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183.「自衛隊に誇りを」(3)軍曹のままでも将校である中佐と...
現在自衛隊の給与制度は一般公務員のそれと違って、かなり無理をして上下をつないでいる。自衛隊の階級を一般公務員の役職と強引にリンクさせて、同じ給料体系にしているのだ。 例えば警察...
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182.「自衛隊に誇りを」(2)フォロアーシップというのは、あ...
毎年このハンモックナンバーは改められていて、その一年間に何か失敗すれば落ちるし、良いことをすれば上がる。そしてそれは幹部名簿に記載され部内限定で発表されるから、隊員は自分が序列の何...
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181.「自衛隊に誇りを」(1)ハンモックナンバーは勤務評定の...
「自衛隊に誇りを―銀座に装甲車を入れた元陸将の国防軍改革案」(著者・志方俊之)小学館文庫・平成13年3月1日発行・初版・220ページ・476円+税。 <志方俊之(しかた・としゆ...
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180.「海軍グルメ物語」(5)当国のベラウンデ大統領は軍艦で...
ブラジルではフォークランド紛争が勃発すると、元海上自衛官なのでお役に立ちたいと徴兵事務所に出頭した者がいて日系ブラジル人を感激させたという。 また、最初の南米遠洋航海でペルー人...
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179.「海軍グルメ物語」(4)在留邦人にリストを示し希望を聞...
次はスエズ運河の味噌密輸作戦を、今では時効になっていると思うので自白しよう。醤油は現在では世界的な調味料になっているが、味噌は未だに国際的には知られていない。 しかし、味噌は日...
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178.「海軍グルメ物語」(3)ここで飲まねば海上自衛隊の名誉...
早速、儀式―どうも兄弟の契りの儀式のようなものが始まった。私の首に鯨の骨で作った勾玉のような格好をした首飾りを吊るした。 次は義兄弟の契りであろうか、「カヴァ」という椰子酒を椰...
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177.「海軍グルメ物語」(2)「記者会見をフランス語でできな...
このため曹士は、パールハーバーからホノルルまで徒歩(制服で歩いているとほぼ誰かがピックアップしてくれた)だが、われわれ実習幹部はバスかタクシーであった。 さらに曹士は一般公開時...
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176.「海軍グルメ物語」(1)横須賀で闇ドルで換金しようとす...
「海軍グルメ物語」(著者・平間洋一・高森直史・斎藤義朗)新人物往来社・平成22年12月12日発行・初版・303ページ・714円+税。 <平間洋一(ひらま・よういち)プロフィル>...
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175.「当世新兵さん気質」(5)誠意と思いやりが、こんなにも...
<試験日・十月三十日午前九時。場所・陸上自衛隊福岡駐屯地>。送られてきた受験票を手に、オレは図々しくも思った。「なあにすべって、もともとたい」。 出発の前日、念のために福江市に...
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174.「当世新兵さん気質」(4)わびしくつらいとき、毛布をか...
曲がりくねった坂道を、オレは中腰になってペダルを踏み踏み、登っていく。息が乱れかけたところで、坂の上に着く。 あとは、ゆるいカーブの下り坂だ。(やれやれ、でもこれからは楽だて)...
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173.「当世新兵さん気質」(3)区隊長の説教とかけて、なんと...
トイレの落書きはまだまだある。「勤務時間中に、異常を発見した。どうしたらよいか。どうしよう、どうしよう(動哨、動哨)」。まじめなのか、ふまじめなのかよくわからないものもある。 ...
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172.「当世新兵さん気質」(2)ハイッ、あのう……オレ、“戦...
「だいたい区隊長が、シゴキすぎると思わねぇか。まるで戦争映画の鬼軍曹みたいに、ガミガミいっちゃってさ」。 「それよ、教官だからしゃあないとしてもよ。自分は立ったままガミガミ。い...
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171.「当世新兵さん気質」(1)なかには、わざと“戦死”して...
