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第290回 かん川本舗の塩味饅頭『志ほ万』
米沢・松島屋の『しぐれの松』をご紹介しましたが、4代目藩主・上杉綱憲はあの時代劇の「忠臣蔵」に描かれる赤穂事件に大きく関与している。そして、12月14日はまさに赤穂浪士たちによる吉良邸...
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第289回 松島屋の米沢銘菓『時雨の松』
以前にご紹介した京都・植村義次の『洲 濱』をご紹介しましたが、あのシャリシャリとした食感と、大豆粉の香りが忘れられず、一本柱で勝負している京都の菓子屋の凄味とはこういうものかと実感...
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第288回 香 梅の復刻銘菓『加勢以多』(かせいた)
いろんな和菓子屋さんでも類似した菓子が散見される『誉の陣太鼓』でお馴染み、熊本県のお菓子の香梅は、歴史こそ昭和24年創業と、戦後生まれの若手ではありますが、その評価を高めるのは、他で...
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第287回 福 菱の『柚もなか』
和歌山と言えば、静岡や愛媛と共に、みかんの産地として知られますが、南紀白浜で昔から親しまれている和菓子と言えば、『柚もなか』です。もちろん、みかんのお菓子もいくつかありますが、さて...
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第286回 橘柚庵古後老舗の『雪月花』
冬になりますと、柚子を初めとする柑橘類が旬を迎え、和菓子においても、柚子の香りを活かした菓子が特集されるようになります。高知県の北川や馬路村、京都の嵯峨水尾などが産地として有名です...
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第285回 塩 瀬の『そば餅』
何だかんだ言って、もう8年、和菓子に携わっていますと、悲しい哉、二度と味わえなくなってしまう菓子も出てくる。和菓子はいきなり出てきたものではなく、長い歴史を紡ぎ、短いものであっても...
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第284回 金城堂本店の『運だめし』
神話や伝説に満ちた日向国、宮崎県の金城堂本店からは遊び心溢れる『運だめし』。こんなユニークな焼饅頭も他にはないでしょうね。日南海岸の鵜戸崎と呼ばれる岬にある神社、鵜戸神宮で有名な運...
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第283回 江戸金の『亀の甲せんべい』
亀と言えば、縁起物。鶴と一緒に打ち菓子になって登場することが多いですね。そして、煎餅にもいくつか亀の形をモチーフにした煎餅があります。その中で、亀の甲羅の模様などそのままに、焼き上...
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第282回 來間屋生姜糖本舗の『生姜糖』
松江から出雲市に出て、出雲大社に参詣した帰りに、映画でも取上げられた一畑電車に揺られて、雲州平田に降りる。すっかり日も暮れ始めていたこともあり、スマホのナビを頼りに久しぶりに訪ねる...
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第280回 うら田の『加賀八幡起上り最中』
和菓子屋さんがたくさん存在する金沢には愛らしい郷土玩具があります。その中のひとつ、加賀八幡起上りです。八幡大神が誕生した時に、真紅の産着をまとった姿を模していて、起上るということで...
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第279回 里 仙の『栗かん』
新潟駅から日本最長の信濃川を渡って、日本海に向かって歩いて行きまして、古町通の奥、そこに里 仙の工場が手前にあって、本店はその先にあります。地元では店の屋号を冠した最中『里仙もなか...
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第278回 二條若狭屋の迎春菓子『絵馬初詣』
(酉年の焼印となっています)毎年お正月の定番となって喜ばれている、二條若狭屋の絵馬型の煎餅『絵馬初詣』。干菓子などにも多少は絵馬の形をした菓子がありますが、正月のモチーフのひとつでし...
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第277回 亀屋重久の生菓子『猪子餅』
妙心寺の目の前に店を構える亀屋重久と言えば、銘菓『衣 笠』。緑と白の二色のこしあん入りの落雁の菓子で有名ですし、個人的には洲濱好きなだけに、『雙ヶ岡』は外せなかったりするのですが...
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第276回 岬 屋の『千代の春』
富ヶ谷にひっそりと佇む茶席菓子の老舗・岬 屋。いつもは生菓子であったり、水羊羹や栗蒸し羊羹なのですが、年末になりますと、必ずお願いするのが、これまた素敵な麩焼きと有平糖の『千代の春...
