みんなの投稿
-
下北沢X物語(4361)―下北沢貝類専門店「ナガヌマ」...
(一)貝とは何ぞや?「貝は、軟体動物の総称」だ。貝は人によく食される。なぜ人はこれが好きか、軟体動物の食味がいいからだ、もっと具体的に言えば、噛み心地のよさである。が、それだけで...
-
下北沢X物語(4360)―下北沢貝類専門店「ナガヌマ」...
(一)「戦前、戦中、戦後の混乱期、昭和の復興発展から今日までお客さまと共に頑張って参りました」、下北沢駅前食品市場の「ナガヌマ」の閉店予告に記されていた文言だ、2016年6月30...
-
下北沢X物語(4359)―下北沢貝類専門店「ナガヌマ」...
(一)下北沢北口駅前市場の高村園の主人に聞いたことがある。年中店番をしていると人の足音で世の動向が分かると。「この衆院選後はどうですか?」「うん、そうね野党共闘は大事だ、が、分際...
-
下北沢X物語(4358)―原爆絵図を下北沢地下道で見た...
(一)聞き捨てならない話を聞いた、「みんなそれを見て涙を流していましたよ」と。その証言をしてくれた人は長沼洋子さん、79歳である。「兄弟四人いますけど、この話を知っているのは私だ...
-
下北沢X物語(4357)―会報第184号:北沢川文化遺...
………………………………………………………………………………………………………… 「北沢川文化遺産保存の会」会報 第184号 2021年11月1日発行(...
-
下北沢X物語(4356)―下馬兵舎寮物語:米騒動の顛末...
(一)私はその日ははっきり覚えているわ。昭和二十一年五月十二日のことよ。この下馬の兵舎広場に人が一杯集まってきたのよ。確か千二百人とか言っていたわね。集まってきたのは『米よこせ区...
-
下北沢X物語(4355)―下馬兵舎寮物語:仰天、戦車が...
(一)あんまりに話が面白いものだから、その話を知った翌日に現場を見に行った。どこかというと世田谷下馬である。かつてここには三つの連隊の兵営があった。近衛野砲兵連隊、野戦重砲兵連隊、...
-
下北沢X物語(4354)―リニアと褶曲山脈と狐狸―
(一)アルプスのことを褶曲山脈という。地形内部のひずみ圧力によって波形状に曲がった山を言う。ひずみはプレートの圧力だ、リニアが貫通するという南アルプスも今なお数ミリずつ成長してい...
-
下北沢X物語(4353)―やっぱりリニアには反対する―
(一)衆院選たけなわだ、前哨戦の静岡参院補選でリニアに異を唱えている無所属山崎真之輔候補の当選は朗報だ、川勝平太知事の応援が功を奏したと聞く。次は衆院選だ。ここではリニアは争点に...
-
下北沢X物語(4352)―リニアは本当に必要か?―
(一)衆議院選の真っ只中だが、リニアについては争点になっていない。が、これからの国の有り様を考える上で重要な問題だ。自民党は明確だ、岸田新首相は公明出身の斉藤哲夫国交大臣にリニア...
-
下北沢X物語(4351)―民の竈を無視する政権与党―
(一)「民の竈」、人々の竈の炊煙を見て暮らし向きを知って仁徳天皇は善政を施したという。「民の竈か、俺も知っているよ。が、大事なのは民よりもボスの竈だよ、これを常にウオッチするんだ...
-
下北沢X物語(4350)―女流汽車文学:林芙美子 3―
(2)ああ、尾道の海(第二部) 『放浪記』の汽車描写では白眉である。尾道、千光寺公園には「文学のこみち」がある。この一画に林芙美子の文学碑が建っている。これに詩の形式で石碑に文言...
-
下北沢X物語(4348)―花のお江戸を歩いて巡る 中―
(一)花のお江戸巡りは想念を刺激した、ふと思ったのは松尾芭蕉は江戸時間を携えて深川へ、立原道造は東京時間を心に宿して信州追分へ行ったと。両者は都時間を携えその地に赴いた。江戸東京...