「当世新兵さん気質」(著者・牧野良祥)東洋図書出版・昭和53年7月10日発行・初版・266ページ・650円。 <牧野良祥(まきの・よしまさ)プロフィル> 昭和十年北九州市小...
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170.「防衛の務め」(5)理性や合理、打算功利の念によっては...
しかし根本的には、広大無辺の科学と技術の世界に挑まんとする遠大な計画に基づくものでありましょう。いずれにしても幅広い教育はいかなる場合も、われわれの聞き耳を引きつける問題なのであり...
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169.「防衛の務め」(4)人間の教育の正しい形はピラミッド型...
その「瞑想録」の「人間の偉大さ」という一節において「考えることが人間を偉大ならしむることで、考えることは賞揚さるべきで、その性質たるや、他に比すべきものがない。人間は単に考える葦に過ぎ...
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168.「防衛の務め」(3)心に遅れをとっていないか、腕に力は...
「彼らはすべてこれらに対して感謝したのであります。苦しみを甘受し、これに耐えて、生き抜き得たことが、移住地プリマスの人々に更に前進する力を与え、労苦と危険を求めて西へ西へと進ましめ...
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167.「防衛の務め」(2)この場合の個人は機構の持ち場にあっ...
わが国の封建武士、西欧の騎士も、名誉と義務は死をすら賭しても守るのを掟としておりました。今日、時代は変わっても、この心構えは、あるいは綱領、戒律となり、または無言の伝統となって...
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166.「防衛の務め」(1)特に防衛の職は、古来名誉と責任をそ...
「防衛の務め・自衛隊の精神的拠点」(著者・槇智雄)中央公論新社・平成21年11月10日発行・初版・324ページ・2000円+税。 <槇智雄(まき・ともお)プロフィル> 明治二十...
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165.「防衛大学校の真実」(5)防大は人殺し集団を養成するだ...
【いびつな文武の関係】 自衛官は国策には関われないばかりか、主体的活動には大幅な制限を設けられているわけで、幹部自衛官といえども与えられた役割から言えばブルーカラー集団の幹部と...
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164.「防衛大学校の真実」(4)「じゃあ、君も将来大統領にな...
ところが、まだまだ諸外国に比べれば、幹部は低学歴集団だ。大半の幹部は大卒止まり。自衛隊にも国際化の波が押し寄せている今、自衛隊幹部も先進諸国並みの高学歴集団に生まれ変わる必要が...
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163.「防衛大学校の真実」(3)例えばアメリカの場合、幹部の...
防大生は防大からずっと閉鎖社会の中で育つ。しかし、青春時代から閉鎖社会で暮らしてきたため、防大出身者は自分たちが閉じた世界の価値観で生きていること自体を自覚しぬくい。 「井の中の蛙...
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162.「防衛大学校の真実」(2)一般大学出身者のほうが使命感...
当時、帝国陸海軍の問題点を指摘した「失敗の本質」という著書を上梓したばかりの杉之尾に、彼らは厳しい指摘をした。 「杉之尾二佐の本に書いてあることが、防大出身者にあてはまる。この...
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161.「防衛大学校の真実」(1)防大を途中で辞めた同期が、冗...
「防衛大学校の真実」(著者・中森鎮雄)経済界・平成15年3月8日発行・初版・287ページ・1800円+税。 <中森鎮雄(なかもり・しずお)プロフィル>昭和十年神奈川県横須賀市生まれ...
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160.「国際的自衛隊論」(5)日本の場合は、経済は一流、政治...
「防大に入学するとき、地方連絡部で受けた説明では、防大も普通の大学と変わらないし、任官せずに辞めていく人もいるからと言っていた」 「そのような説明を受けても、私は入校の段階では自衛...
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159.「国際的自衛隊論」(4)口先では国防の重要性を唱えなが...
【政治が自衛隊を駄目にした】 いったい政治家の中で何人が自分に課せられた国家的使命を自覚しているのだろうかと、自衛官は共通して疑念を持つ。 東京永田町に住み着いている人々の多くは、...