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第275回 藤太郎本店の『富士のこけもも』
初夢の縁起物、なすびの次にご紹介するのは、世界文化遺産にも認定された日本の象徴たる富士山。その富士の山にたなびく白雲をイメージした棹菓子『富士のこけもも』です。富士宮の和菓子屋・藤...
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第274回 鶴泉堂の『初夢漬』
関西にいたら、絶対に出会うことのなかったお菓子。初めて出会った時には、そりゃあもう、衝撃でした。糠漬けとかなら分かりますけど、なすびを砂糖漬けって、本当に!!?失礼ながら、恐る恐る...
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よしやのどら焼き、そしてちょっと感動したはなし(よ...
歌舞伎座裏の路地にひっそりとたたずむこち。 このブログでご紹介するのは二度目ですが、和菓子だし場所は銀座だしそれも歌舞伎座裏だし。 といういことで人に説明しやすく、そして珍しがって喜...
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第273回 虎 屋の生菓子『林檎形』と『小倉野』
毎月総なめして購入する虎 屋の生菓子。もう最近は食べたことがある生菓子を除いて、まだ食べていないものと、リピートしてしまう生菓子を購入しています。あちこちで販売される限定品の羊羹な...
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第272回 森 八の『福 梅』
6月末から7月1日に金沢のあちこちの菓子屋で販売される『氷室饅頭』をご紹介しましたが、12月から1月初旬にかけて迎春菓として、あらゆる菓子屋で製造されるのが、加賀百万石を支えた前田家の家...
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第271回 一幸庵の生菓子『銀杏餅』と『亥の子餅』
11月終わりになって参りますと、見事にイチョウが黄色く色づきまして、パラパラと葉を落として、都会の道路は黄色く染まって行きますね。街路樹のイチョウが、秋が深まって行くのを明確に感じさ...
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第270回 藤江屋分大の『めで鯛もなか』
文政元年(1818年)創業の明石の老舗・藤江屋分大。初代・寅吉氏が考案した『丁稚羊羹』が有名ではありますが、年末の正月前に飛ぶように売れますのが、鯛の形をした最中『めで鯛もなか』。薄紅色...
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第269回 落雁諸江屋の迎春菓子『福徳せんべい』と『...
『福徳せんべい』迎春を間近に控えると、各地独特の正月用の菓子が登場するのも面白いもの。12月になると、早速登場してきますのが、金沢の諸江屋の迎春向けの御干菓子。特に節句や歳時記などを...
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第268回 京華堂利保の薯蕷饅頭『京 蕪』と外郎製『...
『京 蕪』川端二条を東に入ったところに、趣きのある店構えが登場します。以前にご紹介した『しぐれ傘』や銘菓『濤 々』で知られ、武者小路千家の茶事の生菓子などを務めている老舗・京華堂利...
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第267回 緑 菴の生菓子『山 路』と村雨製『初 霜...
銀閣寺の近く、平安時代の末期には陰謀の画策された場所となった、鹿ケ谷に続く通り沿いに、ひっそりと佇む茶席菓子の名店・緑 菴。暖簾をくぐれば、手前に数種類の生菓子が展示され、左手に麩...
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第266回 大原老舗の『松露饅頭』
佐賀県で有名な銘菓と言えば、村岡総本舗の『小城羊羹』に、北 島の『丸芳露』と、この唐津名物の大原老舗の『松露饅頭』の三本柱でしょう。ということで、まだご紹介できていなかった『松露饅...
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第265回 高木屋老舗の『草だんご』
どうしても、僕は日本映画が好きなこともあって、ふと、高倉 健さんの死に際して、今の和菓子についてと思うことを書いてしまったのですが、「日本映画と和菓子」というタイトルならば、絶対に...
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第264回 一炉庵の『白あん栗蒸し羊羹』
さて、先月は栗入りの桃山製の菓子『栗ひとつ』をご紹介しました一炉庵ですが、続いては、非常に珍しい白あん製の栗蒸し羊羹が登場しました。一炉庵ではその年の新栗のみを使用し、毎年手剥きし...
