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モテるプロフィール文の作り方【完全版】 〜“量産型”から抜け出して、選ばれる男になる〜
(元)非モテ男の実践録!!
はじめに:「真面目です」「趣味は映画です」だけじゃ刺さらないプロフィール文、それ書いたら“誰とでも同じ”になってない? マッチ率が上がらない人の多くは、「無難すぎる」文章になってる。この記事では、マッチ率を3倍にした“モテるプロフィール文”の構成とテンプレを公開します。1. プロフィール文の黄金構成①冒頭:あなたの雰囲気 or 簡単な肩書き ②中盤:趣味や好きなこと(具体的に) ③終盤:どんな人と出会いたいか+会話のきっかけ2. テンプレ例:恋愛目的(誠実系)都内で営業職してます。休日はカフェ巡りやNetflixでまったり。最近は料理にも挑戦中。 落ち着いた関係を築ける方と出会えたら嬉しいです。まずは気軽に話しましょう!ポイント:職業+趣味→生活感が出て安心感UP誠実さ×ゆるさのバランスがモテる3. テンプレ例:友達感覚・軽めの出会いアニメとゲームが大好きなIT系男子。週末は友達とカラオケか、1人でラーメン巡りしてます。 気が合いそうと思ったらぜひ話しかけてください!人見知りなので会話はゆっくりめです(笑)ポイント:キャラの“可愛げ”を出すと、会話ハードルが下がる適度に自虐を入れると親近感が湧く4. NG文例とその修正案NG①:「よろしくお願いします」だけ→ 機械的、個性ゼロ。誰も惹かれないNG②:「趣味は映画と音楽」だけ→ 具体性がないと話題にできない修正例:趣味はNetflixの韓ドラ(復讐系が特に好きです)と、90年代J-POP! → 共感ポイントが生まれて、話しかけやすくなる!5. 最後に:プロフは“恋愛の入り口”。少し盛ってもOK大事なのは、「会ってみたい」と思わせること。完璧じゃなくていい。むしろ“等身大+ちょい盛り”がちょうどいい。→ 次回は「マッチングアプリ別・攻略法大全」へ続きます!
投稿日時:2025/05/31 03:30
恋愛
長編小説 遥かな山並み 二十 川嶋政仙 著 強く生き抜くヒロイン、ゆいの人生がこの本に書かれています
長編小説 遥かな山並み
長編小説 遥かな山並み 二十 川嶋政仙 著 ※紙の本は在庫少数のため販売しておりません。※強く生き抜くヒロイン、ゆいの人生がこの本に書かれています 遥かな山並み 過ぎた昔が懐かしく桜の枝に手をやれば流れる雲に面影の浮かびて消えし儚さよ弥生の空に雲流る丘に上りて佇めば風音寂し揺れる枝夢か現か遠き日よ ゆいの詩雪の越後を後にして三国峠を越え行けば春の陽満ちて雲流る異郷の空を彷徨えば旅路の果ては風の街女一人で生きて行く心揺さぶる諸肌は故郷を偲ぶ雪の肌 二十 夜の静寂にふと耳を澄ませば 過ぎ去った青春の声が聞こえて来る 七月半ばとなった。朝食後、宗像が書斎の窓を開けると濃い灰色の空ではなくて、青い空に白雲が浮かんで居た。久々に見る晴天の空であった。これはいよいよ梅雨が明けると言う事だろうか。爽やかな青空を見て宗像は何処かに行きたくなった。 よし、午前の仕事が済んだら坂東公園に行こう。幸い、外仕事は来て無かったので何時でもその気になれば外に出掛ける事が出来た。 書斎のソファで新聞を流し読みすると宗像は勇んで仕事に取り掛かった。最初の仕事はテニス同好会のホームページの更新作業だから手慣れたものである。文書や写真を手早く配置すれば直ぐに完成で難しい事は何も無い。ただ、ハイキングクラブは地図を挿入してくれと言うので、そのコピーに少し手間取った。 急いで作業したお陰で十一時には全ての更新作業が終わった。机の上を大急ぎで片づけると宗像は庭の車庫まで勇んで駆けて行った。 坂東公園の広い駐車場には数台の車しか見えなかった。イベントも何も無い平日の午前中だからこれが普通である。付近に人影は無いが遠くを見るとベビーカーを押している若い女性の姿が松林を通して向こうの道に小さく見えた。 宗像は松林の小道に入り、時々、松の匂いを深く吸い込みながら歩いた。樹木の匂いは何か人の気持ちを安心させる作用があるようだ。何時もの事だが宗像はあれこれ自問自答し、松林の中を何処とも定めずにゆっくりと歩いて行った。 古稀近い年齢になったが年金と便利屋で何とか日々の生活は成り立っている。しかしこれからの日々は寝て起きて食べて便利屋の仕事をする極めて単調な毎日だろう。そうしてこの繰り返しが少しずつ人生をゴールに導いて行くのだ。そのゴールとは何時の日か病気や事故等で死ぬ事である。この先にあるものはそれだけだ。 そうなるとこれから先、生きて行く意義とは何なのだろうか。 暫く考えて見たがはっきりした答えは浮かんで来なかった。すると、学生時代のI教授が話した事を思い出した。 「宗像君、何でも良いからやって居ればいい。やってる内に学生生活は終わるよ」 あれは確か、偶然、図書館の前で立ち話をしていた時だった。大学では何をすればいいんですかと、I教授に聞いた時に返って来た答えである。 もし、あの時、I教授が如何にも模範的な解答を振り回していたら、恐らく宗像は聞いた振りだけして実際には聞く耳を持たなかったに違いない。ところが極めて飾り気のない答えだったから、逆にそれは宗像の心を強く揺さ振った。 そうか、あれだ。それなら学生生活も人生も同じ事だ。 何でもいいからやって居ればいい。その内に人生は終わる、と言う事だ。将来がどうなるか、誰も分かりやしない。ならば、死ぬまでの日々など考えなくていい。今を生きれば良いのだ。そう言えばゆいも同じ事を言っていた。 「未だ起きても居ない事を考えるのは止めましょ」 時々、松林で冷やされた空気が心地良い風となって散策する宗像を追い越して行った。散歩に来てよかった。時計を見るともう十一時を過ぎていた。林の中をただ歩いたりベンチに腰掛けたりしていただけなのに、こんな時は意外と早く時間が過ぎるようだ。 そうだ、昼食は焼き饅頭にしよう。焼き饅頭は松林の西端で売っていた。先客が二人居た。宗像は店内の椅子に腰掛けて饅頭が焼き上がるのを待った。 焼き饅頭を食べるのは本当に久し振りの事だ。こんな良い天気だから店内で食べるのは勿体ない。焼き饅頭と牛乳を手にした宗像は松林の中をボート池に向かって歩いて行った。 ボート池の水面は多くの水鳥がのんびりと泳いでいた。岸辺に置かれたベンチに座り、水鳥が泳ぐのを眺めながら宗像は焼き饅頭を食べた。宗像の焼き饅頭に気付いたのか、水鳥が大挙して近くに集まって来た。それを見て宗像は最後の一個を小さく千切りながら水面に向かって思い切り放り投げた。途端に多くの水鳥が餌の取り合いを始めたから、水面は騒々しくなり彼方此方で水飛沫が上がった。 餌が自分の近くに飛んで来たカモは運よく餌にありつけるが、そうでないカモは激しく羽根を動かして餌を追い掛けるがもう餌は何処にも無い。その様子を見て、宗像は人生も同じだと思った。 釣り池の方に行くと、十数人が池の端で釣りをしていたがいずれもかなり年配の人ばかりである。宗像は岸辺の大きな石に腰掛けると数メートル先の浮きをじっと見つめた。暫く見ていると浮きは左右に少しずつ動き出した。魚が食いついたらしい。 ところが釣竿を垂れている老人は一向に反応しない。不思議に思った宗像が立ち上がって老人の近くまで行くと、その目は閉じられたままである。寝ているようだ。そこで宗像は大きく咳払いをしてみた。すると老人は目を覚まし、咳払いをした宗像に顔を向けた。 「あの、引いてますよ」 「そうかね、あっ、引いてるな」 ゆっくりと竿を引き上げたが魚は居なかった。 「今日は釣れますか?」 「うーん、まあまあかな」 成果を拝見させてもらおうと宗像は魚籠を探したが魚籠は何処にも無かった。この池はキャッチ&リリースだから魚籠は不要なのか。でも辺りを見回すと魚籠を持ってる人も多かった。やはり釣って直ぐに放流するのは何か空しいだろう。 「餌は何ですか?」 「ご飯粒だよ」 宗像も小学生の時にはよく釣りをしたが、餌は釣り道具屋で買った赤虫やサシだった。ご飯粒でやった事もあったが食い付きが悪く話にならなかった。 「赤虫とか使わないんですか?」 「使わないね」 黙って釣りをしてる老人だから世間話を歓迎すると思ったがそうでは無かった。老人の不愛想な雰囲気を察すると宗像は南側の岸に行った。 南側にはコンクリートの階段があったので宗像はその階段に腰掛けて池を眺めた。松林から吹く微風で水面には小さな漣が立ち、それは生き物のように水面を伝わって行った。青空を映した水面を見ていると何かそれだけで心が癒される気がした。 太古の生命は海から発生したと言う。だから、命の末裔である人間は水面を見ると命の故郷に戻った気になり、それで心が癒されるのかも知れない。 辺りの釣り人を見回してみたが竿を動かす人は誰も居なかった。普通は時々、竿を上げて餌の様子を確認したり、また魚の居そうな場所に移動したりするものだ。宗像は暫く池周囲に陣取る釣り人を眺めていたが、誰もが定位置に座ったまま動く人は居なかった。 どうやら、此処の釣り人達は釣りをしているのではなくて、釣りをしている自分の姿を楽しんでいるらしい。釣りの成果などどうでも良いのだ。青い空と時折に吹く夏の風、水面を泳ぎ回る水鳥、その光景に身を浸している自分に幸せを感じているのだろう。 こうしていれば、時は何時の間にか流れて行く。釣り人が見ているのは水面の浮きではなく時の流れだ。揺れる浮きを毎日眺めていれば、やがて人生の最後に到達するのだ。 すると突然、大声が聞こえた。向こう岸を見ると一人の釣り人が池の端に横たわっていた。これは急に具合でも悪くなったに違いない。他の釣り人が駆け寄り、頻りに声を掛けている。 此処にいる釣り人は老人ばかりである。宗像は立ち上がると向こう岸まで走った。宗像も決して若くは無いがそれでも池の周りでは一番若いだろう。素早く倒れている老人の傍まで駆け寄った。 「どうされましたか?」 聞けば、普段から血圧が高く急に気分が悪くなったと言う。結局、救急車は呼ばず宗像がその老人を家まで送って行く事になった。宗像が一番若くしっかりしていたからそれは自然の成り行きであった。 倒れた老人の自転車は置いたままにして宗像は左手に釣り道具を持ち、右手で老人のバンドを掴んで倒れないようにして車までゆっくり歩いた。 