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158.「国際的自衛隊論」(3)どうせ政治なんてこんなものです...
【自衛隊を解体せよ】 理由はどうであれ、あれだけ世界を揺るがした湾岸戦争になんの軍事的貢献もできなかったのだから、これから先自衛隊不要論が出てきても決して不自然ではない。 海上自衛...
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157.「国際的自衛隊論」(2)旧軍の残骸を断ち切ることが一期...
われわれは一期生という立場に無上の誇りを感じながら、新国軍の礎となる自負を持って逆境に耐えてきた。 そして逆境と戦っているうちにあやふやだった使命感や責任感も強固になり、新時代の軍...
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156.「国際的自衛隊論」(1)防大一期生の自衛官人生は、逆境...
「国際的自衛隊論」(著者・源川幸夫)双葉社・平成3年7月10日発行・初版・253ページ・1400円。 <源川幸夫(げんかわ・さちお)プロフィル>昭和八年十月鹿児島県生まれ。昭和二十...
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155.「歴史を忘れた大人と国をなくした若者たち」(5)憲法は...
憲法反対派は、「憲法改正発言は周辺諸国を刺激する」と言いますが、私はむしろ逆だと思います。 中身は軍隊と変わらないのに、「自衛隊は軍隊ではない」と言い続けていることのほうがよほど不...
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154.「歴史を忘れた大人と国をなくした若者たち」(4)卑しく...
今回の同時多発テロに関して、日本国内には「対岸の火事」だと思っている人たちがいますが、それは錯覚です。 万一同盟国との間に緊張が高まった場合、お互いが宣戦布告の上戦争に突入すると...
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153.「歴史を忘れた大人と国をなくした若者たち」(3)そろそ...
それが戦後日本の防衛政策に大きな影響を与えることになります。しかし、一方では米ソの冷戦が表面化し、日本でも昭和二十五年に「警察予備隊」が発足しました。 そして、「保安隊」を経て、昭...
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152.「歴史を忘れた大人と国をなくした若者たち」(2)有事型...
日本が世界を相手に戦った第二次世界大戦がまさにそうでした。日本の大陸進出政策に対する国際世論の声が大きくなり、日本が国際連盟から脱退したのは昭和八年のことです。 その当時、陸軍は戦...
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151.「歴史を忘れた大人と国をなくした若者たち」(1)統制経...
「歴史を忘れた大人と国をなくした若者たち」(著者・田村秀昭)中経出版・平成14年2月22日発行・初版・206ページ・1470円。 <田村秀昭(たむら・ひであき)プロフィル>昭和七...
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150.「矢田次夫の日本防衛の構図」(5)シンパが増えていいん...
Q・日本では、文民統制をめぐる事件というのが、いくつか起こりましたが、どう思われますか。 矢田氏「日本でも制服が独走したという形で一般に知られている事件が少なくありません。例えば、...
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149.「矢田次夫の日本防衛の構図」(4)制服組の言うことを聞...
矢田氏は「文民統制」問題をどうとらえているのだろうか(質疑応答)。 Q・内局の背広組と自衛隊の制服組とはどういう関係で成り立っているのでしょうか。外部からは、かつての「ドイツの参謀...
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148.「矢田次夫の日本防衛の構図」(3)艦長が指揮するのか、...
元・統合幕僚会議議長、矢田氏は、三菱重工業本社の顧問室で、雑誌社の若い記者と興奮した面持ちで話しにふけっていた。 六十年十一月の下旬のことである。記者は、文藝春秋社の発刊している「...
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147.「矢田次夫の日本防衛の構図」(2)イギリスなどでは、国...
海兵の先輩や同期生たちの、「貴様がこの会社からもらう手当てといってもしょせんは、護衛艦のスクリューの羽根一枚にもならんよ」という言葉は、励ましとも冷笑とも聞こえたとか。 三菱重工業...
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146.「矢田次夫の日本防衛の構図」(1)統幕議長という華やか...