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第263回 岬 屋の栗蒸し羊羹『竹栗蒸』
もうすっかり寒くなって、冬が本格的にやって来ますね。秋も終わりに近づき、今年の栗蒸し羊羹の販売も次々に終わって行きます。ということで、今年味わったたくさんの栗蒸し羊羹の中から、最後...
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第262回 一笑堂の『鶏卵饅頭』
水を一切使わないってどういうことですか?そりゃあ、誰でも不思議に思いますよね。和菓子に限らず、どんな加工品もお惣菜も水を使わないことはあまりない。生地を作る際には必ず水を加えて材料...
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第261回 大阪屋の『竹流し』
城下町には風格のある老舗がドッシリと店を構えているもの。ですが、北国にて、これほどの迫力を受け止めるとは思わず、本当にビックリさせられたのが、弘前の老舗・大阪屋。雪が降り積もる冬の...
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第260回 大黒屋鎌餅本舗の『御鎌餅』
あの大人気の『名代豆餅』で有名な出町ふたばがある商店街から裏に入って、寺がいくつか立ち並ぶ通りを歩いて行きまして、小さな路地を左折します。そこにひっそりと佇んでいるのが、大黒屋鎌餅...
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第259回 風流堂の『古代山川』
松江の風流堂を初めとするいくつかの和菓子屋に存在する銘菓として名高い『山 川』。金沢の森 八の『長生殿』、長岡の大和屋の『越乃雪』と共に、日本三大銘菓にも数えられ、僕も和菓子を初め...
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第258回 いと重菓舗の『埋れ木』と和製洋菓子『よも...
一般的には、桜田門外の変で暗殺された敵役としての印象が強い大老・井伊直弼。政治の表舞台で開国論を唱えて手腕をふるったのはもちろんだが、意外に知られていないのは文化人としての側面であ...
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第257回 桂花園の『丁 葛』
夏場は静かに動いている葛湯たちも、秋になって暑さが落ち着きますと、さまざまな風味を試すことができることもあって、バラ売りされた桂花園の『丁 葛』(ちょうくず)は、小箱に詰め合わせたり...
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第256回 えがわの『水羊かん』
秋も深まって、この時期にどうして水羊羹??誰もが紹介するならば、夏でしょと思うでしょうね。でも、夏の涼味としてあちこちに登場し、お中元の要になる水羊羹が、逆に冬場にしか登場しないな...
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第255回 鶴聲庵の『千本桜』
津山の駅に降り立ち、寂れたアーケードを左に見て、かつて髙島屋があった場所へと歩き始める。城下町としても知られる津山市街地のはずれに、ひっそりと佇む和菓子屋・鶴聲庵。餡物の生菓子類も...
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第254回 なごみの米屋の『落花生羊羹』
成田不動の門前を歩けば、そこは羊羹の街だった。今はだいぶん軒数も減り、有名な米 屋を初め数軒が頑張っている。京都などでは寺社仏閣の門前には団子屋や餅屋などが店を構えていますが、成田...
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第253回 つちやの『延寿柿』と『のし柿』
以前に代表銘菓の『柿羊羹』をご紹介させて頂きましたが、昨今ではなかなか産地にこだわった原材料を確保するのは困難ですが、長い歴史の中で絆を結び、契約農家と連携して菓子を作っている強み...
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第252回 まつ月の『松風栗蒸し羊羹』
秋に開催される日本橋髙島屋の催事「グルメのための味百選」で、毎年会うのを楽しみにしているのが、まつ月のお父さん。五代目のご主人・松井秀夫さんである。どんなことがあっても、食事休憩も極...
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第251回 茶 洛の『京わらびもち』
関西ではわらび餅は夏になったら欠かせないおやつ。私のきな粉好きも、おやつとしてのわらび餅のせいかもしれない。冬場の焼き芋じゃないけれど、夏の宵にはわらび餅を移動販売する車もあったし...
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第250回 九重本舗玉澤の『霜ばしら』
この菓子の姿を見て、誰も飴とは思わないでしょう。食べてみたって、サクッとした軽い食感の後、跡形もなく溶けていく。飴と聞けば、このような食感ではなく、ずっと口の中で舐めて溶かして味わ...
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第249回 末 富の生菓子『銀杏餅』
いつもはこの時期は東京から出ることはあまりないのですが、 11月11日、京都の和菓子の会の集まりがありまして、10月から毎月2回ペースで帰京。 この時期は『亥の子餅』もそうで...