老人から住所を聞いてナビに打ち込んだ。車を走らせて暫くすると、防風林のある大きな農家が見えて来た。庭に入って車を停め、老人を支えながら玄関を入ると土間にある椅子に腰掛けさせた。 土間にはゴミ袋や壊れた日用品、その他が散らかったままである。これはもしかすると、一人暮らしなのかな。 「ご家族は誰か居りますか?」 「いや居らん。わし一人だ」 「それで、子供さんは近くに住んでいるんですか?」 「いや、子供は東京だ」 「これから医者に行きますか?」 「いや、いい。暫く休んで居れば良くなるよ。わしは村岡と言います。お宅様の名前を教えてもらえますか」 「宗像です」 「どうもご迷惑お掛けしました。お世話になりました」 何とか大丈夫の様だが村岡を一人にして大丈夫かなと宗像は心配になった。しかし身内でもないので世話をする訳には行かない。それなら早く休んでもらう方が良い。 宗像は去り難い思いを感じながら薄暗い土間を出た。 二時過ぎに帰宅すると、昼が焼き饅頭だけだったせいか、少し空腹を感じた。即席ラーメンを作って台所で食べた後、宗像はお茶を持って書斎に上がった。ソファでお茶を飲んで居ると、村岡老人の事を考えずには居られなかった。と言うのは、村岡老人の姿はそう遠くない将来の、正しく宗像の姿だと思ったからだ。 一人暮らしの場合、深夜に急病で動けなくなったらどうするのか。動けないのだから救急車を呼ぶ事は出来ない。運が悪ければそのまま孤独死かも知れない。だから一人暮らしで体が弱って来たら、残された選択肢は老人ホームなどの施設に入るしかないだろう。 だが老人ホームに入ったからと言って快適な生活が約束されるかは、その時になってみなければ分からない。宗像は老人ホームに入った父の事を思い出した。 宗像の父は老人ホームに入ったが、工作道具は危険と言う理由で小さなナイフ一つですら持ち込めなかった。そうなると父は趣味の工作が出来ないので、老人ホームの生活はただ食べて寝るだけになった。 趣味の工作が出来ない生活、それは恐らく父が最も嫌っていたものだ。だから老人ホームに入って五年後、父は「もう私は生きていても仕方ないんだよ」と言ったのは正に断末魔の叫び声だったのだ。 自分のやりたい事が出来ない老人ホームの生活は幾ら衣食住が満ち足りていても、父にはそれが人生だとは思えなかったのだ。 高級老人施設なら、ある程度は趣味も許可となり自由な生活を送る事は可能かもしれない。だがそれは殆どの庶民には無理な話だ。そうなると、多くの老人は施設で食べて寝るだけの老後人生を送る事になるのだ。 どうやら老後の先にある日々は余り快適ではなさそうだ。宗像の心は徐々に暗い谷間に沈み込んで行った。すると、ゆいの声が聞こえて来た。まだ起きても居ない事を考えるのは止めましょうね。そうだ、ゆいの言葉を忘れてた。 我が人生の最後が何時どんな形で来るか、幾ら考えた所でそれは到底分かる事ではない。ある日、道を歩いている時、突然、そのまま倒れて終わる事だってあるのだ。それなら先の人生を心配しても仕方ない。要するに命の火が燃え尽きるまで、とにかく懸命に一日一日を生きると言う事、それだけだ。 夕食後、書斎で十時近くまでパソコンのキーを叩いていたが殆ど疲れは感じなかった。これは間違いなく、昼間、松林の中を散歩した効果で精神力が回復したのだろう。風呂から出て書斎のソファで漢詩を読んでいるとマスターの剛田から電話が来た。 「宗像さん、お願いなんですがね、瑤子の講習をしてもらえませんかね」 「でも、私では・・・」 「実はね、また瑤子に講習の事を話したんだが、どうもわしだと厭みたいでね。でも宗像さんならお願いしますと言うんだ。是非やってもらえませんかね」 「うーん、でも、素人の私が講習なんて無理ですよ」 「いや、だから、そんなにきちんとでなくても雰囲気を教えてもらえばそれで十分だと思うよ」 「他の事ならともかく、いくら何でもデリヘルの講習は無理です。私は単に今まで客として風俗嬢を見て来ただけですから」 「いや、だから細かい事はいいから、要するに瑤子がデリヘルの雰囲気に慣れればいいかなと」 「いや、申し訳ないですが引き受ける訳には行かないです」 「まあ、電話だとあれだから、また来た時に話をさせて下さい」 電話が切れた後、宗像はつい先日、風俗に於ける講習の意義をマスター相手に熱弁を振るった自分を思い出した。あれは飛んでも無い間違いだった。単なる風俗客が風俗業について偉そうな事を述べたのは実に恥ずかしい事だった。 翌朝、書斎の窓から外を見ると小雨が音もなく降っていた。今日は仕事の予定が無かったので、宗像は自宅の庭木を剪定する積りでいたが、雨なので諦めて久し振りに部屋の掃除をした。掃除機を掛けていると珍しく固定電話が鳴った。 「私は伊勢町五丁目の藤本と言いますがインターネットの工事をお願いしたいのですが」 「インターネットの工事とは具体的にどんな事ですか」 「居間にあるルーターから四つの部屋にケーブルを引いてもらいたいのです」 「それならケーブルよりも無線ランの方が簡単だと思いますが」 「私はよく分かりませんが、息子は有線の方が速度も早いし盗聴の問題も無いから、手間は掛かるけどケーブルを引いた方がいいと言うんです」 「うーん、それはその通りですが四部屋と言うのはなかなか手間が大変ですよ。あの、技術的にはすごく簡単なので息子さんがやったらどうですか」 「息子は土木の専門家でパソコンもかなり使うらしいですけど、仕事が忙しくて時間が無いんです。でも電気店に頼むと、まず出張費から取られますんでね、是非、宗像さんにお願いしたいのです」 「分かりました。そうすれば明日十時に伺います」 ケーブルの敷設など誰でも出来る簡単な工事に思えるが、実際にやってみると、そうではなく、かなり手間が掛かる作業である。と言うのも、ただ配線を引きずり回せば良いと言うものではないからだ。 まず、ケーブルは出来るだけ目立たないようにしなければならない。それと一番厄介なのは壁の貫通である。建築様式に寄っては壁の貫通が容易でないものがあるのだ。だから、隣の部屋なのに状況に依っては十数メートルもケーブルを迂回して引き回さなければならない事もある。だから、どの位手間が掛かるかは、現地に行ってその建物をよく調べない限り、全く分からない。 次の日、宗像は藤本宅に行った。数年前までは確か木造の家だった筈だが、目の前には近代的な軽量鉄骨の大きな家があった。息子さんと同居の二世代住宅を新築したらしい。 しかし、軽量鉄骨だと分かると途端に宗像は憂鬱になった。鉄骨構造の家はケーブルを引き回すのが大変だからだ。木造住宅なら壁の貫通は自由自在で気にする事は無い。だが軽量鉄骨の場合、壁はいわゆる耐力壁だからその中を鉄骨が至る所に通っているのだ。 ドリルで耐力壁を貫通しようとすると、不運な場合、鉄骨に当たり止まってしまう。だが、建築の素人には壁の何処にどんな風に鉄骨が走っているか、全く分からないからどうしようもない。 宗像は以前、鉄骨の家で工事した事があったがドリルが何度も鉄骨に当たり、幾つも不要な穴を開けて依頼主に文句を言われ、ひどく厭な思いをした事があった。ホールソーの前に細いドリルや千枚通しなどで鉄骨の位置を慎重に探るのだが、それでもぶつかった。 恐らく今回も同じ事になるに違いない。宗像は軽量鉄骨の家を眺めながら暫く考えて居たが、最終的にこの仕事を断る事に決めた。 「藤本さんね、私は建築業者では無いので鉄骨建築の壁は何も分からないのです。ですから壁の何処に穴を開けたら大丈夫なのかと言う判断が出来ません。そうすると幾つも失敗の穴を開ける事になるので、これは専門業者に頼んだ方が良いと思います」 「そうですか。でも失敗した穴は塞げばそれで構わないですよ」 穴の大きさは二センチ位だから、クロス壁の場合、同じ柄があれば余り目立たないように補修は出来る。ただ、板材の場合はどうしても補修の跡は目立ってしまう。 宗像は何度も藤本に専門業者を薦めたが、費用の点からどうしても宗像にやって欲しいと言う。藤本の頼みを無下に断る訳にも行かず、必ず余分な穴が開く事がありますよと、宗像はしっかり念を押してから工事を引き受けた。 二世帯住宅の中を歩き回って配線箇所の見当を付けたが、目立たないように配線するとケーブル長は全部で八十メートル近くになると思われた。仕事の都合で藤本さん宅の配線作業はすべて午後の時間を充てる事にした。特に新たな問題が生じなければ三日位で終わる筈である。 翌日の午後、宗像はホームセンターに行き、ケーブルやコネクタ、配線材を購入すると藤本宅に向かった。 着いて直ぐに壁を貫通させてツバ管を塡める作業を始めたが、居間の壁に穴を開けようとしたら早々と鉄骨に当たってしまった。事前に細いドリルを通してその場所に鉄骨が無い事を一応は確認したのだが、ホールソーで穴あけしたら見事、鉄骨に当たってしまった。仕方なく五センチほどずらした場所に別の穴を開けた。 鉄骨に当たらないようにするだけなら、耐力壁の中央辺りに穴を開ければ良いが、それだとケーブルが目立ってしまうのである。だから、配線はなるべく天井と壁の境目を這わせるのが配線工事の鉄則なのである。 二日目は階段から部屋に入る壁で失敗した。結局、四カ所も無駄穴を開けてしまった。午後は接着式の配線カバーを取り付けた。これも一度貼り付けるともう動かせないし、別の場所に貼り付けようと無理に剥そうとすると壁材の表面が剥げ落ちてしまうので貼り直しは出来ない。簡単そうに見えるが、これもなかなか難しい作業である。結局、配線カバーの幾つかはかなり曲がって貼り付いてしまったが、そのままにするしかなかった。 三日目は配線カバーにケーブルを通してケーブルを適切な長さに切断してからコネクタを取り付けた。コネクタの取り付け作業は細かいので目が痛くなり、それと何度も脚立に上ったり下りたりしたので太腿が丸太のように膨らんで来た。 階段の所でケーブルを配線カバーに填め込んでいたら、藤本さんと息子さんの会話が下の方から聞こえて来た。 「だから、親父さん、専門業者に頼めと言ったでしょ」 「でも、専門業者はお金がひどく高いんだよ」 「幾ら安くても穴を塞いだ跡ばかりじゃ決して安くないよ」 「でも、通信には何の支障も無いだろう」 「いや、目立ち過ぎだよ。それに配線カバーと壁の色が全然合ってない所もあるよ」 思ったとおりである。