しますけれども、迎春の時期からすっかり定番商品となって親しまれていますのが、おたふく豆の形に整えられた鶴屋𠮷信の『福ハ内』でしょう。最近では6個入...
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第336回 平治煎餅本店の『福引煎餅』
三重県にはフォーチューンクッキーならぬ、『福引煎餅』というのがあります。それも人間の顔くらいの大きさのものから、とにかく大きな煎餅なのです。津や松阪のあたりでは、節分の時期に必ず登...
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第335回 追分羊羹の『追分羊羹』
東海道中には多くの宿場町があり、その途中でひと休みする旅人を癒してくれる、さまざまな甘味が散在しているので、東海道本線に乗って、チョコチョコ途中下車してまわるのもまた和菓子の旅とし...
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第334回 長瀬久兵衛の『馬印三嶋豆』
節分の時期にはさまざまな豆菓子が登場しますが、そのどれもが、ついつい摘んでしまって、止まらなくなってしまうものばかり。中には、味付けが濃くて、ジャンキーなものもたくさんございますが...
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第333回 壺屋総本店の『壺形最中』
新宿区の自宅から上野を経て浅草まで自転車を走らせると、その道沿いにはさまざまな和菓子屋さんたちが姿を見せてくれ、その度に停車して、少しずつ買い込んでいくなんていう和菓子ツアー。京都...
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第332回 鎌倉松花堂の『あがり羊羹』
続いても、北鎌倉の和菓子屋さん。改札を出てすぐ左手にあるこまきに加えて、目の前の通りを右に曲がって少し進みますと、鎌倉松花堂があります。そして、驚きますのは、この地に『あがり羊羹』...
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第331回 緑 菴の『花びら餅』
年が明けて最初の京都航空便となる第4週には、年末年始にはご紹介できない京都の花びら餅を、ギリギリではありますが、こうして、飛行機に乗せて運んでまいりまして、ご紹介するのが定番になっ...
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第330回 橘香堂の『むらすずめ』
既に岡山三大銘菓のうち、『大手まんじゅう』と『吉備団子』はもう登場済み。先日も岡山を行き来しておりまして、最後のひとつを取上げないわけにはいかず、倉敷銘菓として親しまれている橘香堂...
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第329回 おゝみやの『かりんとう饅頭』
数年前に一大ブームとなった『かりんとう饅頭』。そもそも、東京駅グランスタの錦豊琳が長蛇の行列を成し、麻布かりんとなどのかりんとうブランドが乱立して、勢いを増し、この北関東で多く製造...
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第328回 こまきの生菓子『初 霜』と『冬 籠』
北鎌倉の駅を降りて、すぐ左側にひっそりと店を構えているこまき。振り返らないと気付かないこともあって、知らないと言う人も多いでしょうが、まさか、こんなところに和菓子屋さんが隠れている...
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第327回 高林堂の『宮のかりまん』
30年前に誕生したいちご大福と同じように、急激に和菓子の世界の定番アイテムとなったのが、かりんとう饅頭でしょう。東京駅グランスタに出店した錦豊琳が大ブレイクし、以降、さまざまなかりん...
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第326回 つちやの『御前白柿』
和菓子の原点は、木の実であったとされ、そこから和菓子の歴史は始まります。そして、今でも多くの和菓子が栗や柿など、さまざまな実りを活かしています。大垣の老舗・つちやでは代表銘菓『柿羊...
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第325回 亀屋陸奥の『鞍掛饅頭』
京都の菓子屋に詳しい方なら、誰もが知っている『松 風』の老舗・亀屋陸奥。これまた代表銘菓の『松 風』に触れる前に、何故か、マニアックなところへ。何年前のことであったか、はっきりと覚...
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第324回 三友堂の『木 守』と生菓子『花びら餅』
高松の城下町に降り立ち、琴平電鉄に乗ってひと駅の片原町。高松三越のすぐ隣りに、明治5年創業の三友堂があります。この高松の地で、こんなに茶席菓子を身近に感じるとは思わなかったのですが...
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第323回 田山屋亀栄の『ながさき』
一昨年の夏、伊賀上野を訪れ、いくつかの和菓子屋さんを訪ねた時のこと、この地の菓子もまたどうしてこの地で根付いているのか、源流を辿るように調べてみたくなる菓子ばかり。ひとつが、金沢の...
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第322回 エンドー餅店の『づんだ餅』
東北地方の餅菓子と言ったら、誰もがパッと浮かぶずんだ餅。でも、関西地方出身の人にはほとんど馴染みがない郷土菓子ということもありまして、僕も東京に出てくるまでは食べる機会はありません...