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第248回 川端道喜の生菓子『亥の子餅』
『亥の子餅』は餅菓子ということもあって、現在は多くの餅菓子屋さんでも作られていますが、茶席菓子として多くの御菓子司で作られ、茶の湯の世界でも欠かせない餅菓子でもあります。亥は陰陽五...
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第247回 千本玉壽軒の生菓子『亥の子餅』
お正月の「花びら餅」や6月末の「水無月」が今では京菓子だけではなく、全国の和菓子屋さんでも作られるようになって、一般的な存在となったのに対し、『亥の子餅』もいろんな和菓子屋さんで作...
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第246回 五勝手屋本舗の『五勝手屋羊羹』
続いては、同じく「本和菓衆」初参戦の五勝手屋本舗。北海道物産展の定番の『白い恋人』や『マルセイバターサンド』などが人気ですが、北海道は小豆の特産地でありながら、あまり和菓子屋さんの...
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第245回 柳屋奉善の『老 伴』
さあ、「本和菓衆」に初参戦となった、こちらの銘菓をご紹介しましょう。全国的に有名なブランド牛と言えば、松阪牛。そして、あの有名な和田金のすぐ右手に店を構えますのが、初めて見た方には...
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本和菓衆 あちこちに湧き出す若旦那たちの熱き魂が日...
3年くらい前からであろうか、和菓子の世界がそわそわとし始めたのは・・・・。やがて、次世代を担う若主人たちが、さまざまに新しいモノづくりに挑み、それが最初に結実したのが、昨年の日本橋...
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第244回 名門堂千原の『里 柿』
幼い頃からよく福知山線に乗っていたこともあって、実は行ったことがなかったその終点の城下町に一度行ってみたくて足を運んでみる。福知山城と言えば、あの明智光秀ゆかりの城ということもあっ...
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第243回 巌邑堂の『栗蒸し羊羹』
先日、巌邑堂の『どらやき』をご紹介しました際にも、東京の『どらやき』の有名店と共に、5本の指に数えたいと申しましたが、秋になって9月中旬から販売が始まる『栗蒸し羊羹』も凄い。むしろ、...
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第242回 光國本店の『萩乃薫』
山口県の萩と言えば、長州藩の御膝元。日本の歴史を語るには外せない城下町でありながら、意外に萩が日本海側に面しているということは知られていなかったりします。そもそも、戦国時代に名を挙...
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第241回 澤田屋の『くろ玉』
強烈な個性を放つ甲府の銘菓、漆黒の和菓子・澤田屋の『くろ玉』。同じようなお菓子で京都の亀屋良長の『烏羽玉』などがありますが、それよりもさらに真っ黒。ここまで真っ黒いと戸惑う人もいる...
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第240回 出町ふたばの『栗 餅』
さて、毎度のことながら、出町ふたばの本店はいつもたくさんのお客さんが並んでいますが、今年の秋はさらに混雑ぶりを増し、秋だけの販売の『栗 餅』を買うのもひと苦労。もちろん、大半は名物...
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お土産 広島 亀屋 川通り餅
広島への出張時、嫁さんの指令で購入したのが亀屋の「川通り餅」。空港の売店(保安検査前)で売られていました。15個入りで630円也(消費税5%)。包装紙は破ってしまったので画像はありません...
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第239回 嘯 月のきんとん製生菓子『錦 繍』
照り映える紅葉。赤く色づいた紅葉山。北野天満宮に祀られる菅原道真の有名な一首。 このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向(たむけ)山 紅葉(もみぢ)の錦 ...
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第238回 二條若狭屋の生菓子『紅葉狩り』と棹菓子『...
秋になると、やっぱり二條若狭屋の代表銘菓『やき栗』と『ふく栗』。栗がまるごと入った菓子が定番商品なのですが、この栗の欠片などは生菓子の栗餡として余すことなく活かされているのです。秋...
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第237回 中村軒の『栗 餅』と『栗大福』
『栗 餅』さて、10月の京都航空便は非常にややこしい!!!何が?って、それは『栗 餅』(写真左)と『栗大福』(写真右)が複数登場するからなのです。定番の出町ふたばの『名代豆餅』や美玉屋の...