-
下北沢X物語(4347)―花のお江戸を歩いて巡る 上―
(一)荏原の代表的な町としては三軒茶屋が挙げられる。が、当地は「大武蔵野から『現代』へ直結」(『東京万華鏡』松岡容)、言わば大根畑に忽然と現れた町だ。その対極にあるのがお江戸だ。...
-
下北沢X物語(4346)―リニア批評的文化論 下―
(一)時は金なりという、リニアはその時を速めて運ぶ、おいしい時間を創り出すものである。「経済財政運営と改革の基本方針2019」ではリニアを敷設して首都圏、中部圏、関西圏が一体化し、こ...
-
下北沢X物語(4345)―リニア批評的文化論 上―
(一)来年2022年秋に西九州新幹線は開業する、まず名称からして分かりにくい。それはどこ?実は長崎新幹線である。が、開業するのは武雄温泉と長崎間だけである。開通による所要時間の短縮は...
-
下北沢X物語(4344)―女流汽車文学:林芙美子 2―
2、『放浪記』の汽車名場面 (1)遠賀川鉄橋を渡る(第一部) 『放浪記』、新版は三部に分けられている。その第一部は、「放浪記以前」とタイトルがつけられている。本文は「私は宿命的な...
-
下北沢X物語(4343)―女流汽車文学:林芙美子 1...
(一)汽車文学という場合は、ほとんどが男性だ、が、汽車好きの女性もいる。これは興味深い、やはり女性は感性が違う、男性が書く汽車文学とはどう違うのか。シリーズで掲載してみたい。まず...
-
下北沢X物語(4343)―松本飛行場飛来特攻機の謎 ...
(一)今朝の新聞は「強権批判 2記者に平和賞」トップで報じている。ロシアとフィリピンの記者である。指導者の権力が強大な国家だ。こういう国家の支配者は人々をコントロールし始める。国...
-
下北沢X物語(4342)―松本飛行場飛来特攻機の謎 下...
(一)「荒鷲へ入魂の特攻機を送れ」、1945年7月19日、誠第31飛行隊の飯沼芳雄伍長はこの日出撃に当たって財布を取材記者に渡し「役立てて下さい」と言った。伍長は多くは語らない。が、記者は...
-
下北沢X物語(4341)―松本飛行場飛来特攻機の謎 中...
(一)書くことは発見することでもある。昨日、ここで取り上げた近代戦争史の謎は、気楽に書いていた。今、向かい合っている『台湾沖縄出撃特攻最終章-陸軍八塊飛行場-』から逸れるからだ。...
-
下北沢X物語(4340)―松本飛行場飛来特攻機の謎 上...
(一)近代戦争史の謎だ。沖縄戦たけなわの1945年3、4月頃、浅間温泉には相当数の特攻隊員が滞在していた。この時、世田谷から学童が疎開していた。代沢校、東大原校、山崎校、駒繋校、二子玉...
-
下北沢X物語(4339)―三軒茶屋・太子堂の文化探訪 ...
(一)「あれはとんでもなく素晴らしい地図ですよ!」歌手だという人から誉められた。その連れ合いの井原修一さん、「うちのやつは、こういうこと普段言わないのですよ。おとなしいですからね...
-
下北沢X物語(4338)―会報第183号:北沢川文化遺...
………………………………………………………………………………………………………… 「北沢川文化遺産保存の会」会報 第183号 2021年10月1日発行(...
-
下北沢X物語(4337)―三軒茶屋・太子堂の文化探訪 ...
(一)地名の謎がある、それは古文献にある「荏原郡覚志郷」である、「千年村を見つける」というプロジェクトがある。その候補地に入っているが覚志はまだ比定されていない。諸説がある、三軒...
