みんなの投稿
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旅の役者の花の道ーー皆川博子『恋紅』
皆川博子が第九十五回直木賞(昭和六十一年上半期)を受賞した作品。 幕末から明治へ、江戸から東京へ、激動の時代を背景に、遊女屋の娘と旅役者の恋を描く。 ゆうは、吉原の遊女屋『笹屋』の...
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天童荒太「悼む人」
全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人 彼を巡り、夫を殺した女、 人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられる 「利休にたずねよ」と同じ時に直木賞受賞の作品 悼む...
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山本一力「あかね空」
京の老舗の豆腐屋で修行を積んだ永吉は、新天地を求め江戸へ赴く 深川蛤町の長屋に住む職人のおふみ親子と知り合い助けられ無事、豆腐屋「京や」を開く 腕に自慢のあった永吉だが、江戸の街で...
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山本文緒 「プラナリア」
大学で心理学を学びキビシい職場にもなれた美都は 社会心理学の大学院生である彼からプロポーズされる ばくぜんと将来結婚を考えはいたが、まだ学生である彼の状態や 長い付き合いのなかで生...
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村山由佳「星々の舟」
幸福とは呼べない幸せも、あるのかもしれない- ない ないよ そんなものを認めてどうする いや.. 幸せかどうかは、本人の思いであって もしかしたら報われない何かに怯えながら...
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温かい怪談集――朱川湊人「花まんま」
朱川湊人「花まんま」を読んだ。第133回直木賞受賞作。 昭和五十年前後の、大阪の路地裏を舞台にした、ホラー短編が六作。 六作とも、大人の語り手が、子ども時代を振り返る設定で書かれ...
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『赤目四十八滝心中未遂』
第119回直木賞受賞作。 「私」は、東京の一流の大学を出て、一流の会社で会社員生活を送っていたが、身を持ち崩し、「漂流物のような生活」を経るようになり、六年目に尼崎へ流れ着く。 ...