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春と秋に開催される名古屋直行便は、まさに菓子処尾張...
毎年、春と秋にだけ、地方発送のできない生菓子を、名古屋直行便と題して、車による陸送と新幹線による手運びで、新宿タカシマヤだけでございますが、ご紹介させて頂くようになりました。これも...
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第236回 川村屋の果実菓子『可美物』(うましもの)
連続して名古屋の和菓子をご紹介していますが、それだけ思い入れの深いお店がたくさんあり、ご紹介しきれない。まだ和菓子の世界に足を踏み入れたばかりの頃に、一番最初に出会った名古屋の和菓...
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第235回 亀広良の生菓子『大徳寺栗きんとん』とこな...
名城公園からしばらく歩いたところにもまた、京都の流れを汲む菓子屋があります。錦の繁華街にあった老舗、亀末廣から唯一別家した亀広良です。そう、亀末廣と言えば、京都の姉小路にもあります...
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第234回 大黒屋本店の『わらび餅』と葛製『雁が音』
結構地元の方が知らないという和菓子屋が名古屋には多いと思います。ドッシリとした店構えならばまだしも、まさかこんな繁華街にあるなんて思いもしないというところ。以前にご紹介した錦の川口...
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第233回 むらさきやの『栗蒸し羊羹』と村雨製『紅 ...
伏見の御園座の近くに店を構えるむらさきやと言えば、夏の『水ようかん』。毎年夏になると、名古屋から新幹線で運搬させて頂いておりますが、むらさきやは基本的に生菓子しかないお店で、ショー...
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第232回 一炉庵の桃山製『栗ひとつ』
和菓子にはいろんなジャンルがありますが、その中でも、かなりマニアックな領域になってしまったのが、焼菓子のひとつ、桃山。詳しい方はもちろん知っていると思いますが、一般的にはあまり見な...
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第231回 越後屋若狭の生菓子『栗きんとん』と煉切製...
夏場にご紹介したのは極軟の『水ようかん』でしたね。その次に人気がありますのが、秋の生菓子『栗きんとん』です。す やを初めとする岐阜県中津川、恵那地区の『栗きんとん』が有名なこともあ...
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第230回 羽二重団子本店の『羽二重団子』
日暮里駅を降りて、右手にしばらく歩くと、ドッシリとした店構え。実に素朴な東京を代表するお団子と言えば、この『羽二重団子』。その歴史もまた茶店から始まり、やっぱり東京銘菓、日持ちがし...
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第229回 新正堂の『切腹最中』
続いての東京の和菓子は、僕にとってはある意味縁の深い最中。 かつて、田村右京大夫の江戸屋敷があった場所に創業する新正堂を有名にした『切腹最中』。 そう、時代劇がお好きな方は、もうピ...
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第228回 中 里の『揚げ最中』
さて、10月10日はかつて体育の日でしたが、それは昭和39年に東京オリンピックが開催された日を記念して設定されました。ということで、東京の和菓子をいくつかご紹介したいと思います。実は東京...
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第227回 嶋 屋の『芋満月』
今年の春にあべのハルカスが開業しまして話題となりましたが、近鉄百貨店から阿倍野筋を歩き、阿倍野駅に程近いアーケード商店街に店を構える嶋 屋。いわゆる大学芋ってのも、和菓子の範疇なの...
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第226回 風雅堂の銘菓『ひろ柿』と種合わせ『柿 衣...
中国地方最大の都市である広島。意外と江戸時代から続く和菓子屋さんはほとんど見受けられない。そして、世間的には宮島の銘菓である『もみじ饅頭』が広く知られていますが、あまり広島=和菓子...
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第224回 中村軒の『月見だんご』と『むかしの月見だ...
今年は三回も月見が楽しめるということで、非常にラッキーな気分。9月8日に十五夜を迎え、この10月6日は十三夜、そして、今年は後の十三夜が171年ぶりに出現し、それが11月5日とのこと。ただ、3...
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第223回 木村屋の『柿羊羹』
柿羊羹と言えば、大垣のつちや、広島の平安堂梅坪など、いくつか思い浮かぶところがあるでしょうし、そのいずれもが柿の名産地に店を構える。あまり知られていないのが、秋田県の横手にある木村...