-
下北沢X物語(4336)―三軒茶屋・太子堂の文化探訪 ...
(一)『石橋楼覚書』は、「石橋楼の歴史は崩壊の歴史である」(石橋楼 四世 山本隆俊)で始まる。三軒茶屋の名の元となったのが三軒の茶屋の一軒信楽であった。これが名を変えたのが石橋楼...
-
下北沢X物語(4335)―三軒茶屋・太子堂界隈文化地図...
(一)文化は人々の精神的な営みをいうものである。三軒茶屋分去れは、古代から人々が来合わせ、そして別れて行った場であり、数々の物語が編まれた空間である。が、文学上に記録されているも...
-
下北沢X物語(4334)―三軒茶屋・太子堂界隈文化地図...
(一)先だって、三軒茶屋と太子堂近辺に住む文学者の痕跡を訪ねる町歩きを行った。歩く距離は多くなかったが随所で立ち止まっては話題を交わした。当地は面白い場である。参加者の田島哲夫さ...
-
下北沢X物語(4333)―三茶太子堂の文化探訪・下―
(一)三茶太子堂を歩いていると歴史にぶつかる、まず太子堂八幡神社だ、由来は「源頼義・義家親子が東奥征伐の折戦勝祈願に」と言う、神社由緒は皆同じだ、「この言い草、どこでもここでも書...
-
下北沢X物語(4332)―三茶太子堂の文化探訪・中―
(一)土地の匂いを嗅ぎ分けながら歩きを楽しむ、まさに純粋な文化活動だ。今回も探索したことで風太郎の消息が分かった。路地で出会った人のお父さんが作家に部屋を貸していた。なるほどそこ...
-
下北沢X物語(4331)―三茶太子堂の文化探訪・上―
(一)三茶太子堂の文学は路地に潜む、が、列をなして探訪者がここに入り込むと怪しまれる。「何事だ!」と住民、「風太郎!」と答えると「ああ、ふうちゃんね」答えが返ってくる。まったく町...
-
下北沢X物語(4330)―リニア批評的文学論・下―
(一)リニアは文学的たり得るか?つまりは鉄道文学の片鱗が見られるか?少なくとも素材として必要なのは音と絵である、走行音であり車窓美である。が、リニアはほとんど無音であり、窓辺にも...
-
下北沢X物語(4329)―リニア批評的文学論・上―
(一)夏目漱石『三四郎』では志を持った青年が九州熊本から汽車で上京する。彼はこの旅において衝撃的な言葉に遭遇する、一つは、「あなたはよっぽど度胸のないかたですね」と女に言われたこ...
-
下北沢X物語(4328)―漱石と鴎外の汽車 2―
(一)地方出と在京作家とでは鉄道観が違う。鉄道文学が成り立つのは泉鏡花、宮沢賢治、内田百閒の三人だ。出身地は金沢、花巻、岡山だ、共通している点は東京から長い距離をおいた所で育って...
-
下北沢X物語(4327)―漱石と鴎外の汽車―
(一)明治末、鉄道隆盛時代の二大青春小説は漱石、『三四郎』と鴎外『青年』だ。近代の鉄道における人間を考える上で面白い。鴎外は『三四郎』に影響を受けて『青年』を描いた。これら作品に...
-
下北沢X物語(4325)―電車好きのワンコとばったり ...
(一)保育園児は電車が大好きだ。都立大稲荷橋陸橋は、電車展望台としてはよく知られている。いつも手すりに鈴なりになって子どもたちが手を振る。ここを通過する電車運転士は大サービス、タ...
-
下北沢X物語(4324)―鉄道文学的音楽論 2―
(一)林芙美子『放浪記』での尾道帰郷場面はほとばしる情感が言葉からこぼれてくる。「海が見えた。海が見える。五年振りに見る、尾道の海はなつかしい。汽車が尾道の海へさしかかると、煤け...