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第321回 清水屋の『黒大奴』
東海道の銘菓を語る上では絶対に欠かせないのが清水屋。その昔は、米麹の香りがするフカフカの小さな『小饅頭』で江戸時代より親しまれ、東海道五十三次の中で、大井川の川越は難所として知られ...
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第320回 蔦屋総本家の『カスドース』
全国あちこちに存在する和菓子たち。その中には、とっても不思議な和菓子もたくさんあり、平戸銘菓として生き続ける『カスドース』もまたさまざまな謎を隠すお菓子と言えましょう。長崎と言えば...
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第319回 日の出楼の『さくらももいちご大福』
一気に冷え込んで、本格的な冬になりますと、あの真っ赤なフルーツが最高に美味しい時期を迎えますよね。そう、果物の中で圧倒的な引力を持ついちご。多くのブランドいちごが乱立し、高価なイチ...
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第318回 竹濱義春老舗の『真盛豆』
再び京都の和菓子ですが、どの土地に行っても、そこにしかない和菓子がたくさんあるのがとっても面白い。特に京都には、そこでしか味わえない和菓子がいっぱいあります。その中の一つ、そして、...
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第317回 山田屋の『山田屋まんじゅう』
和菓子の中で、特に古い歴史を持つ饅頭ではございますが、最近ではなかなか伸び悩んでいまして、みんな必死に頑張っています。その中でも、山田屋は都内のあちこちに出店していて、饅頭のプロモ...
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第316回 宗家くつわ堂の『瓦せんべい』
今では、小麦粉生地の固い煎餅の通称にもなっている『瓦せんべい』。そもそもは瓦のように硬いからではなく、瓦の形をした煎餅というところから来ています。煎餅の食感を応える際に、『瓦せんべ...
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第315回 青 柳の『土左日記』
大河ドラマ『龍馬伝』が放送された年に、初めて高知を訪ね、あのはりまや橋の近くに本店を構える青 柳にひょっこり顔を出す。あれほどに有名なはりまや橋がこんなに短いとはねえと、路面電車や...
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第314回 虎 屋の生菓子『昨日の続き』と迎春菓子『...
正月の間に、もう二度と食べられなくなるかもしれない干支菓子だけは、絶対に口にしておきたいという気持ちに引っ張られるようにして、ドタバタと仕事の合間を見つけては、あちこちで今年だけの...
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第313回 茜 庵の錦玉製『ゆうたま』
実は僕が生まれた年に創業した和菓子屋さんということで、非常に親しみが湧き、『ぶどう饅頭』で知られる日乃出本店の3代目・西川佳男さんが、叶匠寿庵で修業した経験をもとに、新たなコンセプ...
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第312回 柴舟小出の『しょうが餅』と焼生菓子『ふく...
今年はいよいよ北陸新幹線の開通ということで、あともう少し!金沢の銘菓たちもこれからがますます大忙しとなることでしょう!!そこで金沢の和菓子を、富山の和菓子を、チョコチョコご紹介した...
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第311回 茂木一〇香本家の慶祝菓子『とんぴんかん』
いやあ、とん・ぴん・かんとは何とリズミカルなのでしょう。そんな不思議な名前のお菓子が長崎・茂木一〇香本家にございます。正月になると舟に飾る七色菓子を元にした、おめでたいお菓子なので...
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第310回 嘯 月のきんとん製『松の雪』と『雪 餅』
さて、毎年大晦日には京都髙島屋の「季節生菓子コーナー」で、さまざまな京都の老舗の『花びら餅』とお正月の生菓子たちが販売されます。それはそれは実に豪華なメンバーで、フリーチョイスでお...
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第309回 塩芳軒の『花びら餅』と迎春生菓子『松のみ...
さらに続きます京都の和菓子屋のお正月の和菓子ですが、続いては、塩芳軒の『花びら餅』なんですけども、これがまたオススメなんですよね。毎年年末に京都に入りますと、必ず顔を出して家族分買...
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第308回 亀屋良長の薯蕷饅頭『初 春』と 『花びら餅...
さてさて、今年の年末年始は京都の生菓子をいっぱい食べておりましたので、まずは、その中からいくつかご紹介させて頂きます。ということで、ちょっと京都が続いちゃいますのでお許しを・・・・...
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第307回 川端道喜の『菱葩餅』
あけましておめでとうございます!!本年もよろしくお願い致します。さて、末 富の『花びら餅』をご紹介させて頂きましたが、やはり、花びら餅の所以に触れないわけにはいきませんよね。あちこ...
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第306回 末 富の『花びら餅』
お正月の時期には、もう定番の和菓子となった『花びら餅』。今では全国各地の和菓子屋で作られるようになり、百貨店に出ている和菓子屋さんでも、あちこちで見かけることができます。製菓材料と...