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第222回 総本店柿寿賀の『柿寿賀』
奈良に行けば、東大寺に、興福寺に、薬師寺と飛鳥から天平の文化に触れて、小高い若草山でのんびりと鹿と戯れつつ、散策を楽しむことができますが、ここでもまた老舗の和菓子屋たちは散在し、見...
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第221回 翁 屋の『紅玉天』
りんごと言えば、やはり青森県ということになりましょう。名産のりんごを使った和菓子は地元の和菓子屋さんでも多く作られています。その中でも非常によく知られていますのが、『薄 紅』(うす...
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第220回 土佐屋の『芋ようかん』
西巣鴨に昭和13年に創業した土佐屋。終点の早稲田から都電に揺られて、西ヶ原四丁目の電停で降りますと、すぐ裏に店を構えているので、迷うことは絶対にないでしょう。紺色の暖簾には羊羹と寒天...
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第219回 若木屋良恭(楽庵 老木や)の『E・あんばい餅...
芳 光から程近いところに隠れ家的な和菓子屋があるのをご存知でしょうか。大曾根あたりでは少しばかり知られたお店でもあります。こじんまりとしていて、ご主人ひとりでやっていらっしゃいまし...
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第218回 俵 屋の『じろ飴』
金沢の多くの菓子屋が原材料としても重宝しているのが、俵 屋の『じろ飴』。創業は天保元年、初代の次右衛門が母乳の代わりになる栄養価の高いものはないかと、砂糖を原料とする飴ではなく、良...
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第217回 嘯 月の『栗羊羹』(栗蒸し羊羹)
夏に季節羊羹『瀧 波』をご紹介しました、茶席菓子の銘店・嘯 月。美しいきめ細やかなきんとんを初めとした季節の生菓子は、毎年東京でご紹介致しますと、ご予約のみで完売してしまいますが、...
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第216回 廣井堂の『栗蒸し羊羹』
廣井堂公式HPよりどうしても近畿地方ですと、京都の存在感が大きいので、大阪にも素晴らしい銘店が存在することがあまり知られていません。菊壽堂義信や高岡福信など多くの銘店が大阪のど真ん中...
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第215回 三松堂の抹茶饅頭『鷗 外』
個人的にはかなり気に入っている和菓子屋のひとつ、三松堂。島根県と言いますと、菓子処・松江のイメージが物凄く強いですが、隣りの出雲にも素晴らしい和菓子屋さんがいっぱいありますし、山口...
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第214回 塩芳軒の生菓子『菊日和』と『山づと』
『菊日和』京都の和菓子屋の中でも、特に生菓子と干菓子でバランスの取れている塩芳軒。和三盆糖を打ち出した干菓子や飴細工の有平糖などが非常に有名ではありますが、生菓子の評価も非常に高く...
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第213回 つちやの『柿羊羹』
東西南北に幅を利かせる美濃の国、岐阜県。老舗はたくさんあるものの、いずれをも差し置いて、大垣には3強の和菓子屋がある。それほど大きな街ではないが、逆にこれだけ確立された三本の矢が存...
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第212回 川端道喜の『萩の餅』
またもや川端道喜が登場。いわゆる「おはぎ」でこの存在感ですからね。朝生菓子として、仙太郎、今西軒などで通年販売されていますが、多くの和菓子屋さんが春と秋のお彼岸の時期だけに製造しま...
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第211回 松屋長春の『羽二重餅』
京都の老舗の流れを受ける和菓子屋さんが多い愛知県エリア。今では、その京都よりも注目すべき地域であったりします。薯蕷饅頭にはつくね芋や大和芋ではなく、伊勢芋を使用し、外側だけではなく...
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第210回 小布施堂の『栗むし』
かつては年貢として栗が収められるほど、栗が収穫できた小布施の町。岐阜県の中津川同様に、ここにも栗菓子を専門とする菓子屋がたくさんあります。時代も変わって、現地で産出される小布施栗も...
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第209回 一六本舗の『一六タルト』
スペシャルドラマ「坂の上の雲」が放送されていた年に、あの松山城を昇ってみたくなって、松山を訪れたわけですが、夏目漱石の小説「坊ちゃん」の舞台でもあり、当然、正岡子規の故郷でもあり、...