「矢田次夫の日本防衛の構図」(著者・板垣英憲)廣済堂出版・昭和61年12月5日発行・初版・289ページ・1100円。 <矢田次夫(やた・つぎお)プロフィル>大正十二年五月一日鳥取県...
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145.「自衛隊秘密諜報機関」(5)「君は、これから当分の間、...
自衛隊の対心理情報課程の修了者は「青桐グループ」とも「影の部隊」とも呼ばれている。青桐とは、この課程の学生の修了記念として、教育班長が校舎の庭に青桐を植樹する伝統があることから、こ...
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144.「自衛隊秘密諜報機関」(4)教官の水筒を飲んでみると、...
そして、机の前に座って、一枚の半紙の上にボールペンを走らせた。遺書ではないが、何か書き残しておきたい気持ちから、ペンを走らさずにはいられなかったのだ。 当日、私たちを乗せたC46型...
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143.「自衛隊秘密諜報機関」(3)君は明日の入校式に総代とし...
幹部候補生学校の入校生は、大きく分けると、防衛大学校の出身者、一般大学の出身者、自衛隊部内の選抜者からなる一般幹部候補生と、その他の候補者で構成されている。 入校式の前夜。私は、梅...
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142.「自衛隊秘密諜報機関」(2)自衛隊はよいところだ。いっ...
鬼沢は、自衛隊の内容を私にいろいろと説明した後、「二月末に入隊の試験がある。君は名前さえ書けば入隊できるようにしてあげよう。ぜひとも自衛隊を受けてみなさい」と、強く勧めてくれた。 ...
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141.「自衛隊秘密諜報機関」(1)君は自衛隊に入りなさい。君...
「自衛隊秘密諜報機関 青桐の戦士と呼ばれて」(著者・阿尾博政)講談社・平成21年6月5日発行・初版・284ページ・1600円+税。 <阿尾博政(あお・ひろまさ)プロフィル>昭和五年...
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140.「最後の特攻隊員」(5)レイテ沖海戦で武蔵(戦艦)が沈...
八ヶ月のアメリカでの訓練を終わり、一九五六年一月から福岡県の築城基地でジェット機の教官に任命されました。 その間に源田実幕僚副長(広島・海兵五二・海大三五次席・横須賀航空隊飛行隊...
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139.「最後の特攻隊員」(4)いつまで南京渡洋爆撃の夢を海軍...
一九五三年、海上警備隊最初の座学が横須賀総監部で開始されました。昼食後、二段ベッドの上で昼寝をしていたら、先輩の二佐(戦前の階級では中佐)が入ってきて、寝室の隅のほうで、貸与された...
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138.「最後の特攻隊員」(3)前田、貴様のような奴に海軍を持...
富岡少将はまた、私に聞きました。「日本の仮想敵はどこかね?」。「ソ連です」。「海軍の仮想敵は?」。「……?」。 「海軍はアメリカを仮想敵にして、アメリカと戦ったのだろう」。「はい」...
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137.「最後の特攻隊員」(2)やっと気が付きました。私自身が...
桑栄丸は昭和二十六年四月上旬、佐世保を出港しました。海上保安庁の公式名称は、試行船桑栄丸で、記号はGP1になっていました。GPは「ギネアピッグ」の略で、つまりモルモットのことです。 朝...
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136.「最後の特攻隊員」(1)桑栄丸に乗って、二ヶ月ほど朝鮮...
「最後の特攻隊員~二度目の遺書」(著者・信太正道)高文研・平成10年9月20日発行・初版・262ページ・1800円+税。 <信太正道(しだ・まさみち)プロフィル>大正十五年十二月十...
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135.「戦後派二十五年兵よもやま物語」(5)「簡易地雷」ぐら...
後ろに整列の儀仗隊員もカービン銃携行で、三挙動の挙手の敬礼をやっているはずだ。特訓また特訓の成果で、後で激賞されたが、二千余名の眼がズーッと儀仗隊に集中したまま。 やがて軍楽隊の演...