藤本さんは専門業者に頼むべきだったのだ。或いは息子さん自身が会社を休んで本人がやれば良かったのである。ケーブル敷設などは誰でも出来る事なのだから。 三日目の夕方、漸く全ての工事が終わったので藤本に出来上がりを見てもらい、工事の完了を確認した。 「どうも、上手く工事出来なくて申し訳ないです」 「いやいや、超格安でやってもらったのですから、もう感謝しかないです」 恐らく藤本さん親子は、当分の間、ケーブルを見ては口喧嘩をするだろう。 もうケーブル工事の依頼はお断りする事にしよう。かなりの肉体労働で疲れるし、それに脚立に上がっての作業もこの歳になると危険だ。抑々、ケーブル敷設などは新築時にやる工事であり、壁や天井が済んだ後では誰がやっても綺麗には出来ないのだ。 帰宅すると心身共に疲れ切って宗像は冷蔵庫のジュースを飲んだ後、書斎のソファで休んで居たが、何時の間にか寝てしまった。 五時過ぎに目が覚めた宗像は、暫く書斎のパソコンでニュースなどを見て居たが、昼間の疲れは以前として残っていたので、今夜予定していた自宅の仕事は止めにして、淀川に夕食を食べに行った。 ママに焼きそばと味噌汁を頼んでから何時もの席に座った途端、夕紀がやって来た。 「宗像さん、暑いのにお元気そうね。何か健康の秘訣でもあるの?」 「そうかな? 今日は疲れてるからとても元気には見えない筈だけどね。夕紀こそ何時も爽やかで魅力的だよ」 「ねえ、今日は特別サービスしますから」 「うーん、今は疲労困憊の塊だからとても無理だな。因みに特別サービスってどんなサービスしてくれるの」 夕紀が何か話そうとした時、急にマスターがやって来た。何か宗像に用事でもあるらしい。夕紀は如何にも不満そうな表情を見せながら渋々立ち上がった。 「やあ宗像さん、仕事が忙しかったらしいね。どうしたかなと思ってました」 「ええ、かなり手間の掛かる仕事でかなり疲れました」 「それで、先日話した瑤子の講習だけど、是非お願い出来ませんかね。デリヘルの雰囲気だけ分かればそれでいいですから」 「私如き素人に風俗嬢の講習は到底無理です。それにチャームレディに講習の出来る人が居る筈ですから、その人にやってもらえばどうですか」 「それも瑤子に言ったけど駄目でね。だから宗像さんしか居ないんだよ」 「出来れば、マスターのご要望に応えたいですが、でもやはり無理です」 宗像は先日、マスターに偉そうな講釈をしたが、ただの客如きが風俗業にもの申す事があってはならないと深く反省していた。 「そうかなあ、宗像さんなら経験が豊富だし、うまい講習が出来ると思うけどな」 何度頼んでも宗像の意志が少しも変わらないのが分かると、マスターは如何にも困った表情を見せた。それでも腕組みして何とか宗像を説得しようと考えていたが、入口に客の姿が見えると諦めて立ち上がった。 宗像が焼きそばを食べて居ると、ママが厨房の方から何か持って来た。 「知り合いが北海道からメロンを送って来たの。デザートにどうぞ」 一切れを口に入れると懐かしい味が広がり、宗像は幼い日、祖父の畑でメロンを捥いで食べた事を思い出した。ママが厨房に戻った後、暫くするとピアノを弾き終えた瑤子がやって来た。 「これはさっき、ママが持って来たメロンです。どうぞ」 「わあ、美味しそうなメロン、頂きます」 瑤子はメロンを食べ終わった後、暫く黙っていたが、やがて口を開いた。 「あの、デリヘルの事なんですけど、講習をして頂けませんか」 黙っていた瑤子が、突然デリヘルの事を言ったので、宗像は思わず瑤子の顔を覗き込んだ。これはもしかするとマスターに言われたのかも知れない。自分からお願いしてみろ、と。 「いや、私には無理です。やはり専門の人に教えてもらうべきです」 「でも、知らない人は何か怖くて駄目です」 「うーん、そう言う気持ちだとデリヘル嬢の仕事は無理だと思いますよ。もうデリヘルの事は考えない方が良いですよ」 言われて瑤子は落胆したのか下を向いたまま考え込んでしまった。もしかすると後でマスターに怒られるのだろうか。あんたのお願いが足りないんだよ、と。 落胆した瑤子を見ていると宗像は何だか可哀想になって来た。でも、私にはやはり無理だ。 要するに、瑤子は東京の音大を出てかなり恵まれた人生を送って来た人だから、抑々、風俗業など無理な事だ。いや、待て、そんな事は無い。女として生まれたのだから男と肌を合わせられない事は無い筈だ。 宗像は躊躇してる瑤子に最後の質問をする事にした。 「あの、講習しても良いです。但し、生中出しで良ければ講習します」 「えっ、それは・・・出来ないです」 「じゃあ、もうこの話は終わりにしましょう。瑤子さんにデリヘルは無理です。しない方が正解です」 宗像の言葉に瑤子は小さく会釈すると何も言わずに立ち去った。瑤子がひどく失望している事はその表情からよく分かった。しかし、宗像はもう声を掛ける事は無かった。 七月下旬に梅雨が明けると不快な高湿度は無くなったが、途端に例年と同じ猛暑の日々となった。 午前中、宗像は書斎で老人会新聞の編集をして、午後は外の仕事が無かったので、前からやって居た翻訳の続きをした。夕方、老人会新聞のゲラを持って老人会事務局に行った。何時もの様に佐田との雑談を楽しみに訪れたが、生憎、佐田事務局長は来客中であった。 仕方なく短い説明だけしてゲラ版を渡すと宗像は早々と事務局を後にした。佐田も宗像と何時もの雑談が出来ないので如何にも残念そうな顔をしていた。事務局を出ると、そのまま宗像は淀川に向かった。実は瑤子の事が気になっていたのである。 この前は少し感情的になり否定的な言葉だけになってしまった。今日はもっと肯定的に瑤子を励まして少しでも前進出来るようなアドバイスをしてやろう。 何しろ初めて風俗業に従事するのだから、誰だって覚悟するのに時間が掛かるのは当然の事だ。 厨房の前に立ち、木曜日だから瑤子は来てる筈だと思い、宗像はフロアを見回したが瑤子の姿は何処にも見えなかった。もしかすると事務室で休んで居るのかも知れない。 宗像が何時もの席に座るとマスターがお絞りと水を持って来た。 「マスター、瑤子さんはまだですか?」 「瑤子? ・・・彼女は辞めたよ。まあ、風俗は性に合わなかったんだね。仕方ないな」 なるほど、そう言う事か。マスターにしてもスナックを経営しているのは金を稼ぐためであり、生活に困っている女性を援助するための慈善事業ではない。金を稼がない女に用はないのだ。 「ピアノを弾くだけの女は駄目ですかね」 「まあ、そう言う事だ。ピアノを弾いているがそれは演奏会で引いて居るのとは訳が違う。客からすればピアノ弾きの素人女をカモにしたと言う所が重要なんだよ。デリヘル店の女なら金を出せばホテルに一緒に行くのは当たり前さ。それは嬉しくも何ともない。ところが何でも無い素人女を落としたとなると男は有頂天になるんだ」 確かにそうかも知れない。金を出せば風俗嬢がホテルに付いて来るのは当たり前の事であり、そこに男としての自慢話は何処にも無い。しかし相手がピアノ弾きの素人女性なら話は別だ。 考えてみれば生演奏のピアノなんて、抑々、田舎町のスナックには不必要な事だ。スナックに必要なのは口説かれて男とホテルに行く女がフロアでピアノを弾いている事なのだ。
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長編小説 遥かな山並み 二十一 川嶋政仙 著 強く生き抜くヒロイン、ゆいの人生がこの本に書かれています
長編小説 遥かな山並み
長編小説 遥かな山並み 二十一 川嶋政仙 著 ※紙の本は在庫少数のため販売しておりません。※強く生き抜くヒロイン、ゆいの人生がこの本に書かれています 遥かな山並み 過ぎた昔が懐かしく桜の枝に手をやれば流れる雲に面影の浮かびて消えし儚さよ弥生の空に雲流る丘に上りて佇めば風音寂し揺れる枝夢か現か遠き日よ ゆいの詩雪の越後を後にして三国峠を越え行けば春の陽満ちて雲流る異郷の空を彷徨えば旅路の果ては風の街女一人で生きて行く心揺さぶる諸肌は故郷を偲ぶ雪の肌二十一 夏空に 雲流れて 時は行く 八月に入ると、それまで空を覆っていた灰色の雲はすっかり姿を消して、空一面は綿の様に白い雲だけとなった。どうやら、梅雨の時期も完全に終わったようだ。実に気持ちの良い朝だが、宗像はこれからの長い猛暑を思うと途端に憂鬱となった。 と言うのも、歳を重ねる度に猛暑が苦手となり、もう我慢の限界に近付いて居たからである。八月の仕事はどうするか。 便利屋を始めた当初、依頼された仕事は全て炎天下の時期でも頑張って取り組んだ。と言うのは仕事の依頼を断ると、以後、仕事の依頼が来なくなる事が多かったからだ。 だが、仕事獲得のためとは言え、猛暑の中で無理して、もし怪我や病気になったら全てが終わりになってしまう。宗像は考えた末 八月の仕事は屋内のみで他はやらないと決めた。収入はかなり減ってしまうが健康の方を優先した。 八月最初の仕事は、四日午後三時から平石町公民館でスピーカー移動の作業だった。工事内容はステージの右側に液晶テレビを置く事になったので、それまでその場所に在った大きなスピーカーを二メートルほど移動する事である。 スピーカーの移動自体はコードを継ぎ足せば済む事だから、何も難しい事は無い。もし、依頼主が音響マニアならコードについても注文を付けるだろうが、公民館だから通常のコードで繋げは十分である。 スピーカーを取り付ける位置は高さが三メートル位もあるので、梯子をロープでしっかり固定して作業した。壁はコンクリートなのでネジ穴は普通のドリルでは駄目なので滅多に使わない振動ドリルを使った。 作業は一時間半ほどで何のトラブルもなく終了したが高い所は無意識に緊張するし、また腕や脚に相当の力が入るから工事が終了するとかなりの疲労を感じた。 その後、公民館の事務室でお茶をもらい、顔見知りの事務員と三十分ほど世間話をしてから帰宅した。自宅に戻ってシャワーをした後、書斎でパソコンを見ているとスマホが鳴った。見ると明峰からだった。 「実は宗像さんに相談したい事がありましてね、出来るだけ早くが良いんですが何時なら空いていますかな」 「そうですね、夕方六時以降ならば何時でも大丈夫ですが」 「それなら明後日の七時に事務所の方にお出で頂けますかな」 「分かりました。それで相談とはどんな事ですか? 