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第305回 一力堂の『姫小袖』
松江は三大菓子処として数えられつつも、実は江戸時代から続いているという老舗は少ない。しかし、松平不昧公が好んだ銘菓たちは、さまざまに受け継がれて残っています。その中で、宝暦年間に創...
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第304回 亀屋良永の棹菓子『時の流れ』
京都を訪れると、御池通沿いに見えるショーウィンドウを見つめ、ひょっこりと、亀屋良永の店先に足を止める。実に素敵なのです。代表銘菓『御池煎餅』はもちろんのことながら、都心にいては知ら...
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第303回 杉山壽山堂の郷土菓子『雲 平』と『お福分...
宝永2年創業で、秋田銘菓『元祖秋田諸越』でも有名な杉山寿山堂。現在は、別の秋田諸越で有名なかおる堂が経営するブランドのひとつですが、他にも翁屋開運堂や新しい米菓ブランド、一乃穂など...
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第302回 三英堂の『東雲羹』(しののめかん)
松江独特の菓子として、この『東雲羹』(しののめかん)も見逃すことはできません。こうやって見ますと、羊羹のように見えるかもしれませんが、羊羹ではありません。先日ご紹介した里 仙の『栗...
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第301回 壽々炉の『壽々炉』
青森の弘前を訪れて、どこに何があるのかも分からないほど雪に覆われた中、どうしても訪ねなければならないという使命感さえも感じさせた菓子屋です。一定の季節の型を踏襲しているだけという生...
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第300回 末 富のクリスマス生菓子『聖 夜』と『キ...
クリスマスをモチーフとした生菓子は、京都の末 富でもさまざまに表現されています。恐らく、現在では多く見られるクリスマスの和菓子の先駆者的存在と言われています。決して、洋菓子の素材を...
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第299回 長久堂のクリスマス生菓子『子供の夢』とき...
クリスマスはやはりお祭り騒ぎのように、物凄い人が押し寄せ、次々にホールケーキを買っていく行列ができるわけですが、その一方で、年末に向けてほんの数日、静寂に包まれる和菓子。しかし、そ...
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第298回 豊島屋の特製『あんぱん』と『あんドーナツ...
鎌倉駅を降りて、すぐ左手の駅前にある豊島屋の扉店。『鳩サブレー』で有名な豊島屋に、12月5日に新設されたパンコーナー。これまでにも和菓子屋さんがあんこをパン屋さんに提供して、あんぱん...
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第297回 一炉庵の『柚子饅頭』
今年の冬至は19年に一度の朔旦冬至となり、12月22日でございました。ご存知の通り、冬至にはゆず湯に浸かって、無病息災をを祈る風習があります。柑橘系の果実は冬に旬を迎えることもあり、多く...
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第296回 俵屋菓舗の『俵まんぢう』
お正月にはさまざまな縁起の良いものが菓子として重宝されますが、七福神のひとり、大黒様が座っている俵もまた“福俵”として、よく干菓子の詰合せなどで、めでたい型として打物などでよく見か...
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第295回 鳴海餅本店の『いちご大福』
12月だけ、第3週目に前倒しされる京都航空便ですが、9月から11月にかけて、『栗 餅』と『栗赤飯』をご紹介していた鳴海餅本店は、いよいよこの12月からは『いちご大福』に切り替わってくるので...
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第294回 中村軒の『麦代餅』(むぎてもち)
桂離宮の門前銘菓として知られているのが、中村軒の『麦代餅』(むぎてもち)です。既に中村軒の餅菓子は三回ご紹介しておりましたが、季節商品を優先しているうちに、肝心な看板商品に触れるのが...
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第293回 天任堂の『ゆべし』
日本全国には「ゆべし」という名前の和菓子がたくさんありますが、そこには地域性が出ていて、なかなか興味深いものがあります。福島県郡山のかんのやの『家伝ゆべし』などのように、全く柚子を...
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第292回 千本玉壽軒のきんとん製『雪 餅』と生菓子...
『雪 餅』12月から2月あたりにかけて、必ずリクエスト頂くのが、千本玉壽軒の純白のきんとん製『雪 餅』です。京都の和菓子屋さん同士でも、評価の高いきんとんの生菓子ですが、普通に考える...
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第291回 水 本の生菓子『水仙巻』ときんとん製『松...
ケーキ屋さんより和菓子屋さんが圧倒的に多い金沢には、どの百貨店でも銘菓を拝見する大きな和菓子屋から、知る人ぞ知るお店まで幅広い。やはり金沢に行くからには、そこでしか食べられない生菓...