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134.「戦後派二十五年兵よもやま物語」(4)こればっかりは学...
幹部候補生学校は奈良の米軍キャンプの跡に移駐することとなり、昭和三十一年秋に防府を発って奈良へ。 昭和三十三年二月、術科教育で整備学校学生(浜松)に入校中、柏木二曹は第十四期幹部候...
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133.「戦後派二十五年兵よもやま物語」(3)日本陸海軍の下士...
昭和二十九年十二月、航空自衛隊へ転官した。他の第四管区隊(九州)からの転官者たちと、浜松に到着した。 浜松には、幹部、操縦、整備、通信の四つの学校が置かれていた。操縦学校所属なので...
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132.「戦後派二十五年兵よもやま物語」(2)中隊長でもないの...
昭和二十六年三月、臨時工科四十大隊の一員として、他の宮崎、鹿児島出身者とともに、鹿屋キャンプに移動した。 米空軍機の機銃掃射で、穴ボコだらけのビルに眼をむき、一面に咲いている特攻花...
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131.「戦後派二十五年兵よもやま物語」(1)米兵にとっては、...
「戦後派二十五年兵よもやま物語―警察予備隊第一期生の回想」(著者・柏木康武)光人社・平成10年9月19日発行・初版・219ページ・1575円。 <柏木康武(かしわぎ・やすたけ)プロ...
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130.「自衛隊よもやま物語」(5)そうはいうものの、あんない...
最終的に責任のある校長にソロバンを持たせるようでは、部下が悪いということになるのだが、それに気がつかず、人の悪口を言う。 ひどいのになると、忘失毀損届(官物をなくしたり、こわしたり...
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129.「自衛隊よもやま物語」(4)比留間さん、いま予備隊に入...
親爺は、長男は耳がわるかったので、軍人にするのをあきらめて、東大へやったが、仲の兄は陸軍大将に、末っ子の私は海軍大将にするつもりだったという。夢は大きいほうがいいとはいえ、なんとも...
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128.「自衛隊よもやま物語」(3)着るものをもらって、飯だけ...
試験場から出てきて、兄貴と話し合ったら、わからなかった問題で、あたっていたのが二問あった。間違いは三問で、五十問中だから、これで学科試験は、まず合格間違いなし。 体格検査のほうは、...
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127.「自衛隊よもやま物語」(2)何しろ、予備隊に入りたい。...
「ココイラで、そろそろ宗旨をかえざーなるめえ」。佐倉で縄工場をやっていた兄貴も、そんなことを考えていたらしく、この兄貴と共謀して、警察予備隊の試験を受けることにした。 これまでに、...
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126.「自衛隊よもやま物語」(1)それに、陸士出身者は幹部(...
「自衛隊よもやま物語」(著者・比留間弘)光人社・昭和63年8月16日新装版発行・237ページ・980円。 <比留間弘(ひるま・ひろし)プロフィル>大正十二年五月千葉県佐倉市生まれ。...
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125.「幾山河~沖縄自衛隊」(5)教官! そんな考え方は古い...
(デモ隊を前にして)「手兵百五十名、頼むは、ただ自力あるのみ」。あれや、これや思案の末、各隊長を集めて、今後のデモ対処方針を示した。 「何しろ十倍の相手だ。まともにぶつかったんでは...
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124.「幾山河~沖縄自衛隊」(4)沖縄作戦における牛島軍司令...
昭和四十七年十月六日! この日は、私にとって終生忘れることのできない日である。 群主力第一陣の約百名を指揮して、沖縄移駐の第一歩を印したのが、十月四日、それから中一日おいての十月六...
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123.「幾山河~沖縄自衛隊」(3)たらちねの 御親の御霊(み...
まして、心身の苦労など、ものの数ではない。甘んじてこれを受けよう。さらに私にとって「沖縄」とは、たんに先祖代々その土地に住み、私自身そこに生まれ、そこで育ったという意味での「故障」...