私の手に負える 事なら大丈夫ですが」 「いや、宗像さんなら大丈夫です。電話ですので具体的な内容については御出で頂いた時に説明したいと思います」 「分かりました。じゃあ明後日七時に行きます」 相談とは一体何だろう? 一寸考えて見たが思い浮かぶものは何も無かった。まあ何であれ、明峰さんのお役に立てればそれは嬉しい事だ。 二日後、宗像は七時に喫茶店オメガに行った。会社の入り口ではなくて喫茶店の中を通って社長室に行こうと思い、喫茶店オメガの店内に入った。するとカウンターの所に若いウェイトレスが立って居た。その女性は以前、明峰商事の事務室で見掛けた事があったが、その時は紺の事務服を着ていた。 今、目の前にいる女性は濃い赤のミニスカと白のブラウスである。もしかして、この人は喫茶店に配置換えになったのかも知れない。 短髪の若いウェイトレスは宗像を見ると、如何にも親しみのある笑顔を浮かべて大きく会釈し近付いて来た。客と誤解される前に宗像は先手を打った。 「宗像と言いますが、明峰社長に用事があって来ました」 「ああ、そうですか。それではご案内致します」 「貴女は以前、確か事務服を着ていましたよね」 「ええ、四月の配置換えで五月からこの喫茶店勤務となりました」 宗像の視線が胸の名札に向かっているのに気付いたウェイトレスは少し慌てて自己紹介をした。 「あっ、私は磯田愛美です。どうぞよろしくお願いします。それではご案内しますね」 見るからに制服の赤いミニスカートが実によく似合う若い女である。後を付いて行く宗像の目は忽ち、色白の引き締まった脚に惹き付けられてしまった。恐らく、この女性はどんな衣服でも似合う人なのだろう。 廊下を少し歩いて行くと社長室の前に来た。ウェイトレスはドアを少し開け、宗像が来た事を告げた。明峰の声が微かに聞こえた後、ウェイトレスがドアを大きく開け、宗像を招き入れた。明峰は執務中だったらしく机上のスタンドを消すと立ち上がった。 明峰はソファの所に来て宗像を丁重に迎えた。 「どうも宗像さん、お世話になります。さあ、お掛け下さい。お忙しい中、ご足労頂き、申し訳ないです」 「いえ、便利屋はそう忙しくはないのでご心配は無用です」 宗像と明峰がソファに座ると先ほどのウェイトレスが来て、飲み物は何がいいですか、と聞いて来た。返事をしようと思ったが宗像は愛美の顔よりも床に突いた白い脚の方を思わず見てしまい、慌てて返事をした。 「じゃあ、冷たいコーヒーで」 それにしても明峰の話とは何だろうか。ゆいの事か。いや、それならもう既に話は済んでいる。私にわざわざ連絡して来たのだから単なる世間話ではない事は確かだ。 「ところで、先日は偶然、夜の街で宗像さんに会いましたね」 「あの日はタクシーが拾えなくて仕方なく大鷹駅まで歩いていたんです。でも、明峰さんに美味しいラーメン屋を教えて頂き、却って幸運でした。あれから二度も行きました。スープが絶品ですね」 「宗像さんは鶏ガラ醤油が好きだと聞いたので、ご案内しましたが気に入ってもらえて良かったです」 「あれは前から探して居た懐かしい味で、なかなか出会えなかったのです。これからも通うと思います。ところで、明峰さんのお陰でゆいも安心して仕事が出来るようになりました。それで、これは私の気持ちです」 宗像は小さな包みを明峰の前に置いた。何も出来ないと言いながら秘かに仕事をしてくれた明峰へのお礼である。何時か自然に会う時が来たら渡そうと思って用意して居たものである。 「いや、それは困りますなあ。大した事はしてないですから」 「いや、そう言わずにどうぞ納めて下さい」 「そうですか、それでは頂戴します。失礼ですが何ですかな」 「私が作った焼き物の文鎮です。明峰さんの名前が入ってます」 文鎮は宗像が地区老人会の焼き物教室で作った作品である。明峰は文鎮を手に取り、暫く、眺めていた。 「これは実によく出来てますな。それにしても宗像さんの趣味は実に広範囲で驚きますな。それでは早速使わせて頂きます」 文鎮を箱に戻すと明峰はそれを執務机に置きに行った。ソファに戻って来ると一息付いてから、ゆっくりと話し出した。 「実はですね、折り入って宗像さんにお頼みしたい事がありまして」 宗像は黙って頷くと、明峰の言葉を待った。 「どうも状況的に考えて、この建物に盗聴器が置かれていると思うのです。それでその辺を宗像さんに確かめてもらいたいのです」 「ははあ、盗聴器ですか。それなら私の友人で長岡と言う盗聴の専門家が居ますので彼と相談しながら対応したいと思います」 「いや、この件は他人に漏らしたくないのです。それで宗像さんにお頼みする事にしたのです」 「あの、長岡は私の極めて親しい人間であり、仕事も海外の諜報機関などが主な対象ですから仕事上の秘密保持は間違いないです。私が念を押さなくても明峰さんの事を口外するような人間ではないです」 「そうですか、そこまで宗像さんが言うのであれば、長岡さんの事は了解しました」 「それで盗聴器の存在を示すような証拠、例えばラジオ等にノイズが入るとか、何かあったんでしょうか?」 「いや、そう言った電気関係の事は何も分かりません。ただ最近、妙な偶然が私の行き先に時々起きるので、もしかすると私の行動計画が第三者に洩れているのかも知れない、と思った訳です」 「ああ、そう言う事ですか。そうすれば明日の午後三時頃、探知機を持って来ます。それで調べれば盗聴器の存在は容易に確認出来ますから」 盗聴と言えば、宗像は学生時代によく国際通信の通話や警察無線、航空無線などを傍受していた。勿論、何の目的もなくて、ただ、その内容を聞いて楽しんでいただけである。 また携帯電話が流行り出した頃、その通話を聞く事もあった。深夜に聞く男女の会話はなかなか興味深かった。思わず引き込まれ、長時間聞いて居た事もあった。 当時、国際通信や携帯電話の傍受が可能だったのは、傍受に対する警戒が殆ど無かったからである。今はデジタル通信であり受信しても音声は聞こえないし、スクランブルを掛けて居るからその通信を傍受する事は事実上不可能である。 しかし世の中には想像を上回る強者が居て、それでもそのプロテクトを突破して通話を傍受する連中が居ると言うから実に驚きである。 明峰と会った翌日、宗像は仕事の予定を変更し、朝九時に長岡特殊基板株式会社に行った。朝一番に行ったのは自分の仕事より明峰の依頼を優先したのである。 会社の受付に行くと若い女子事務員の遠藤澄子がコピー機の前に居るのが見えた。宗像が小さなガラス窓に顔を寄せ、指でガラス窓を軽く叩くと、その音に気付いた澄子が窓口に駆け寄って来た。 「澄子さん、暑いけど元気?」 「ええ、若いから暑さなんて全く平気ですよ。この間はビーチバレーして来ました」 「そう言えば、肌が綺麗に日焼けしてるね。その肌を全部見たいなあ」 「駄目です。公開予定はありません」 ポニーテールの澄子は高卒で会社に就職してもう八年になる。宗像は頻繁に長岡の会社に来るから、今では気の合うお喋り相手になっていた。 「それは残念だなあ。でも気が変わったら、是非お願いしますね」 「はあい、考えてみます。社長は向こうの作業室に居ますので呼んで来ます。二階の応接室でお待ち下さい」 言うが早いか、澄子は事務室奥の出口から外に駆けて行った。 宗像と長岡が初めて出会ったのはもうかなり前の事で、通信機メーカーの新製品展示会の会場で、当時、宗像は四十五歳、長岡は四十歳だった。 話をしてみると、二人は科学的興味が同じでまた同じ大学の卒業だと分かったから急速に親しくなった。当時、長岡は大手の電気機器メーカーに十数年ほど勤めた後、三年位前に従業員六人の長岡特殊基板株式会社を設立した。 その仕事は海外の依頼が多く、アメリカの軍機関や海外の特殊部隊、正体不明の団体など様々であった。洒落たベンツに乗っている所を見ると小さな会社だがかなりの収入があると推察出来た。 事務室に隣接する建物の外階段を上ると、そこが応接室である。かなり広い部屋で中央に古びたソファとテーブルが置かれ、周囲には様々な機材を収納したスチール製の大きな戸棚が幾つも並べられていた。会社ではこの部屋を応接室と呼んでいるが、宗像からすれば、此処はどう見ても応接室ではなく、単なる機材置き場にしか見えなかった。 宗像はソファに腰を下ろし、長岡の来るのを待った。所在なく周りの戸棚を見回すと、その中に様々な機器が無造作に置かれている。この中にはきっと盗聴器もあるのだろう。しかし、どの筐体も外側にラベルや文字が一つも無いから宗像にとっては全くの正体不明物体である。 通常、どんな機械もラベル等に機器名の明示がある筈だが、それが無いのは、恐らく、これらの筐体が何であるかを知られたくない組織が使うからだろう。 宗像が棚に置かれた様々な筐体を興味深く眺めていると、外階段を上る足音が微かに聞こえ、薄い灰色の作業服を着た長岡が入って来た。 「やあ、朝早くから邪魔して悪いね」 「大丈夫です。事前に連絡してもらえば何の支障も無いです。コーヒーと紅茶、何方がいいですか?」 「そうだね、コーヒーにするかな」 長岡は応接室隅に置いてある冷蔵庫から缶コーヒーを二本、取り出すとテーブルに置いた。 「毎回同じ銘柄ですみません」 「いや、暑い時は冷たいコーヒーは何よりだよ。ところで、親しい人から盗聴器の探知をしてもらいたいと言う依頼が来たんだ。これは便利屋よりも長岡の範疇だけど、私にと指名付きで頼まれたのでやる事にした。それで、適切な機材を貸してくれないかね」 「調査対象はどんなロケーションですか」 「うーん、大きな木造二階建てだね」 宗像の言う事に頷きながら長岡は立ち上がると周りの棚を見回し、北側の棚から肩掛け用のベルトが付いたA5サイズ位の黒い箱を取り出した。 「それなら、これ位で十分です。受信周波数は100キロヘルツから10ギガヘルツまでで、指定された範囲をスキャンします。また発信源の位置も現場の状況にも依りますが、高感度の電界強度計と鋭い指向性を持っているので容易に突き止める事が出来ます。受信モードは周波数変調、振幅変調、位相変調、SSB、デジタル変調に対応しています」 「すごい受信機だね。ところで簡単な盗聴器はFMだと思うが、あれは何かメリットがあるのかね」 「構造が簡単だと言う事と受信は市販のFMラジオで済む事ですかね。それにFMは都市雑音にも強いですから」 「送信に暗号とかは使わないの?」 