-
下北沢X物語(4323)―鉄道文学的音楽論―
(一)鉄道の音に深い興味を持っている。これには特徴がある、一定の刻みがあることだ。 レールの長さは25メートル。車輪は機械的に継ぎ目を踏んでいく、この時に発せられるのがジョイント音...
-
下北沢X物語(4322)―朗読台本仕様:長崎にチンチン...
(一)「こよなく晴れた 青空を 悲しと思う せつなさよ」で始まる『長崎の鐘』の出だしは美しい、すぐに八月九日の真っ青に晴れ渡った青空が浮かんでくる。が、この空が突然にピカッと青く...
-
下北沢X物語(4320)―鉄道文学における音の響き―
(一)鉄道文学の根幹は絵と音だ、が、ともに失われた。前者は窓辺に移り行く風景であり、鉄道に関わる情景である。後者は汽車が発する音である。シュシュポッポはその代表例だ、が、文学の根...
-
下北沢X物語(4319)―鉄道文学的品川論―
(一)正統的鉄道文学論で駅を攻めると上野駅や新橋駅ということになる。品川駅は埒外となる。が、ここは都会の外れだ、間の抜けた話があったり、考えられないようなことが起こったりする。都...
-
下北沢X物語(4318)―品川都鄙境駅の物語 2―
(一)中野重治『雨の降る品川駅』よく知られている。品川駅のポジションに詩情がある。これが『雨の降る東京駅』だと詩にはならない、やはり品川は都鄙境駅だ、冒頭「辛よ さようなら/金よ...
-
下北沢X物語(4317)―会報第182号:北沢川文化遺...
………………………………………………………………………………………………………… 「北沢川文化遺産保存の会」会報 第182号 2021年9月1日発行(毎...
-
下北沢X物語(4316)―品川都鄙境駅の物語―
(一)品川は都鄙境だ、上る者は緊張し、下る者は安堵する。例えば、内田百閒『第一阿房列車』、特急「はと」は、東京を出発し、「新橋駅をふっ飛ばし、それから間もなく、品川駅は稍徐行し、...
-
下北沢X物語(4315)―品川だよおっかさん、狸だよお...
(一)品川東海寺は近代鉄道のデパートだ。グーグルアースで見るとよく分かる。鉄道庁長官の墓のすぐ裏手は新幹線、シュゥシュゥとこれを掠めて通る、表側もすぐに切り通し、崖が転んだところ...
-
下北沢X物語(4314)―鉄道文学的リニア批判序説・補...
(一)谷田部から鹿屋に着いた市島安男少尉は、出撃を前に「今限りなく美しい祖国に我が清き生命を捧げ得る事に大きな誇りと喜びを感ずる」と決意を述べる、彼は景色にほだされてこう考えた。...
-
下北沢X物語(4313)―鉄道文学的リニア批判序説・下...
(一)1872年(明治5)汽車の出現は驚きだった。カタンと床下が鳴ったかと思うとけったいな横縞が窓辺に走る、これは何だ?と思っているとコトンと停まる。もう横浜に着いていた。いわゆる『時...
-
下北沢X物語(4312)―鉄道文学的リニア批判序説・中―
(一)「日本三大名工の汽車文学-鏡花、賢治、百閒」(未公刊)をまとめた。汽車文学とは鉄道文学のことだ。日本に鉄道文学は確立していない、が、可能性が高いのはこの三人をおいて他にいな...
-
下北沢X物語(4311)―鉄道文学的リニア批判序説・上...
(一)芥川竜之介の遺作に『機関車を見ながら』というエッセイがある、ここに「我々は子供と大人とを問はず、我々の自由に突進したい欲望を持ち、その欲望を持つ所におのづから自由を失つてゐ...
-
下北沢X物語(4310)―リニアの真実は路地に潜む―
(一)リニアの工事現場に行くと「夢のリニア新幹線!」みたいな看板が掛かっていそうだが、そんなものは全くない。一目見ただけで何の工事をしているのか不明だ。リニアは不評だ、それで大概...