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122.「幾山河~沖縄自衛隊」(2)散って甲斐ある命ならば、い...
その視線たるや、好奇の眼差しというよりも、むしろ敵意憎悪に満ちた、人を射るような視線であり、煙草の煙が濛々と立ち込めた室内は、殺気にも似た一種異様な雰囲気である。 私は、中央に準備...
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121.「幾山河~沖縄自衛隊」(1)顔にかかった雪を払う素振り...
「幾山河~沖縄自衛隊」(著者・桑江良逢)原書房・昭和57年7月7日発行・初版・269ページ・1500円。 <桑江良逢(くわえ・りょうほう)プロフィル>大正十一年沖縄県首里生まれ。昭...
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120.「久保卓也」(5)内局の人と制服の人と意見が違うのは当...
この内局には制服の人が若干おりますけれども、それは技術的な補佐要員、たとえば気象の関係とか、航空管制関係とか、あるいは広報関係とか、比較的階級の低い人で技術的な分野でのスタッフが入...
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119.「久保卓也」(4)政治が軍事を統制するという場合に、軍...
在日米陸軍司令官がパーティの席上であっても、必ず自分で携帯無線機を持っているのをみて、私は何時も感心している。 今日日本は平和時に違いないが、各部隊、組織において何か措置をせねばな...
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118.「久保卓也」(3)第三者からは、自衛隊の広報活動がうま...
昭和五十三年「正論」二月号所収、「自衛隊のあり方」と題して、久保卓也氏(国防会議事務局長時代)は、次のように述べている(抜粋)。 私の防衛庁勤務は、今計算してみると十二年半、国防会...
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117.「久保卓也」(2)文民統制に関する現在の課題は、その組...
今は年の初めであるから年のことについて少し触れておこう。大きいことはいいことだというが、若いということはいいことである。 二十代三十代の若い人はその若さをもっているのであるが、実は...
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116.「久保卓也」(1)必要なことは、都会的利口さとスマート...
「久保卓也」(久保卓也・編集発行・久保卓也遺稿・追悼集刊行会)昭和56年12月7日発行・475ページ。 <久保卓也(くぼ・たくや)プロフィル>大正十年十二月三十一日兵庫県生まれ。父...
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115.「師団長の私日記」(5)連隊長クラスは、防衛大学校一期...
それで、その記者に対して次のように反論した。 「友好は結構だが、友好友好と言う中に、いつの間にか、防衛力整備は必要ない。その中、防衛力整備は悪いことだと言われるようになってしまう」...
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114.「師団長の私日記」(4) 「兵はよし、教官のみやり直し...
師団長着任式が行われた。自衛隊では、指揮官が交代するたびに、配下の各部隊長以下全員を集めて、離任式、着任式がとり行われる。 旭川、名寄、留萌、遠軽、富良野にいる配下の連・大隊...
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113.「師団長の私日記」(3)正直に思った。最高のランクに達...
部長はニコニコしながら、「待っているよ」と言われた。それからその宣言を目標に、一年近く仕事に励んだが、なかなか目標に到達しなかった。 そのうち、幹部学校の高級課程に入校する転勤の日が...
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112.「師団長の私日記」(2)校長と室長の激烈な戦術論議が展...
私が師団長(陸将)として、北海道旭川の第二師団長として勤務したのは、昭和五十五年三月から五十六年七月までの約一年半だった。 第二師団防衛担任区域は、留萌―旭川―富良野―遠軽の線を結...
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111.「師団長の私日記」(1)第二師団長になるまでの約三十年...
「師団長の私日記―自衛隊の春夏秋冬」(著者・岩出俊男)エイデル研究所・昭和59年7月10日発行・初版・200ページ・1200円。 <岩出俊男(いわいで・としお)プロフィル>大正十三...
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110.「軍事大国への幻想」(5)統合幕僚会議議長だけでなく、...
本当の文民統制を確立するためには、建築の場合と同じように、三つの条件が揃っていなければならない。 第一には、国民とその代表者である政治家が防衛について高度の見識を持って、防衛の専門...