「暗号を使う意味は無いですね。無関係の第三者が聞いた所で何の役にも立ちませんから。それと暗号式にすると送信機は高価格になり、電池式の場合、稼働時間がごく短時間になってしまいます。なので、通常は秘話方式を採用する事は無いです」 「なるほど、言われてみればその通りだね。さてと、この受信機で盗聴電波を受信出来ればそれで盗聴器は見つかると言う訳だ。そうすると盗聴器探知作業はそんなに難しい事でもなさそうだね」 「いや、現代の盗聴器は進歩してますから簡単に探知出来るかどうかは、やってみないと分かりません。今はかなり高性能の盗聴がありますから。でも一応、この探知機でやってみて駄目ならまた考える事にしましょう。ところで依頼者はどんな人ですか?」 「明峰商事の明峰さんで、銘木店や喫茶店、風俗店などを経営してる人でずっと以前からの知り合いでね、内密で調査してくれと頼まれたんだ。盗聴器があると言う具体的な証拠はないが、日々の状況から行動計画が盗聴で洩れているようだ、と気付いたらしい」 「そうですか、敵の狙いは何ですかね。一般の人だと異性関係とかが多いんですが」 「うーん、何かな、敵の狙いはまだ全く分からないね。まあ便利屋の仕事からするとかなり逸脱してるけど、色々とお世話になってる人だからお役に立てればと思ってね。言う必要も無い事だけど、この件は秘密と言う事で」 「大丈夫です。私の仕事は全て機密の件ばかりですから」 探知機の話が済むと宗像は長岡と何時もの様に雑談を始めた。実は長岡の所に来ると毎回、様々な科学的テーマについて長岡と雑談するのが宗像の大きな楽しみだった。これまでも何かの用事で来れば夜遅くまで二人は雑談に興じていた。 「ところで相変わらず世の中は不景気だけど、長岡の仕事はどんな状況かね」 「まあ色々です。国際情勢が不安定ですから、この所、急に依頼人は増えてますね」 「いずれにしろ、人類が戦争をしなくなる事は有り得ないから長岡の仕事はこれからも繁盛するよね」 「繁盛と言われると何か複雑ですね、私は単に技術を提供してるだけですから」 「その通りだ。技術自体に善悪は存在せず、あるとすれば人間の使い方だ。原子力エネルギーだってそう言う事だ。ところで最近、何か興味ある技術の話は無いかね」 「ありますよ、磁石による直接発電が、なかなかいい線を行ってるようですよ」 「磁石による発電? そんなの、今更珍しくも何でもないだろう」 「いや、今までの発電方式ではなくて、即ち運動エネルギー無しに発電をするのです」 「よく分からんね、一体どうやって」 「要するに磁石が放出してるエネルギーにプラスアルファを加えて電気に変換してしまうのです」 「でも、磁石がエネルギーを放出してるってそれは本当かね」 「ごく簡単な例で例えれば、直流モーターはネオジムで超強力モーターになりましたが、あれも磁石のエネルギーを利用しているのです」 「でもさ、磁石からエネルギーが出てるなんて、例の永久機関と同じ眉唾の話だな」 「いや、保存則には違反してないです。磁石の質量がエネルギーに変換されていますから」 「信じられんね、それは本当かね。で、何処の国なんだ、それを研究しているのは」 「うーん、それは宗像さんでも話す訳には行きません。私は、ある依頼人の製品を作る過程で、偶然、その情報を把握したのです。私の商売は依頼人に関する情報、また製品に関する情報は秘密厳守が暗黙の掟です。 その掟を破れば、忽ち私は消える事になります。何しろ日本は世界中のスパイが集まっていて、全く自由奔放に行動出来る世界唯一のスパイ天国ですから」 宗像にさえ、長岡は知り得た機密情報を話そうとはしなかった。それは長岡が手掛ける仕事の怖さを自ずと物語っていた。 それにしても、宗像自身も工学部で電磁気学を学んだ事があるが、磁力からの直接発電とはその常識からして全く信じられない話である。科学上の大発明は常識を覆す事から始まると言うが、磁石による直接発電が完成すれば、それは人類史上、常温核融合と同等の大発明になるだろう。 「磁石発電が今後どうなるか興味津々だね。ところでずっと前話していたウィルス兵器はどうなったかね」 「何処の国も秘かに研究して居ますよ。今後は重火器を用いた戦争ではなくてウィルス戦争が前面に出て来ると思います」 「でもウィルスなんて破壊力あるのかね。精々の所、風邪を引く程度だろう。ペスト病原体やコレラ菌とかの恐ろしい奴なら、ともかく」 「いや、エボラウィルスとか、かなり激烈なものもありますよ。でも兵器であるウィルスは強力である必要は無いのです。即ちインフルエンザよりもずっと軽症のウィルスで十分なのです。 ごく弱いウィルスであっても敵性国家に一度流行すれば、ウィルスの遺伝子変異は容易に起りますのでそのウィルスは永遠に敵性国家に居座る事になります。敵性国家がそのウィルス予防に多大な経済力を使えば、それだけで軍事力が弱まる事になります。ましてや、高価なワクチンで完全に予防しようとする国があれば、それは敵性国家から見て更に都合が良い事になります」 「今の医学だとその極悪ウィルスを全滅させる事は出来ないのかね」 「不可能でしょう。人類史を見る時、人類はウィルスと共存するしかなかったのです。それどころか、人類とウィルスは遺伝子レベルで相互に影響し合い、それで人類は進化して来たんですから」 「なるほど、人類とウィルスは地球上の家族と言う訳か、それじゃあ無くなる訳がない。でも楽観的見方だがウィルス兵器研究の成果が我々の病気治療に役立つ事になれば、それはそれで良い事だね」 「そうですね、さっきの話と同じでどんな技術も両刃の剣であり、使う人間の問題ですから」 「例のロボットの方はどうなった?」 「各国が総力を挙げて競争してますから、その内に殆どの事を人間に代わってやる事になると思います」 「ふーん、それで、その行く末はどうなるのかね」 「そうですね、極端な事を言えば、社長が一人で後は全てロボットになったとすると、確かに人件費は極限まで削減されます。しかし、会社の雇用が無くなれば、即ち社員が不要になれば世の中に失業者は増えます。そうなると、社長一人の会社が作った製品を買う人達も激減します。結果、ロボットで合理化した会社は製品が売れなくなり、倒産する事になります」 「大学の講義で聞いた事だが、経済が回るには生産者と消費者が不可欠だ。でも、消費者が激減だと経済は終わりだな。それじゃあ、ロボットは意味がないね」 「いやこれは極端な話です。ロボットに出来る事と出来ない事がありますから、その点に着目して行けばロボットと人間が共存する社会も発展して行くと思います。ただ、どんなものでも過渡期には混乱があるのです。丁度、自動車が登場して馬車が駆逐されたのと同じ事です」 「ロボットに出来ない事って、例えば、何かね」 「まあ、それは現実に精密なロボットが登場した時、人間でなくてはならないものは何かと、改めて真剣に考える時に分かる事だと思います」 「だけどさ、計算の速さも工作精度にしてもロボットの方が優秀だろう。人間の出る幕なんて何処かにあるのかね」 「宗像さん、デリヘル嬢が来たとして、その女性がロボットでも良いですか?」 「あっ、それか、なるほど。それは駄目だ、生身の女でなくちゃあ。そもそもセックスの目的は女を妊娠させたいと言う意識下の欲望なんだ。妊娠しないロボットなんか全く雄として興奮しないよ。まあ、今でもラブドールはあるけど、誰も忽ち飽きて捨て場所に困っているのが実情だ。 子どもは産まない、表情は変わらない、感情も無いロボットの女が幾ら美人でも生身の女には絶対に勝てないよ」 「ですからロボット時代が来た時、人間は何をやるのか、それは今から心配しなくても良いと思います。ロボットは決して万能ではないですから」 「なるほど、それなら将来は人間とロボットが共存出来る社会が来るかも知れないね」 「そうですね、昔の漫画にあったような事が出現しそうですね」 「それならロボットは人類の味方だな」 「いや、そこは難しいと思います」 「えっ、どうして。共存出来るならいいじゃないか」 「いえ、実はロボットも両刃の剣です」 「すると悪い方の目的とは?」 「戦争です。ロボットに戦争をさせるのです。今でもミサイルとか戦車は広い意味で戦争ロボットです。ですが大した知能は持ってません。これがある面では人間以上の知能を持った鋼鉄の武装ロボットが出来れば、機関銃で撃たれた位では壊れませんから無敵の兵隊になります」 「それは昔の漫画にあった鉄人何んとかと言う奴だ」 「そうです。それが完成すれば市街戦で負ける事は無いでしょう」 「そうすると産業ロボットなんかは御遊びであって、ロボットの最終ターゲットは戦争だと言う事だ。やれやれ、人類は何処まで行っても戦争と縁を切る事は出来ないようだな。もし世界が一つの国になれば、それは日本国内で戦争が無いのと同じように、世界でも戦争は起きなくなる筈だが、早くそうなって欲しいね」 「うーん、でも、世界が一つの国になるまでが大変ですね。日本だって戦国時代、江戸時代を経て、明治になってやっと一つの国になりましたからね。同じ人種でさえ、統一までには数えきれない残酷な戦争があった訳ですから。 加えて世界の場合は人種の違い、宗教の違い、風俗習慣の違いもありますから、ひとつの国になるのは極めて長い年月、一寸想像出来ませんが、が必要かなと思いますね」 「そうすると、人類は、かなり長い間、戦争から無縁になる事は出来ないと言う事だ」 「そうかも知れせんね。自己と他者の違いを容認出来る思想、それに無限の食糧、この二つが確実に存在すれば戦争は起きないと思いますがそれも簡単ではないでしょう」 「永遠に戦争が無くならないとすれば、日本もロボットや原子力発電、宇宙開発を大いに推進するしかないね」 「だから、質量爆弾が出来ない内に人類の叡智が出現する事を祈りたいですね」 「何だ、その質量爆弾とは」 「水爆とは違って常温で質量を瞬時に全てエネルギーに変換してしまう爆弾です。これが出来ると地球そのものが破壊されると思います」 「地球が破壊されるって? それじゃあ人類は終わりだ」 「ええ、ですから、このまま行くと何れ人類の知恵が試される時が来ると思います」 二人が話して居るとドアが軽くノックされ、遠慮がちにゆっくりとドアが開いた。隙間から澄子が顔を覗かせた。 