みんなの投稿
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詩23・「地図」
玄関を出ると 孤独の角を右に曲がり 忙しい下り坂を 忙しい貌で下る 哀しい十字路を左に曲がり だらだらと退屈な通りを だらだらと歩いてゆく 左手の涙の池を横目に通過し やがて お...
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殺害数41
アフラ・マズダ「覚悟はいいですか?ミズホ。」 稲田瑞穂 「はいアフラ・マズダ様。私は生き残る為にこのゲームに参加します。」 アフラ・マズダ『よろしい。ではまずは武器を確認してみ...
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詩21・「青」
かもめが空に溶けてゆく 曇った空に溶けてゆく そんなかもめを見上げる時は 一緒に時間も溶けてゆく そんなひと時が心地よくて しばらく浜辺の住人になる 晴れた空を 泳ぐように風に溶...
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詩20・「電脳幻想」
パソコンの向こう側の日だまりにたどり着く キー操作で誰でもたどり着ける場所 回線を通り抜ける刹那 ちくりと胸が痛む 孤独の果ての 幻想風景にたどり着き 画面の中で 自分の存在を確か...
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詩19・「晴れのち曇り」
晴天ナリ晴天ナリ きょうは晴れ渡っていて 植物も活き活きと 背伸びをしている 動物もにんげんも活き活きと 飛び跳ねて動き回っている 晴天ナリ晴天ナリ 地球も勢い良く回っている 不...
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詩18・「食時」
時間をむさぼっている かすかな甘さと苦さを味わい そして儚い歯ごたえを確かめながら ――いつから この空腹感を感じていたのだろう 気が付くと 胸の底には 見覚えのある時計が ころ...
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詩17・「スイッチ」
リモコンで目を覚まし リモコンで起き上がり リモコンで顔を洗い リモコンでご飯を食べる リモコンで本を読み リモコンで散歩をして リモコンで昼食を食べる その繰り返しで夜は訪れ そ...
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詩14・「存在」
そこはもっとも厳しいところ そこはもっとも美しいところ あったかいところ さむいところ そこはとっても遠くて とっても近いところ 好きなひとがいて 嫌いなひとがいて ときどき晴れて...
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泣かないつもりが 笑顔にならない
近づくことすら許されなくても聞こえないふりでわざと耳元でささやきあって 冷静に振っていたはずの手私の腕をつかんで引き寄せてイカナイデと口がゆがみそうして目を伏せた 私は時に追い立て...
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詩11・「通院・初夏」
緑が濃くなり昼の長さが一番長くなる頃に 一年に一度の検査入院のために 病院へと向かう 梅雨入り前の爽やかな陽射しと 濃い緑の匂いは 強い生命力を漂わせている その緑のトンネルを私を...
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オレが光線を発射すると、宇宙にザルを構えた人が浮いている夢日記...
オレが光線を発射すると、宇宙にザルを構えた人が浮いていて、パラボラアンテナよろしくザルに反射した光線で、オレと取っ組み合いをしている最中の地上の人間を焼き殺す。 オレは腹が立っ...
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『相殺』 ~好きな言葉~
「相殺」 そうさい。 まず響きがいい。 (そうさつ)とは読まずに(そうさい)と読むところがニクイ。 イメージも厳か。 二つのベクトルというか、エネルギーのようなものがお互いに消え...