-
下北沢X物語(4309)―等々力非常口を見に行く―
(一)現場へは歩いて100分掛かった。リニアは40分で名古屋に着くという。一往復半の時間だ、が、このプロセスが大事だ、どんな所を通るのかが観察できる。歩いて行って知ったことは、「...
-
下北沢X物語(4307)―戦争・コロナ・異常気象―
(一)奇妙な時間感に襲われてる。かつてこう書いた、青森に着いたとき、身体は到着しているが心はまだ仙台辺りにいるのではないか。新聞書評では一つの発見だと書かれた。が、今不思議な思い...
-
下北沢X物語(4306)―「長崎の鐘が鳴る」物語 了―
(一)「長崎の鐘」は、とてもよか歌でうちも好いとー。誰もが長崎原爆ば歌ったうたやと理解して聞いとー。ばってん、歌はきれい過ぎる、そりゃ理由のあることばい。時は昭和24年、まだ占領...
-
下北沢X物語(4305)―「長崎の鐘が鳴る」物語 3―
(一)「長崎の鐘が鳴る」の三番は「こころの罪をうちあけて/更けゆく夜の月すみぬ/貧しき家の柱にも/気高く白きマリア様」やろう。ここが分からんの。あの日長崎電気軌道で学徒動員で運転...
-
下北沢X物語(4304)―「長崎の鐘が鳴る」物語 2―
(一)『長崎の鐘』の二番は、「召されて妻は 天国に」やろう。うちゃね、原爆で死んだ人が天国なんか行くわけなかと思うとーと。八月十日、うちらん仲間で生き残った人が行方不明になった人...
-
下北沢X物語(4303)―長崎の鐘が鳴る物語 1―
(一)最初が「こよなく晴れた青空を」ではじまるやろう。ほんなこつあん日は空は真っ青に晴れ渡っとったわね………忘れもせん、あの八月九日、突然にあの空がピカッと光ってドガンと割れたん...
-
下北沢X物語(4302)―三好達治の戦争詩―
(一)昭和16年12月8日7時に臨時ニュースが流れた。「大本営陸海軍部発表、12月8日午前6時。帝国陸海軍は本8日未明、西太平洋においてアメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり」と。快哉...
-
下北沢X物語(4301)―非核宣言に希望と夢を―
言葉は人に意味を伝えるものだ、が、「原爆」はほとんど意味が伝えられない代物だ、あの惨劇、あの惨状というのはよく言うがその実情を言い表すものではない。原爆は言葉をどう尽くそうとも伝...
-
下北沢X物語(4300)―山崎小疎開記録から戦史を拾...
(一)パンデミックは人々の価値を変容させている。「東京なんて絶対行きたくないわ。あそこはコロナの巣窟よ」と、首都東京を拒絶している人もいる。どの程度いるのか分からないがコロナ疎開...
-
下北沢X物語(4299)―山崎小疎開記録から戦史を拾う...
(一)散歩中小耳に挟んだ。「疎開といっても分からないだろうなぁ」と。車椅子に乗った高齢者が押し手の若者に言っていた。『うん』と私は頷いた、「疎開は遠くなりにけり」だ……世田谷山崎...
-
下北沢X物語(4298)―会報第181号:北沢川文化遺産...
………………………………………………………………………………………………………… 「北沢川文化遺産保存の会」会報 第181号 2021年8月1日発行(毎...
-
下北沢X物語(4297)―散歩文学論:独歩武蔵野は?―
(一)「武蔵野を散歩する人は道に迷うことを苦にしてはならない」と独歩は言う。今、果たしてそうか?道に迷って旗竿地に入ると詐欺の受け子来訪と疑って怖ろしい目で爺さんが睨みつけてくる...