「社長さん、ワイオミングから電話です」 「後で此方から掛け直すと伝えてくれ」 「いや、もう探知機は借りたから、俺はこれで失礼するよ」 腕時計を見ると、もう昼の時間を過ぎていた。長岡と話していると何時も時間はあっと言う間に過ぎてしまう。宗像はもっと様々な最新情報を聞きたかったが、この辺が潮時と退散した。 長岡の会社から自宅に戻り簡単な昼食を済ませると、宗像は早速、探知機と向かい合った。様々の無線機や測定器の取り扱いに慣れた宗像だから難しい事は何も無い筈だが、それでも出掛ける直前まで何度も探知機の操作を確かめていた。 それにしてもよく出来た探知機だ。これならあっと言う間に盗聴器を発見出来る筈だ。これで明峰さんに少しだが借りを返せる事になるだろう。宗像の表情は自信に満ちていた。 午後二時半、宗像は携帯用の工具セットと探知機を持って明峰の事務所に向かった。 「この探知機なら盗聴器は簡単に見つかると思います」 「そうですか、宗像さんが引き受けてくれて本当に良かったですよ」 建物はかなり大きな木造二階建てだが特に電波を遮蔽するものは見当たらない。従ってこの建物に盗聴器があればどの部屋からも盗聴電波を確実に受信出来る筈である。 宗像は事務所の真ん中にあるソファに腰掛けて探知機のスイッチを入れた。事務所の時計は午後三時十分を指していた。まずは長岡が教えてくれた盗聴器業界で盗聴六波と言われる周波数、140MHz帯と400MHz帯からスキャンを始めた。 この周波数はアマチュア無線の周波数に近接と言うか、殆ど同じである。恐らく盗聴器を製作する時に部品調達が容易なためにこの仕様となったのだろう。 幾つかの電波を受信したが何れも遠く離れた微弱なものであり、明らかにこの建物から発射されている電波ではなかった。宗像は暫く受信していたが盗聴波と思われる強い信号は受信出来なかった。 これはどうした事だ。もしかすると盗聴器は設置されてないのかも知れない。いや待て、そう判断するのはまだ早い。これは慎重に行かないと駄目だ。此処でミスしたら明峰さんの信用を一挙に失う事になる。いい加減な即断は厳禁だ。簡単に見つかると思っていた宗像はすっかり考え込んでしまった。 探知機のスイッチを切ると宗像は缶コーヒーを飲みながら、焦らずゆっくり考える事にした。 ところで犯人が盗聴器を置くとしたら何処に置くだろうか。盗聴対象が社長の明峰さんなのだから、それは当然、社長室に決まっている。だから盗聴器は社長室にある筈だ。 しかし、明峰商事の社員であっても勝手に社長室に出入りする事は出来ない。となると社長室に盗聴器を置くのは、事実上、不可能だ。そうすると盗聴器は社長室以外に置かれていると考える方が妥当だ。 だが社長室以外の部屋に置いた場合、明峰さんの会話はそれほど多く盗聴出来ないだろう。何故なら明峰さんはこの建物に居る時は、大抵、社長室に居るのだから。となれば、やはり盗聴器を置くのは社長室しかない。だが社長室に設置するのは現実的には不可能だ。 考えていると、宗像は訳が分からなくなってしまった。宗像は途方に暮れながら事務室を出て社長室に向かった。 「宗像ですが」 「どうぞ、お入り下さい」 社長室には執務用のスチール机が二台と来客用のソファとテーブル、北側に大きな戸棚が幾つか並んで置かれていた。 「何か手掛かりは見つかりましたか」 「それが、なかなか手強いようです。直ぐに見つかると思って居たのですが今の時点では皆目見当が付きません」 「そうですか、まあ焦らずやって下さい」 来る時はかなり自信に満ちていた宗像だったが、今やその自信は消えつつあった。これはどうも簡単にはいかないようだ。 「はい、何とか頑張ってみます」 探知機のスイッチを入れて社長室の中を歩いてみたが、先ほどと全く同じで遠くから発射されてる微弱電波しか受信出来なかった。 盗聴器の電波自体は微弱だが近距離なのだから相当に強い筈だ。それがこんなに見つからないのはどう言う事なのか。 その後、宗像は二階のカラオケ店や京女の事務所、喫茶店、また近くにある明峰銘木店にも足を運んだ。それらは全て近距離だから行っても無駄なのは百も承知だが、ひどく混乱している自分を落ち着かせるには歩く事が最善だった。 当然だが何れの場所でも強力な電波は受信出来なかった。仕方ない、今日はこれで撤退しよう。社長室に戻ると明峰に報告した。 「詳細に調べましたが、現時点ではこの建物に盗聴器が在るか無いかの判断は出来ません。それで後日、また新たな方式で探知してみようと思います」 「そうですか、うーん、無いとは考えられないな」 明峰は宗像の説明に頷きながらも到底納得出来ないと言う表情を浮かべた。余程、現実から得た状況に確信があるようだ。 「また長岡の所に行き、新たな対策を相談してみます」 「お手数を掛けますがよろしくお願いします」 宗像は帰りの車を運転しながら考え続けた。これだけ探しても無いのだから盗聴器は無いのかも知れない。しかし明峰さんがあれほど言うのだから、やはり在るのだろう。一体、何方が正解なのか。宗像は途方に暮れてしまった。 帰宅してから長岡にメールを送ると二日後の夜なら時間が空いてるので自宅の方に来て下さい、との返事が来た。 二日後の夜七時、宗像は長岡の自宅に行った。長岡の自宅は会社と同じ敷地の東端にあり、かなりの収入がある筈だが長岡は豪邸などに関心が全く無いのか、平凡な木造二階建てだった。 長岡と会うのは何時も会社の応接室だから自宅に行くのは、もう随分と久し振りの事だった。長岡の奥さんは玄関で愛想良く出迎えてくれ、客間に行くと沢山のお茶菓子が並べてあった。それを見て、宗像は手土産を持って来なかった事に気付いたが既に遅かった。盗聴器の事ばかりが気に掛かり、手土産まで考えが回らなかった。 「結局、それらしき電波は受信出来なかった。だけど依頼人は建物の中に間違いなく盗聴器がある筈だ、と自信満々なんだ」 「で、どの位の間、調査したんですか」 「午後三時から五時少し過ぎまでかな。もっと長時間やらないと駄目かな」 「そうですね。盗聴器も最近はかなり進歩しましたから、以前と違って簡単には行かないと思います。 昔は盗聴すると同時に電波を発射してましたから、その電波を受信すれば簡単に盗聴器は見つかりました。でも今はマイコンが登場したので定時のみ盗聴して、それをメモリに録音し、別の時間帯に、例えば深夜とか早朝に送信するものもあります。この方式だと短時間の探知では見つからないでしょう。 また、送信時間と送信周波数の両方を頻繁に変更する機種もあります。こうなると傍受する事が極めて困難になり、盗聴器の位置を特定するのは簡単な探知機ではもう無理です」 「なるほど、そう言う事か」 「盗聴対象の人間が居る時間帯が分かって居れば、そこで盗聴しますが大抵の場合、はっきりと分からないと思います。その場合は十九時から二十二時位の時間帯で盗聴するのが多いです。ですから、その時間帯に探知すれば見つかる可能性が大きいと思います。 それでも見つからない場合は全く別の時間帯に送信するタイプでしょう。 ですが、そこまで凝った盗聴器を地方都市の事務所に置くとは全く考えられませんね。恐らく、明峰事務所のも極めて初歩的な盗聴器だと思います。 もし、高級な盗聴器であればプログラマブルオートスキャンの受信機で二十四時間監視をすれば確実に発見出来ます。検査結果はディスプレイで見る事が出来ますから、後でゆっくり検討出来ますよ」 そう言うと、長岡は棚から黒い箱を取り出した。かなり大きく宗像が以前使って居た三現象オシロスコープと同じ位である。重さは十キロ位ありそうだ。 「これなら性能は抜群です。これを事務所に置けば付近の不審電波を全て一網打尽に探知出来ます」 「それはスペアナかな、以前勤めていた会社にはもっと大きいのがあったよ」 「そうですね。スペアナを携帯型にしたものです。これは6ギガまでカバーし、5.8ギガのデジタル暗号電波にも対応してます。他には赤外線探知機もあります。これは盗聴器が熱源を持ってる場合には有効です」 「その高級機はこの簡単な機械で駄目だった場合に使わせてもらうよ。出来ればやはり私の手で発見したいからね。それと盗聴器の稼働期間はどの位かね」 「一概に言えません。まあ、市販品だと半月位が最長ですかね。ただ、大きな動物の縫い包みなどに盗聴器を入れた場合、電池を沢山入れて置けば、これは半年から一年は大丈夫でしょう」 「なるほどね。ところで、長岡製の盗聴器はどの位保つのかね」 「特殊電池を使いますので一年は軽く持ちます。それ以上の場合は、太陽電池を巧妙に組み込みますから、ほぼ永久に保ちます」 「なるほど。でも、太陽電池となると、その置き場所が限られるね」 「ええ、照明のある場所に限られます。時計とか絵画、辞典、置物等の形になります」 翌日、宗像は早めに夕食を済ますと、夕方六時前、明峰の事務所に向かった。今夜は長岡のアドバイスを参考に深夜十二時まで頑張ってみよう。 「あの、明峰さんはこの社長室に居るのは何時頃が多いですか」 「うーん、それは何とも言えませんな。仕事柄、夜であれ昼であれ、居たり居なかったりが多いですから」 恐らく、盗聴器を置いた犯人も、明峰さんの生活リズムは分からないから、常識的な線として夜間に盗聴時間を当てたに違いない。 宗像は社長室と事務室を歩きながらスキャンを開始した。一時間ほど探知したが依然として盗聴電波らしきものは受信出来なかった。 今日も駄目か。もう歩き回っても意味が無いので宗像は事務所のソファに掛けて持久戦の態勢に入った。七時少し過ぎた時、明峰は所用が出来たらしく、出来るだけ早く戻る、と言って外に出掛けた。 この状況だと十二時位までスキャンを繰り返す事になるが相手が見えない以上、こうするしかないだろう。とにかく今夜は盗聴電波を捕まえるぞ。テーブルに置かれた探知機はスキャンを繰り返しているが、強力な電波の受信を示すランプが赤くなる事は無かった。 八時少し前、明峰が事務所に戻って来た。 「今夜は何時位まで検査しますか?」 「そうですね、十二時位まではやるつもりです」 「お手数掛けますが、宜しくお願いします。もし私の見込み違いだとすると宗像さんに無駄足踏ませて申し訳ない事になりますが、どうもそうとは思えないんですよ」 「いや、そんな事は全然構いません。恐らく明峰さんの勘が当たって居ると思います」 「そうですか、長時間ですので休みを取りながらやって下さい。