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109.「軍事大国への幻想」(4)九人の将軍と六人の提督とで、...
人類の長い歴史を通じて、政治が軍事に優越し、国会が国軍を有効に統制しえたのはむしろ例外的といってよい。 古代ギリシアやローマの歴史は、共和制が僭主(せんしゅ)や独裁官に屈伏した事例...
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108.「軍事大国への幻想」(3)一般的にいってわが国では、専...
条約上の権益を断固守ることは、当然だ。しかしそれには政府間の粘り強い交渉を通じるべきであって、謀略やペテンで軍事力を超法規的に発動してはならない。 出先軍部の超法規的行動にひきずら...
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107.「軍事大国への幻想」(2)わなにかかる指導者は、わなの...
栗栖統幕議長は二十五日正午過ぎの記者会見で、問題になった“超法規的行動”について、次のように語っている。 「超法規的という言葉が誤解を与えたとすれば、私の考えの外のことだ。攻撃を...
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106.「軍事大国への幻想」(1)栗栖さんが“法令が不備だから...
「軍事大国への幻想―真に国を守るには―」(著者・猪木正道)東洋経済新報社・昭和56年2月19日発行・初版・213ページ・1500円。 <猪木正道(いのき・まさみち)プロフィル>大正三...
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105.「海将補のアフリカ奮闘記」(5)船橋で松浦氏は、船長と...
着任して九日目の四月二十八日、正式乗船の日だ。当日は、夜航海で、ケニアのモンバサに向け出港の日だった。 マビンズージー号は、港内の沖合いに投錨していた。午後九時、官房長補佐官ムサ君...
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104.「海将補のアフリカ奮闘記」(4)松浦船長は日本のアドミ...
いきなり、冷言を浴びて腹が立ち、松浦氏は大きなショックを受けたが、その場は我慢した。船長の言動の中に、大統領の存在を意識する驕りが見られ、日本及び日本人に対する偏見があるように見え...
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103.「海将補のアフリカ奮闘記」(3)あなたは船長ではなくて...
早速、運輸省に引き返して、稲川さんと二人で、ラマダン・ハジ中佐に会い、住居問題の改善を強硬に申し入れた。 稲川さんは「松浦船長は、日本のアドミラルである。先刻、住宅を見てきたが、と...
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102.「海将補のアフリカ奮闘記」(2)「ジャンボ!」、対話は...
昭和五十年四月十九日、松浦氏は国際協力事業団(JICA)専門家としてアフリカのザンジバル(タンザニア連合共和国)に赴任した。 現地のザンジバルでは、「ジャンボ!」、対話はすべて、この言...
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101.「海将補のアフリカ奮闘記」(1)国の立場と相手国の窮状...
「海将補のアフリカ奮闘記」(著者・松浦光利)光人社NF文庫・2008年12月16日発行・初版・331ページ・790円+税。 <松浦光利(まつうら・みつとし)プロフィル>大正八年十月宮...
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100.「闘(たたかい)」(5)あなたはあの時、自分の参謀懸章...
その時、新参謀長に対し、私の着けていた金モールの飾緒を外して、それを贈呈し、これをつけて大いに頑張ってくれと激励したことがある。 それからいつの間にか三十年の月日が流れ、そんなこと...
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99.「闘(たたかい)」(4)参謀懸章はアクセサリーどころでは...
さてこの飾緒をよくよく見ると、綱紐を二本撚(ひね)り合わせた径一・五糎位の太い綱が一本と、径七粍位の細い紐が二本とから成り、細い方の紐の先端には、長さ十糎位の繰り出し芯式の色チョー...
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98.「闘(たたかい)」(3)これはまことに美事な、特に三島の...
(武士道とは死ぬことと見つけたり) 昭和四十五年十一月二十五日、三島由紀夫等五人の楯の会の会員が、市ヶ谷の陸上自衛隊東部方面総監部を訪い、総監益田陸将を拘束し、自衛隊員を集合させて...