-
下北沢X物語(4296)―驚き、桃の木、臺灣日日新報―
(一)散歩の目的地として図書館はよくある。そこにしかない本を見に行くというのは大きな魅力だ、歩く楽しさと発見する喜びがある。昨日は遠地点と近地点にある図書館へ行った。大田区大田の...
-
下北沢X物語(4295)―散歩文学論:朔太郎、独歩、十...
(一)時刻とは 時の流れにおけるある瞬間のことを言う。その瞬間を刻んだものが時刻表だ、我々の脳世界はフラットである。腹時間などもあるがいい加減なものだ。のんべんだらりとした時間に刻...
-
下北沢X物語(4294)―戦争を追う:サイパン、疎開、...
(一)人間は産まれて、生きて、死ぬ。長く生きても百年、幼かった自分が次第に物事を知っていく、ふと気づいたのは、自分の後半生のキーワードは、サイパン、疎開、特攻だったことだ。サイパ...
-
下北沢X物語(4293)―戦争探訪:サイパン、疎開、特...
(一)文化は耕すことだ、穴を穿つことでもある、振り返ってみると幾つも穴を掘ってきた、あの穴、この穴。が、とある時に気づく事がある、「あれとこれとはつながっていたのだ!」と。いつも...
-
下北沢X物語(4292)―崖はいつも女をまっさかさまに...
(一)千鳥線33号脇の16階建ての高いマンション、ここを通る時はいつも言葉が降ってくる。「崖はいつも女をまっさかさまにする」、ここの3階に住んでいた石垣りんの詩の一節だ、この意味...
-
下北沢X物語(4291)―駒沢線詩歌ライン考―
(一)鉄塔は電気を送る線だ、が、電車のように中身は見えない、高圧線はあまり人に意識されない。が、これは明確なラインである。我等東京荏原の代表高圧線は、駒沢線である。東京内輪線の一...
-
下北沢X物語(4290)―苦節愛節文化地図造り17年 ...
(一)「真昼である。特別急行列車は満員のまま全速力で馳けてゐた。沿線の小駅は石のやうに黙殺された。」(『頭ならびに腹』)は新感覚派の表現の代表例に挙げられる。当地北沢の丘に住んだ...
-
下北沢X物語(4289)―苦節愛節文化地図造り17年―
(一)文化はCulture、原義は耕すだ、会は2004年12に発足した。始めたのは地域を耕すことだった。玉石混淆という、掘れば出てくる、犬の糞が出てきたり、石ころがでてきたり、ときに玉石が出て...
-
下北沢X物語(4288)―文化探訪17年の泣き笑い 2...
(一)東北沢で聞いた話だ。「土曜日の夜、下りですよ、歌声電車が通りましたよ。電車窓辺には乗客が見えました、黒人、白人入り交じっていました。踊ったり、歌ったり、中にはトランペットを...
-
下北沢X物語(4287)―文化探訪17年の泣き笑い―
(一)記録ほど大事なものはない、歴史は記録しなければ潰えていくものだ。その時はどうだったのか、過去を辿るときこれが決め手となる。このブログ、東京荏原都市物語資料館は記録場所だ、開...
-
下北沢X物語(4286)―死者と交点文化と伝承 2―
(一)この17日、「下北線路街」を歩く、町歩きを予定していた。が、緊急事態が発出されたことで中止とした。東北沢と世田谷代田間の地下化工事が終わったのが2018年3月、このときに廃...
-
下北沢X物語(4285)―死者と交点文化と伝承―
(一)時の変転は怖ろしい。日曜日、邪宗門で仲間と話しているときに。物故者の話が出た。「あの人も、この人も」と次々に名前が出てきた。最近は訃報ばかりだ。会に関わった者で亡くなった人...
-
下北沢X物語(4284)―無名特攻隊員の物語 了―
(一)月日が経つのは怖ろしい。七月になったかと思うともう半月近くなる。すぐに終戦76年目が巡ってくる。この数年ずっと戦争を追っている。今は国内から外地に飛んでいる。作業としては中...