私はこれから社長室で仕事をしますが何かあったら連絡して下さい」 明峰が社長室に去って数分後、突然探知機のランプが赤く輝き出し、電界強度計はほぼ最大値を示していた。時間は丁度八時。これだ、これが盗聴器の電波だ。宗像は探知機の表示をじっと見つめた。UHFCチャンネルの少し上で周波数は418.563MHz。 どうやら、この盗聴器は八時から動作を開始する様だ。 発信源の方向を見ると東側の壁を指している。壁の向こうは社長室である。宗像は探知機を持ったまま社長室のドアをノックした。 「どうぞ入って下さい」 社長室に入ると明峰は顔を上げて会釈したが測定中の宗像に話し掛ける事は無かった。電界強度計の針はもう振り切れそうになって居る。 宗像は探知機が示す方向に慎重に歩いて行った。すると机上の鉢植えに探知機を近づけた時、電界強度計は最大値を指した。此処だ、この鉢植えから電波が出ているのだ。この鉢植えの中に盗聴器が仕込んであるのだ。 探知機の表示から盗聴器の機能を確認すると、長岡の言った通り、ごく普通のFM方式であり高級機ではなかった。 盗聴器は机上の鉢植えに仕込まれていると分かったが、同時に宗像は盗聴器の置いてある場所が社長室である事に大きな疑念を覚えた。それは前にも考えた事だが、盗聴器が入った鉢植えを社長室の机上に置く事は警備の厳しさから考えて、事実上不可能な事だからだ。 宗像は幾つかの可能性を考えてみた。 明峰さんと親しい人間なら、盗聴器の入った鉢植えを持って社長室に入る事は出来る。だが、この仮説では明峰さんと懇意な人間が盗聴器を仕掛ける筈が無いから、この仮説は到底採用出来ない。 それなら親しくない人間の場合はどうか。抑々、親しくない人物はこの社長室に一歩も入れないから鉢植えを置く事は出来ない。 あとは、全くの第三者が社長室に侵入して鉢植えを置いた事になるが、この仮説は最も有り得ない範疇のものだ。 何故なら社長室の隣には屈強の連中が幾人も毎日泊まっているのである。そんな場所に誰が忍び込む気になるだろうか。 すると誰がどんな方法で鉢植えを机上に置く事が出来たのか。宗像は幾ら考えても合理的な仮説を導き出す事は出来なかった。 謎解きを諦めかけていた宗像の脳裏に、突然ある記憶が閃き、宗像は思わず身震いした。これは暫くの間、盗聴器の所在については話さない方が良さそうだ。咄嗟に宗像はそう判断した。 宗像はその後も社長室に留まり、盗聴器の電波を監視した。盗聴器の所在は分かったが何時まで盗聴してるのか、を確かめなればならないからだ。すると十時になった途端、盗聴電波は消えた。どうやらこの盗聴器は夜の八時が開始時間で、それから十時までの二時間が稼働時間らしい。 宗像は送信電波が完全に停止した事を確認すると探知作業を終わりにした。今夜は途中経過と言う事で明峰さんに説明し、後は何も言わずに失礼しよう。今後の行動は帰宅してから慎重に考えよう。 執務机で書類を読んでいる明峰に近づき、宗像は作業の終了を告げた。 「今夜はこれで終了したいと思います。少し手掛かりが掴めたので次回は間違いなく発見出来ると思います」 「そうですか、何度も手間掛けて申し訳ないです」 「いえ、大した手間では無いです。また明日七時頃に来ますのでよろしくお願いします」 明峰商事から帰宅するともう十一時を過ぎていたが、宗像は寝ようとはせず、書斎でお茶を飲みながら今後の行動を慎重に考えた。ともかく先ずはゆいから詳細な状況を聞く事だ。それから今後の対応を決める事にしよう。 考えが纏まるとゆいにメールを送った。電話を下さい。直ぐにゆいから電話が掛かって来た。 「一寸聞きたい事があってね」 「何かしら?」 「この前聞いた話では、ゆいは北原さんから手渡された版画と鉢植えを持って明峰さんの所に行ったんだよね」 「それが何かあったの?」 「それで、その鉢植えは茶色で観葉植物の葉には白い筋があった?」 「その通りよ。鉢は茶色で葉には白い筋があったわ」 「やはりそうだったか。するとゆいはその鉢植えとは全く関係ない訳だ」 「関係って? 鉢植えは北原社長が用意して手渡してくれたのよ。どうしたの、何かあったの?」 「実はね、今日明峰さんに頼まれて盗聴器の調査をしていたら、ゆいが持って行った鉢植えに盗聴器が仕掛けられていたんだ」 「鉢植えの中に盗聴器? どう言う事なの?」 「うーん、私にもよく分からないが、推測すると北原社長がゆいに盗聴器入りの鉢植えを渡したと言う図式が浮かび上がって来るんだがね」 「すると、あたしはお礼に行ったのに盗聴器を置いて来た事になるのね」 「そう、結果的にはそう言う事になる。それで此処は慎重に行動した方が良いと思って、まだ鉢植えの盗聴器については明峰さんに何も話して居ない。設置した相手が分かれば、それが誰であろうと、明峰さんは猛烈に反撃すると思う。 そうなると、ゆいが仲間の一人として疑われる事も可能性も出て来るかも知れない。事が事だけにゆいが懸命に弁解しても明峰さんはなかなか信用しないかも知れない。だから、何か穏便に済ます方法は無いものかと考えて居るんだ」 「あのね、明峰さんならあたしが正直に言えばすぐ分かってもらえると思うわ」 「それは甘いな。はい、そうですか、ゆいさんは関係ないんですね、とは行かないと思うよ」 「そうかしら? でも明峰さんはとても良い人よ」 「まあ、確かに良い人だけど、この件に限ればゆいが全く何も知らずに盗聴器を持って来たとは考えないと思う」 「どうしてなの? あたしは信用されてないと言う事?」 「いや違う。はっきり言うとだね、ゆいは北原社長の愛人だ、と明峰さんは思って居るからだよ」 「えっ、愛人? それなら、あたしは明峰さんに社長の愛人ではないですと、はっきり言ったから明峰さんは分かっていると思うわ」 「子供ならともかく、一人前の大人がそれほど簡単に他人の言う事を百パーセント信じるとは思えないね」 「じゃあ、あたしは愛人と思われている訳?」 「そう思った方が間違いない。だから正直に説明しても、それで上手く行けばいいが恐らく駄目だと思うね」 「そうすると、このまま盗聴器を置いた女と思われてしまうの?」 「そうなると思う。だから何か他の方法を考えた方がいいと思うんだ」 そうかしら? ゆいは宗像の説明に少しも納得出来なかった。明峰と会った時の事を思い出した。明峰の目にはゆいに対する最高の好意がはっきりと見えた。二人の心理的波長は寸分の狂いもなく一致して、それはもう恋人同士のようだった。だからこそスマホの番号も躊躇なく教えてくれたのだ。 明峰さんはあたしが説明すれば、きっと、どんな事でも真摯に聞いてくれる筈だ。それにあたしを疑うような人ではない。 ゆいは自分が明峰に会って説明すればどんな誤解であれ、直ぐに解決すると思った。だが、何故か、それを宗像には言い出せなかった。 「それでどうするの?」 「まだその方策は分からない。これから友人と相談してみるよ。とにかくゆいは動かないでくれ」 「分かったわ。それにしてもあたしの了解も取らず、北原社長はどうしてそんな事をしたのかしら?」 「盗聴器の事を言えば、ゆいは間違いなく反対すると思ったのだろう」 「でも、北原社長が盗聴器を仕掛けるなんて信じられないわ。悪い事なんて間違っても出来ない人なのに」 宗像の秘かな期待に反して、ゆいの口からは北原を懸命に擁護する言葉が聞こえて来た。ゆいは知らぬ間に運び屋にさせられたのに、それでもなお、北原に対して憎しみの欠片すらも感じて居ないとはどう言う事なのだ。 「詳しい事情は分からないが、とにかくゆいを運び屋に仕立て上げるとは人間の屑だね」 「あたし、北原社長に聞いてみるわ。どうしてそんな事をしたのかって」 「いや、それはしない方が良い。北原社長には鉢植えの事は一切、聞かない方が良いと思う。ゆいも私も闇の世界と関わらない方が良い」 「そうなの? でも宗像さんがそう言うならそうするわ」 「この件については私に任せなさい。また一段落したら連絡するよ」 「分かりました」 ゆいが盗聴器を置いて行った事を明峰さんが知ればどう思うだろうか。 ずっと以前、明峰さんと話をした時、土地問題でゆいさんを脅すのは社長の愛人だからですよ、と言っていた。ゆいが北原の愛人であれば二人はグルだと思うのがごく自然だ。そうなれば明峰さんの表情がどれほど恐ろしいものになるか、それは想像もつかない事だ。 もし明峰さんとゆいが今までに何度も会っていて、かなり親しい関係なら、ゆい自身が詳しく説明すれば明峰さんも理解してくれるだろう。だが明峰さんはゆいと、たった一度しか会って居ないのだ。 この前聞いた話では、確かに明峰さんはゆいにかなり良い印象を持ったようだが、それは盗聴器の件を帳消しにするほどではないだろう。 私は明峰さんとは親しい友人だが、じゃあ、私が行って事実を説明すれば、明峰さんは納得してくれるだろうか。ゆいは知らずに持って行っただけです。いや、盗聴機以外のトラブルであれば、納得してくれる可能性は十分あるが流石に盗聴器の件では駄目だろう。 盗聴器の件は大鷹市を支配下に治めようとする明峰商事への不敵な侮辱である。こんな事をした相手を、それが誰であれ、許す筈がない。 何か打開策は無いだろうか。 ところで、この次は間違いなく盗聴器を発見しなければならない。何故なら、次回は間違いなく見つけます、と言ったのだから、何も無かったですと言えば、その一言で私は明峰さんの信用を完全に失ってしまう。 宗像は色々考えたが、ゆいが疑われないようにする方策は浮かんで来なかった。 兎に角、明日また長岡の所に行って相談してみよう。彼なら何か巧妙な方策があるかも知れない。宗像は早速、長岡に電話を入れた。 「宗像だけど、急いで相談したい事があるんだ。明日は何時頃なら空いてるかね」 「そうですね、六時半以降なら大丈夫です」 「六時半ね、よし分かった」 翌日、宗像は仕事を終えると、もう五時近くになっていたので早めの夕食を大鷹駅近くのラーメン屋で済ませると、それから筑前町の長岡特殊基板に向かった。 「盗聴器は社長室の鉢植えに仕掛けられていたよ。ところで鉢植えの中に盗聴器を組み込むのは簡単なのかね」 「ええ、それは至極簡単です。土の中に本体を隠しアンテナは植木の陰になる様にすれば十分です」 「ああ、なるほどね。ところで盗聴器は発見出来たが、しかし、その事実を有りの儘に依頼人に伝えると、何も知らずに鉢植えを持って行った若い女性が危険な状況になるかも知れないんだ。