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第208回 百万遍かぎやの『益壽糖』
百万遍とは京都大学の近くの交差点付近のことなのですが、その昔、後醍醐天皇の時代に疫病が蔓延し、百万遍念仏を唱えたところ収まったのだとか。そこで後醍醐天皇が、知恩寺の空円上人に百万遍...
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第207回 鳴海餅本店の『栗赤飯』と季節の餅菓子『栗...
さあ、9月になりまして、一気に涼しくなってきましたが、今月より日本橋、新宿、玉川で毎月1回開催している京都航空便が復活しました。定番の出町ふたばの『名代豆餅』、今西軒の『おはぎ』、亀...
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第206回 金萬本舗の『金 萬』
秋田から全国的に知られている土産菓子と言えば、まず最初に頭に思い浮かぶのが、真ん丸のカステラ饅頭『金 萬』でしょう。小麦粉と卵に砂糖を加えた生地は、いわゆる人形焼や『もみじ饅頭』と...
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第205回 正観寺丸宝の『松 風』
日本一薄い和菓子・・・・という謳い文句のもと、九州物産展でも見かける熊本銘菓。パリッとした食感で、確かに薄いには薄いのですが、日本一かどうかはまた論争を呼びましょうか。でも、正観寺...
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第204回 彩雲堂の『栗まる』と新作の紅茶饅頭『出 ...
松江は菓子処。面白いことに生菓子と言えば、上生菓子。大福やどら焼きのような朝生が、東京のように浸透してはおりません。逆に一般的にも上生菓子が親しまれているという意味においては、他の...
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第203回 栗屋西垣の『純栗羊羹』
全国的に誰もが知っている栗の銘柄と言えば、丹波栗でしょうね。でも、実際にはなかなか丹波地方では栗が獲れなくなってしまったのが現状。その中でも国産の栗にこだわって、大粒の栗だけを選り...
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第202回 しろ平老舗の『きんかん大福』と新作『金柑...
京都から米原方面へ、能登川でおりまして、車でしばらくのところに、あの『栗きんとん』のす やなどがある中津川を経て続く中山道の宿場町の愛知川があります。と聞きましても、よく分からない...
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第201回 巌邑堂の『どらやき』
浜松以外ではほとんど露出がなかったこともあって、都内では和菓子が好きなお客様でもあまり知らなかったりするのですが、静岡県随一と言っても良い、銘店の聞こえは和菓子を担当してすぐに耳に...
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第200回 菊 家の生菓子『着せ綿』
昨年9月6日販売の「季節の生菓子」(3個入)セット内容手前の二つが「着せ綿」でございます。先日、とある日本料理屋にお邪魔しますと、菊尽くしのおもてなしを頂いた。そこでお手拭きが、重陽の...
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第199回 庵 月の『栗蒸し羊羹』
さあ、ドンドン栗の和菓子が9月に入ると登場してきます。大阪のど真ん中にも、意外に和菓子屋さんがチラホラあります。いやあ、道頓堀のあの飛び込むイメージが強すぎて、ミナミの帝王さんたち...
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第198回 五郎丸屋の銘菓『薄 氷』と新作『T 五』(...
北陸を周遊した際に、北陸本線の各駅列車で、順番に和菓子屋さんを巡ったわけですが、全く土地勘のない僕は、五郎丸屋の住所を見て、小矢部市なので、「小矢部」という駅が、どこかにあるんだろう...
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第197回 湖月堂の『栗饅頭』
年中食べることができる『栗饅頭』と言えば、代表格が小倉の湖月堂。明治28年八幡製鉄所の発展で活気が溢れる小倉の街に、初代の小野順一郎氏が創業したのが始まりです。今では、秋になると栗を...
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第196回 笹井屋の『なが餅』
名古屋に行ったついでに東海各県を巡る旅路。三重県には街道筋に多くの餅菓子が、その土地の銘菓として君臨しています。四日市と言えば、宿場町の名物となった『なが餅』があります。その歴史は...
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第195回 京都くりやの『栗おはぎ』
9月に入りまして、いよいよ京都の航空便販売が復活しますね。定番の出町ふたばの『名代豆餅』や美玉屋の『黒蜜団子』なども登場します。そこに合わせて、秋の9月~11月だけ登場するのが、京都く...