-
下北沢X物語(4283)―無名特攻隊員の物語 5―
(一)人は今生きている世界で息をし行動し考える。国家が核としてある。コロナ対応やオリンピック対策については無策ぶりに呆れる。が、戦争中、個々人に大義は分からない。ただ営々と与えら...
-
下北沢X物語(4282)―無名特攻隊員の物語 4―
(一)人間の性でもある、人は事大主義を抱えている。言葉そのものが基本的にはそういう性質を持っている。あっさり言っても伝わらない。そこで人は言葉に色をつける。日常的なことをことさら...
-
下北沢X物語(4281)―無名特攻隊員の物語 3―
(一)武揚隊飯沼芳雄伍長は予期もしていなかった里帰りをした。少飛十四期生の彼は大刀洗陸軍飛行学校に入校した、夏休みには汽車で松本に帰った。が、特攻出撃の途次思いがけず陸軍松本飛行...
-
下北沢X物語(4280)―無名特攻隊員の物語 2―
(一)因縁の連鎖は怖ろしい、鉛筆部隊の田中幸子さんは一昨年亡くなった。彼女の口癖は「きむら先生には特攻隊員の霊が取り憑いているのよ!」だった。松本で始まった話は、今は台湾に行き着...
-
下北沢X物語(4279)―無名特攻隊員の物語―
(一)戦争の歴史を調べていると多くの人に出会う。が、表舞台にその姿を現したとたんにたちまちに消えてしまう、どこへ行ったか?そう思っていると、その彼が全く別のところでひょろりと姿を...
-
下北沢X物語(4278)―雑駁的コロナ境界観―
(一)「変わる景色のおもしろさ/見とれてそれと知らぬ間に/早くも過ぎる幾十里」は唱歌「汽車」の一節だ、近代は汽車が築いた。村も町も一気に通り抜ける。境界を飛び越えて人々を彼岸に連...
-
下北沢X物語(4277)―雑駁的コロナ時間観―
(一)文月なった、が、実感が湧かない。コロナ禍に陥ってから時間感が変質した。七月の声を聞いてもかつてのように「夏到来!」というときめきは感じられない。自分の魂はまだ五月末頃をさ迷...
-
下北沢X物語(4276)―会報第180号:北沢川文化遺...
………………………………………………………………………………………………………… 「北沢川文化遺産保存の会」会報 第180号 2021年7月1日発行(毎...
-
下北沢X物語(4275)―コロナと戦争と私たち―
(一)あの戦争を調べている。台湾で撃墜されたアメリカの戦闘機、また墜落したB-25爆撃機の乗員は小型の猟銃を所持していた。本土を空襲したB-29の救命バックには釣り針が入れられていた。不...
-
下北沢X物語(4274)―満州そして台湾特攻因縁物語 ...
(一)私は満州生まれだ、しかし、この出自について深く考えたことは全く無い。記憶がないからだ。1946年に満州から引き揚げてきた。一歳である。「覚えていますか?」と聞かれるが答えよ...
-
下北沢X物語(4273)―満州そして台湾特攻因縁物語―
(一)今日台湾から荷物が届いた、開けるとぎっしりと資料が入っていた。中に真新しい冊子が入っていた。「桃園誌」という台湾直轄の桃園市の広報誌だ。開けてびっくりだ、「木村健先生 ご笑...
-
下北沢X物語(4272)―小さな戦後史ウェンライトホ...
(一)昭和22年に流行った「夢淡き東京」という歌謡曲がある。「柳青める日 つばめが銀座に飛ぶ日」と始まる。そしてすぐに「かすむは春の青空か あの屋根は かがやく 聖路加か」と藤山一...
-
下北沢X物語(4271)―小さな戦後史ウェンライトホ...
(一)代沢小「ミドリ楽団」が1950年(昭和25)5月10日に銀座のWanright Hallで音楽コンサートを開いている。主催は、「騎兵第八旅団婦人クラブ」だ。プログラムの表紙に「Sayonara」と記され...