それで、そこを何とか回避したいんだがね」 「そうすると、宗像さんとしてはどんな結末を望んでいるんですか?」 「理想的には鉢植えの中に盗聴器は無かったと言う事に出来れば一番良い。そうすればその女性は盗聴器を置いた事とは無関係になるから」 「そうですか。それなら鉢植えの盗聴器を停止させてしまえば、それは無いのと同じになりますね」 「えっ、そんな事が出来るのかね」 「ごく簡単です。電子回路に強力な電磁波を至近距離で、一瞬放射すればその回路は破壊されます」 「なるほど強力な電磁波で破壊するのか、それなら確実だね」 長岡は話しながら立ち上がるとスチール戸棚から西部劇でよく見かけたホルスター付きのベルトと、少し拳銃に似ている黒い筒を取り出した。 「これを使って、いとも簡単に破壊出来ますよ。使い方はこの黒い筒を出来るだけ盗聴器に近づけて、このボタンを押せばそれで作業は一瞬で終わります」 宗像は懐中電灯そっくりの黒い筒を入念に眺めたが、そんな威力を秘めた物には到底見えなかった。 「もしかして、これは懐中電灯としても使えるのかな」 「ええ、使えますよ。懐中電灯として実用になるように作ってあります」 「なるほど、偽装か。それにしてもこんな機械を作っても買う人が居るとは思えないが」 「いや、需要はかなりあります。国外から年間五十台程度の製作依頼が来ます。勿論、一般人からの依頼は皆無ですが」 「それで、これを購入した連中は一体、何に使うの?」 「まあ、使い方は買った人自身が考える事ですが、その目的は様々だと思います。例えばダムや工場の制御システム、企業の会計システム等を破壊するためとかですね。電子回路の破壊ですからあらゆる対象に適用可能だと思います」 「うーん、実に怖い話だな。さて、それでこの機械を使えば鉢植えの盗聴器は壊れて機能停止になる。それはそれで完全にOKだ。だが、そうなると結果的に盗聴器は何処にも無かった事になり、今度は私自身が大いに困る事になるんだ。 と言うのは前回、この次は間違いなく発見出来ます、と言ったから、それが何も無かったとなると私の信用はガタ落ちになってしまう。 ガタ落ちだけならいいが、恐らく依頼者は状況が急変した事で何か不審感を抱くと思うんだ。それがどんな方向に飛び火するかと思うと、これはかなり怖いね」 「ああ、例えば、別の業者に盗聴器の発見を頼むと言う事ですね?」 「他の業者に頼んでも壊れた盗聴器は絶対に発見出来ないと思うが、世の中、何が起こるか、分からないからね。もし、壊れた盗聴器が発見されたら、これは相当の修羅場に私は立ち会う事になってしまう」 「そうですか。それなら盗聴器があれば別の業者に頼む事は無い訳ですから、在った事にすれば良いと思います」 「在った事にする?」 「別の盗聴器を何処でも良いですが机の下辺りから発見すればいいんです」 「あっ、そう言う事か。鉢植え以外の場所から盗聴器が見つかる訳だ。それなら明峰さんは納得するだろう。そうか、よし、それで行こう。じゃあ替え玉の盗聴器を格安で頼む」 「お世話になってる宗像さんに物を売る訳に行きませんよ。一番奥の戸棚に盗聴器がありますからそこから好きなものを持って行って下さい」 応接室の周囲はスチール製の大きな戸棚が幾つも並んでいた。一番奥の戸棚に行くと色んな形の盗聴器が見えた。青い目の人形や鉢植え、色んな時計、額縁、置物、定番である盗聴器内蔵コンセント、湯沸かしポットもあった。 勿論、それらは一見しただけでは、誰であれ、盗聴器である事に気付く者は居ないであろう。宗像はこれが全て盗聴器なのかと、信じられない思いで見ていた。 更に見回すと磁石でスチール面に貼り付ける薄い箱型の小型盗聴器があった。これが良さそうだ。これなら社長室にスチール机が二台あったからあの底板に貼り付けて置けば良いだろう。そうして如何にも発見した風に演技すればいいのだ。 「これが良いかな。これならスチール机の底に張り付くから」 「そうですね」 「電源スイッチは何処かな。見当たらないけど」 「当社の盗聴器は電源スイッチ無しです」 「無い? すると電池を出し入れするだけか」 「そうです。盗聴器は出来るだけ小さくする必要がありますから不要なものは一切付けてないのです」 「電源スイッチが無くて困る事は無いのかね」 「我が社の盗聴器は全て軍用仕様になってます。諜報機関が盗聴器を目的の場所に設置するのは一度限りの命懸けであり、それを回収する事はないです。ですから電源スイッチは不要なのです。まあ、でも市販の盗聴器はおもちゃレベルですからスイッチがあると思います」 「そうだね、設置した後、盗聴器を回収する必要は無いし、それに再び行ったら見つかって殺されてしまうだろう」 宗像は用件が済んだら何時もの様にのんびり長岡と雑談する積りだったが、いざ代わりの盗聴器を手にした途端、明日の事がひどく心配になり、直ぐ帰宅する事にした。 「じゃあ、これを貰って行くよ。お世話になりました。一段落したら報告に来るよ」 自宅に戻ると宗像はソファでコーヒーを飲みながら明日の行動について、様々な角度から検討した。 最初にやる事は二つだ。先ずは鉢植えの盗聴器を破壊する事。次に何かを探す振りをして机の下に潜り込んでダミーの盗聴器を底板に貼り付ける事。特に予想外の問題が出現しない限り、何方の作業も瞬時に終わる筈だ。 順番は何方が先でも構わないが、一応、破壊を先にしよう。 ところで、この作業は明峰さんがずっと社長室に居る場合でも可能だろうか。 社長室には両袖付きのスチール机が二台並べられていて南側の机で明峰さんは仕事をしている。鉢植えがあるのは北側スチール机の中央である。両袖付きのスチール机は1メートル半位の長さだから、明峰さんが居る場合に破壊を実行する時、両者の距離は約2メートル位になる。 両者は至近距離だが破壊工作は音もしないし大きな動作も必要としない。だから部屋を見回す振りをしながら実行する事は可能だ。ダミーの盗聴器は机の下に潜り込む事になるが、盗聴器を探しているのだから机の下に潜り込んでも不審には思われる事は何も無いだろう。 これなら、明峰さんが居る時に実行しても全く大丈夫だろう。 一旦、結論が出たが宗像はもう一度、頭の中で実行場面を想像し、最初から振り返って見た。 いや待てよ。何か変だ。明峰さんの前で盗聴器発見時も含めるとスチール机の下に最終的に二回も潜り込む事になる。それなら最初に潜り込んだ時に盗聴器は見つかって居ても良い筈だ。これはまずい。 それとやはり、何かをする時に明峰さんは居ない方が良い。 当日、時間はあるのだから明峰さんが不在の時は必ず来る。ダミー盗聴器はその不在時に机の下に張り付けるべきだ。そうして二時間位探す振りをして明峰さんが来た時、机の下に潜り込んで、此処にありました、と叫べばいい。
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はじめに:「服、どうしたの?」と彼女に言われた日のこと 大学時代、2年付き合ってた彼女に突然言われた。 「……なんか最近、見た目に気を使ってくれないよね」 そのときの僕の服装: 古びたパーカー いつ買ったか忘れたジーンズ 無精髭 髪は寝癖ついたまま 心当たりがありすぎた。 でも、恥ずかしさからこう言い返してしまった。 「中身が大事でしょ?オシャレとか興味ないし」 ……それから2週間後、彼女にフラれた。 見た目って、そんなに大事か? 僕はずっと「中身が良ければいい」「見た目は気にするのダサい」って思ってた。 でも社会に出て、ふと思った。 営業の先輩は、服装も髪型もバッチリ 合コンでは、オシャレなやつに女子が群がる マッチングアプリでは、写真の時点で落とされる 「見た目、大事なんじゃね……?」 それでも何をどう変えればいいか分からなかった。 ダサい自分に自信がないのに、変わる方法も分からない。 そんなときに見つけたのが―― **「メンズ専門 似合うがわかる店」**だった。 「似合う」がわかるってどういうこと? このサロンのサービスは、単なるスタイリング提案じゃなかった。 顔タイプ診断(丸顔・面長・骨感など) 骨格診断(体の厚み・フレーム感) パーソナルカラー診断(肌と服の色の相性) この3つをもとに、**「あなたに似合う髪型・服・色・メイク」**が明確にわかる。 「え?見た目って“センス”じゃなくて“データ”なの?」 → この衝撃が、人生の転機だった。 初めてのプロ診断:僕史上、最も目からウロコの時間 診断当日。緊張しながらサロンに行くと、 女性コンサルタントが丁寧に話を聞いてくれた。 「骨格的に、このパンツは脚が長く見えますよ」 「顔の印象は優しさがあるので、堅すぎる服はNGです」 「この色は肌がくすんで見えるので避けましょう」 言われた通りに服を変えて鏡を見た瞬間、 「……誰?」 本当に、自分とは思えなかった。 “モテ”とか以前に、「自分ってこう見せられるんだ」という新しい発見だった。 Before / After:外見を変えたら、心も変わった サロンのあとは、ショッピング同行もしてもらった。 選んでもらった服を着て、街を歩く。 最初は恥ずかしかったけど、だんだん気分が上がってきた。 そこから3ヶ月―― ✔ マッチングアプリで初めて“自分から”いいねが来た ✔ 会社の女子社員に「なんか雰囲気変わった?」と言われた ✔ 鏡を見て、「今日の僕、悪くないな」と思えるようになった 「外見を整える」は、自己肯定感を買うということ 僕は変わりたかったんじゃない。 “嫌いだった自分”を、少しだけ好きになりたかった。 それを実現してくれたのが、 「似合う」をプロが教えてくれたこのサロンだった。 外見って、見た目だけの話じゃない。 それは、“自信のスタートライン”でもある。 まとめ:「僕ってダサいかも」と思った瞬間が、人生のターニングポイント もし今のあなたが―― 恋愛で自信を失っている 何を着ればいいか分からず悩んでる モテたいというより、“自分を変えたい”と思っている なら、 その気持ちを“プロの知識”で変えてみるのもアリだと思う。 ▼「似合う」がわかると、自分が変わる。体験はこちらから
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