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97.「闘(たたかい)」(2)頭には鉄兜を被り、腰には四六時中...
ところがA連隊長が新任してみると、Bから見ると、新上官は温厚であるが気力に欠け、屡々(しばしば)決断に迷うという人物だった。 そのような性格であるから、A連隊長はBに無視され、B自身も...
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96.「闘(たたかい)」(1)A連隊長が執筆したその部下B大隊長...
「闘(たたかい)」(著者・竹下正彦)原書房・昭和51年10月4日発行・初版・230ページ・1200円。 <竹下正彦(たけした・まさひこ)プロフィル>明治四十一年十一月十五日大分県生...
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95.「自衛隊これでいいのか」(5)お前はもう進級しないから自...
Kは後方関係の有数な実力者で、後方理論の非常な論客だったので、彼が発言すると、大抵の者は黙り込むのが通常だった。 ところが、平田は、自分が出した意見にKが反論を出すと、かならずそれに...
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94.「自衛隊これでいいのか」(4)こんな自衛隊なんか、俺たち...
部課長会議には第二案がかけられた。平田一佐の説明に対して各部課長から喧々諤々の反対の声が上がった。 平田一佐は会議における部課長の意見を取り入れて修正し最終案を再び会議にかけた。そ...
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93.「自衛隊これでいいのか」(3)彼奴も頑固な奴だな。彼奴は...
平田二佐はその補給処に赴き、補給統制処の方針をH処長とK副処長に説明した。するとH処長は次のように言った。 「補統の意見は解った。しかし俺は反対だ。本来そんな説明はI副処長がこちら...
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92.「自衛隊これでいいのか」(2)三十四歳の旧海軍大尉で、日...
十二月中旬に試験の結果が発表された。この結果、平田は一等警察士に任命された。この時発令された幹部試験採用者は、全国で二三〇〇名だったそうである。 ちなみに当時の久里浜部隊には、約三...
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91.「自衛隊これでいいのか」(1)サイコロを振って、これに当た...
「自衛隊これでいいのか~日本没落のシナリオ」(著者・坂梨靖彦)元就出版社・平成13年1月28日発行・初版・270ページ・1680円。 <坂梨靖彦(さかなし・やすひこ)プロフィル>大...
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90.「自衛隊の情報戦―陸幕第二部長の回想」(5)将官人事は九...
専守防衛を攻略の基本とし、「内向き思考」で練成された自衛隊が、いきおい内向的になるのはやむをえないことである。 自衛官の最高位である統合幕僚会議議長であった栗栖弘臣陸将がメディアの...
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89.「自衛隊の情報戦―陸幕第二部長の回想」(4)ほぼ同じ頃に...
確かに、塚本氏は初代の駐韓国防衛駐在官であり、陸軍士官学校(五四期)の卒業生で、朴正煕大統領(五七期相当の陸士留学)らかなりの数の要人と同窓の関係にあった。 また、事件の一ヶ月前ま...
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87.「自衛隊の情報戦―陸幕第二部長の回想」(2)文化大革命が...
当時陸幕二部は、調査部と翻訳されていたが、情報と調査とは似ているところもあるが、まったく異なる概念である。それでも「調査」と言ったのは「情報」というと暗いイメージになるからだろう。...
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86.「自衛隊の情報戦―陸幕第二部長の回想」(1)彼は英語の能...
「自衛隊の情報戦―陸幕第二部長の回想」(著者・塚本勝一)草思社・平成20年10月1日発行・初版・238ページ・1890円。 <塚本勝一(つかもと・かついち)プロフィル> 大正十年兵...
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85.「自衛隊『影の部隊』情報戦秘録」(5)瀬島氏は「君だな。...
そのあたりの経過を山本元陸将補の著書「自衛隊『影の部隊』三島由紀夫を殺した真実の告白」(講談社)から引用してみる。 「文学界の頂点に立つ人気作家三島由紀夫の存在は、自衛隊にとって願...