-
下北沢X物語(4270)―チンチン電車で出撃した特攻隊...
(一)1945年3月4月、陸軍松本飛行場には沖縄へ向かう特攻機が数多く集結してきた。全貌が分かっているのは武剋隊と武揚隊だけだ。他隊はほとんど分からない。隊員の多くは浅間温泉を宿...
-
下北沢X物語(4269)―チンチン電車で出撃した特攻隊...
(一)時ほど怖いものはない、指の間から砂がこぼれ落ちるように消えていくからだ。その時の思いも記憶もどんどん消滅していく。が、何かの折にその時の写真が見つかる、こぼれた時が戻ってき...
-
下北沢X物語(4268)―大空詩人作:「名簿詩集」の鑑...
(一)詩序文には「『名簿も詩集』 まるでぼろくずみたような私(叔)を今日までも生かせて下さった方々の名簿(合掌) 一九六五年七月四日」とある。もう半世紀も前に出されたものだ。多く...
-
下北沢X物語(4267)―大空詩人作:「名簿詩集」の鑑...
(一)細流の文化探査を心掛けてきた、その源流部で「名簿詩集」が発見された。この存在は全く知られていない。マスコミ流に言えば「大空詩人未発表作品発見!」となる。しかし詩人は地味だ、...
-
下北沢X物語(4266)―大空詩人作:「名簿詩集」の鑑...
(一)「名簿詩集」とは何か?永井叔は言う「流転又流転の間に親しくしていただいた方々のお名前(アドレス)が〝名ボ原本〟にあふれている」。しかし全部を載せきれないので「抄録させていた...
-
下北沢X物語(4265)―大空詩人永井叔の名簿詩集―
(一)大空詩人永井叔、全く知られていない詩集がある。『名簿も詩集』である。彼は1965年(昭和40)10月に『大空さん自叙伝』(NO1 或ヒョンな児の記録 )を太子堂「大空の家」から...
-
下北沢X物語(4264)―変人横丁の大空詩人永井叔―
(一)ここ16年間、ディテクティブ、つまり刑事や探偵と同じようなことをやってきた。こちらは文士旧居を探し当てるという作業だ。怪しまれ誰何されたこともある、好まれないこともある。あ...
-
下北沢X物語(4262)―大空詩人永井叔:放浪の足跡―
(一)大空詩人、数多くの人々の記憶に残っている。至る所で彼独特の風貌、そしてパフォーマンスが見られた。マンドリンを奏でながら歌う、つい乗せられて一緒に歌った。子どもたちには大きな...
-
下北沢X物語(4261)―放浪三茶太子堂 3―
(一)人の記憶も風化する、歳を重ねて人は老化しやがてはこの世から消えて行く。町のあの人、この人のことも時代の経過とともに消え去っていく。十五年前から近隣をさすらい人のように訪れて...
-
下北沢X物語(4260)―放浪三茶太子堂 2―
(一)三軒茶屋文学と下北沢文学、この比較論が面白い。この両者を区切るのが一本の丘陵である、世田谷城続きの舌状台地だ。南が太子堂で北が名の通り北沢だ。地図でみても違いがはっきり分か...
-
下北沢X物語(4259)―放浪三茶太子堂―
(一)三茶には歩いてよく行く、この間、会報を届けるのに家から歩いた。三茶を通る。路地から路地へ抜けていくときに「三茶はさすらいの町だ」と思った。街道の交差と分岐、庶民的な町の匂い...
-
下北沢X物語(4258)―ヤブガラシと艦砲射撃―
(一)日々散歩する、遊歩道を行くときはいつも植え込みに注意を向ける。一日でも怠ると茶色い蔓が知らんぷりして顔を覗かせている。それを見つけ次第引き抜く、ヤブガラシである。前は遠慮し...